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マーサは困惑していた。
誰かに相談したいが、第四王子のシルヴァン殿下に告白されたなど誰が信じてくれるだろうか。
頭がおかしくなったと思われて終わりだろう。
次に会う時どんな顔をして出向けばいいのかと頭を抱えた。
しかし意外にも何事もなかったようにシルヴァンは接してくれてマーサは安堵した、のもつかの間、シルヴァンはマーサへの好意を隠すことなく、むしろヒートアップしていった。
勉強の合間に抱き締める時間が必須となった。
その度に好きだと言われてマーサは断るが、シルヴァンは諦めてくれない。
しかも、少しずつなあなあになり抱き締めるくらいならと、許してしまっている。
毎回許していたら、帰る際は頬にキスをされ。
簡単にそんなことをしては駄目ですよ、と抗議するとマーサにしかしないと返される。
そしてじんわりと喜んでしまうのだ。
ーーー
卒業が近くなってくると、シルヴァンの公務の量が増えた。
詳しいことは不明だが、学院を欠席することもあるらしい。
「殿下、課題の量を少し減らそうと思うのですが」
「いや、今のままで問題ないよ。学問に触れる時間もしっかり取りたいしね。卒業したらどうせ仕事はするんだ。今しか出来ないことも有意義だと考えているよ」
「そうですか......」
「心配してくれて感謝するよ、それより今日もマーサは可愛いね」
「......またそんなこと仰って」
「つれないなあ」
麗しいシルヴァン殿下に毎週こんなことを言われて好意を抱かない女性っているんですか......?
マーサは陥落寸前であった。
「マーサ、おいで」
シルヴァンがマーサを抱き寄せる。
「こんなところ側近のかたに見られたら叱られてしまいます」
「それはないよ。俺が本気だって、知ってるからね」
シルヴァンの曇りのない瞳に気持ちが揺らぐ。
「マーサ、耳弱いよね」
「あ、いけませんっ」
シルヴァンがチュッ、チュッと耳にキスをする。
それだけで蕩けそうになってしまうマーサは自分を強く保とうとするが、強い刺激に抗えない。
そして抱き締められているので逃げられない。
体は嫌がっていないのだ、気持ちだって本当は......。
シルヴァンを無下に出来ない自分を恨む。
「そろそろ付き合う気になった?」
耳元にキスをしながら囁く。
「そんなっ......ん、とんでもございませんっ」
シルヴァンとは七つも歳が離れている。まさか自分が殿下と、などと思えるはずがない。
あくまで教師と生徒である。
(教師は生徒とこんなことしないけど!)
仲を深められたなどと自惚れてはいない。
自惚れてはいないはずなのだが。
「そろそろ素直になったらいいのに」
「恐れ、あっ、多いです......」
「身体はこんなに正直なのに?マーサ、誰にでもこんなに感じちゃうの?」
「そんなこと...!んんっ」
べろ、ちゅぱっと卑猥な音が頭を支配する。
「はあっ、今日はキスしたい、もう待てない、待てないよマーサ」
耳元から離れたと思うと、マーサの唇に口づける。
「んんっ」
「はあ、ずっとしたかった」
一度、二度と、角度を変えて何度もキスされる。
抗う力がなくなると、シルヴァンの舌がマーサの口内を犯す。
されるがままになるマーサ。
「好き、好きだよマーサ」
キスの合間にシルヴァンが囁く。
「気持ちいいね、マーサ、キス、気持ちい......」
頭がぼおっとしてきたマーサが無意識にシルヴァンの裾を掴む。
「舌だして、こうやって」
シルヴァンがべ、と舌をだすと正常に頭が動かなくなったマーサはシルヴァンの真似をして舌を出した。
すかさずシルヴァンは見せつけるように自分の舌でマーサの舌をチロチロと舐める。
シルヴァンと自分の舌が触れあっている。
マーサはいやらしい光景に視覚からも興奮が増す。
マーサの様子に満足したシルヴァンはマーサの舌をじゅるじゅると吸い上げる。
ひっこめようとするとシルヴァンが追いかけるようにマーサの唇にかぶりつく。
「ん……マーサ、早く降参してよ」
誰かに相談したいが、第四王子のシルヴァン殿下に告白されたなど誰が信じてくれるだろうか。
頭がおかしくなったと思われて終わりだろう。
次に会う時どんな顔をして出向けばいいのかと頭を抱えた。
しかし意外にも何事もなかったようにシルヴァンは接してくれてマーサは安堵した、のもつかの間、シルヴァンはマーサへの好意を隠すことなく、むしろヒートアップしていった。
勉強の合間に抱き締める時間が必須となった。
その度に好きだと言われてマーサは断るが、シルヴァンは諦めてくれない。
しかも、少しずつなあなあになり抱き締めるくらいならと、許してしまっている。
毎回許していたら、帰る際は頬にキスをされ。
簡単にそんなことをしては駄目ですよ、と抗議するとマーサにしかしないと返される。
そしてじんわりと喜んでしまうのだ。
ーーー
卒業が近くなってくると、シルヴァンの公務の量が増えた。
詳しいことは不明だが、学院を欠席することもあるらしい。
「殿下、課題の量を少し減らそうと思うのですが」
「いや、今のままで問題ないよ。学問に触れる時間もしっかり取りたいしね。卒業したらどうせ仕事はするんだ。今しか出来ないことも有意義だと考えているよ」
「そうですか......」
「心配してくれて感謝するよ、それより今日もマーサは可愛いね」
「......またそんなこと仰って」
「つれないなあ」
麗しいシルヴァン殿下に毎週こんなことを言われて好意を抱かない女性っているんですか......?
マーサは陥落寸前であった。
「マーサ、おいで」
シルヴァンがマーサを抱き寄せる。
「こんなところ側近のかたに見られたら叱られてしまいます」
「それはないよ。俺が本気だって、知ってるからね」
シルヴァンの曇りのない瞳に気持ちが揺らぐ。
「マーサ、耳弱いよね」
「あ、いけませんっ」
シルヴァンがチュッ、チュッと耳にキスをする。
それだけで蕩けそうになってしまうマーサは自分を強く保とうとするが、強い刺激に抗えない。
そして抱き締められているので逃げられない。
体は嫌がっていないのだ、気持ちだって本当は......。
シルヴァンを無下に出来ない自分を恨む。
「そろそろ付き合う気になった?」
耳元にキスをしながら囁く。
「そんなっ......ん、とんでもございませんっ」
シルヴァンとは七つも歳が離れている。まさか自分が殿下と、などと思えるはずがない。
あくまで教師と生徒である。
(教師は生徒とこんなことしないけど!)
仲を深められたなどと自惚れてはいない。
自惚れてはいないはずなのだが。
「そろそろ素直になったらいいのに」
「恐れ、あっ、多いです......」
「身体はこんなに正直なのに?マーサ、誰にでもこんなに感じちゃうの?」
「そんなこと...!んんっ」
べろ、ちゅぱっと卑猥な音が頭を支配する。
「はあっ、今日はキスしたい、もう待てない、待てないよマーサ」
耳元から離れたと思うと、マーサの唇に口づける。
「んんっ」
「はあ、ずっとしたかった」
一度、二度と、角度を変えて何度もキスされる。
抗う力がなくなると、シルヴァンの舌がマーサの口内を犯す。
されるがままになるマーサ。
「好き、好きだよマーサ」
キスの合間にシルヴァンが囁く。
「気持ちいいね、マーサ、キス、気持ちい......」
頭がぼおっとしてきたマーサが無意識にシルヴァンの裾を掴む。
「舌だして、こうやって」
シルヴァンがべ、と舌をだすと正常に頭が動かなくなったマーサはシルヴァンの真似をして舌を出した。
すかさずシルヴァンは見せつけるように自分の舌でマーサの舌をチロチロと舐める。
シルヴァンと自分の舌が触れあっている。
マーサはいやらしい光景に視覚からも興奮が増す。
マーサの様子に満足したシルヴァンはマーサの舌をじゅるじゅると吸い上げる。
ひっこめようとするとシルヴァンが追いかけるようにマーサの唇にかぶりつく。
「ん……マーサ、早く降参してよ」
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