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黒の村にて 投げと回避
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僕やラカムタさん達を見ている母さんに界気化した魔力を放って調べてみても、いつもの母さんだった。どうな反応をするべきか迷っていると、母さんが嬉しそうに兄さんと姉さんに近づいていく。
「うふ、ちょうどみんなが盛り上がってる時で良かったわ」
「えっと……かあさ、きゃあ‼︎」
「うお‼︎」
「あ」
母さんが兄さんと姉さんに近づいて脇に手を入れ、二人をブンッと放り投げる。僕とリンリーは空を見上げて二人の軌道を確かめたら、僕達が隠れている建物を越えて広場の真ん中辺りに落ちる感じだった。
「ふう……、うん?」
兄さんと姉さんなら問題なく着地できるなって安心していると、母さんの手が僕の脇に入る。チラッと横を見るとリンリーの脇にも、僕と同じく母さんの手が入っていた。
「……母さん?」
「あの、エステアさん……?」
「みんなやる気に満ちあふれてるから、ヤートとリンリーも参加してきなさい」
「どういうい、み……」
「待ってくだ……」
母さんに話を聞こうとしたら、突然僕の視界がブレて身体に風を感じて次の瞬間には空中で村を見下ろしている。どうやら兄さんと姉さんみたく母さんに投げられたみたい。それよりも僕は界気化した魔力を発してたのに母さんの行動に対応できてないのは問題だ。やっぱり、いくら情報を集めても、僕自身が迷ってたり呆けてたりして正常な判断をできないと意味が無いって事か。もっと落ち着こう。
「よっと……、ふう」
「ヤート君、大丈夫ですか?」
「うん、問題ないよ」
「ヤートも母さんに投げられたんだな」
「本当にどういう状況なのかしら……?」
なんとか空中で体勢を整え少しよろけながら着地したら、僕の近くに着地したリンリーと先に投げられた兄さんと姉さんが走り寄ってきて、僕を中心とした三角形の陣形を作った。
「いろいろ理由はわからないけれど、とにかく乗り切るわよ」
「うん」
「望むところだ‼︎」
「わかりました」
あれから兄さん達は、僕を守りながら挑みかかってくる子達を迎撃してる。……今のところ問題なく対応できてるけど、どう考えても僕が兄さん達の足手まといになってる。
「兄さん、姉さん、リンリー、守ってくれてありがとう。でも、今から僕も前に出るよ」
「ヤート、待て‼︎ 俺達の中にいろ‼︎」
「界気化を使って回避と防御に徹するから気にしないで。僕の青の村での鍛錬を知ってるでしょ?」
僕が兄さんと姉さんの間を抜け前に出ると、兄さん達に挑みかかっていた子達の動きが止まる。たぶん僕の行動が意外だったのかな? まあ、それはそれとして兄さん達の邪魔にならないところに移動しよう。
界気化した魔力を周りに放ちながら広場の端を目指して歩き出す。当然を僕を捕まえようとする子達もいたけど、肩をつかむ・足払い・抱きついて押し倒すという妨害は界気化した魔力で事前に感知できているので紙一重で避けつつ、子供達の間をすり抜けていった。
少しして広場の端に着いたので自分の身体を同調で確認する。……よし、異常はない。広場にいる全員の行動を界気化した魔力で把握しても頭痛や吐き気が起きないから、僕の頭はだいぶ界気化で受け取る情報量の多さに慣れたみたいだね。
「良い感じだ……って、あれ?」
僕が自分の成長を確かめていると周りを囲まれた。何で僕の方に来たんだろ? それに僕をギラギラした目で見てくるのは何で?
「兄さん達のところに行かなくて良いの?」
「あとで、とことんやりあうさ。だが、今はヤー「ちょっと待って」」
いっせいに跳びかかろうとした時に僕が止めたので、みんなはガクッと体勢を崩す。
「……どうした?」
「受け止めてあげて」
「は? 何をだ?」
「あっち」
僕の指差した方には兄さん達がいて、ちょうど決定的な瞬間だった。
「オラア‼︎」
「グべッ……」
「まずい‼︎ 止めろ‼︎」
兄さんに殴られた子が、きりもみ回転をしながら吹き飛ぶ。僕を囲んでいた子達は、兄さんに殴られた子が、このままだと吹き飛んだ勢いで建物に直撃すると気づき大慌てで走り出す。僕も万が一のために後を追う。
なんとかギリギリで兄さんに殴られた子は受け止められた。すぐに僕がケガの具合を確かめると、両腕に大きなアザができていて気絶していた。どうやら防御はしたみたいだけど、兄さんの打撃の衝撃に耐えられなかったみたいだね。さらに詳しく調べるため身体に触り同調する。
「ヤート、ポポは……?」
「……両腕にヒビと内出血がある以外は大丈夫」
「良かった……」
ポポ……、確か兄さんと狩りなんかで張り合ってる子だったはず。まあ、ケガが食べて寝れば一晩で治るくらいだったのは良いとして、問題なのは……。
「オラオラオラ‼︎」
「ハアッ‼︎」
兄さんと姉さんが本気になってるって事だね。それにリンリーも姿と気配を絶ち奇襲してるから本気だ。……村のみんなも兄さん達に対抗するように本気を出してるし、みんなが話を聞けるまで落ち着くのに、どのくらいかかるんだろ?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「うふ、ちょうどみんなが盛り上がってる時で良かったわ」
「えっと……かあさ、きゃあ‼︎」
「うお‼︎」
「あ」
母さんが兄さんと姉さんに近づいて脇に手を入れ、二人をブンッと放り投げる。僕とリンリーは空を見上げて二人の軌道を確かめたら、僕達が隠れている建物を越えて広場の真ん中辺りに落ちる感じだった。
「ふう……、うん?」
兄さんと姉さんなら問題なく着地できるなって安心していると、母さんの手が僕の脇に入る。チラッと横を見るとリンリーの脇にも、僕と同じく母さんの手が入っていた。
「……母さん?」
「あの、エステアさん……?」
「みんなやる気に満ちあふれてるから、ヤートとリンリーも参加してきなさい」
「どういうい、み……」
「待ってくだ……」
母さんに話を聞こうとしたら、突然僕の視界がブレて身体に風を感じて次の瞬間には空中で村を見下ろしている。どうやら兄さんと姉さんみたく母さんに投げられたみたい。それよりも僕は界気化した魔力を発してたのに母さんの行動に対応できてないのは問題だ。やっぱり、いくら情報を集めても、僕自身が迷ってたり呆けてたりして正常な判断をできないと意味が無いって事か。もっと落ち着こう。
「よっと……、ふう」
「ヤート君、大丈夫ですか?」
「うん、問題ないよ」
「ヤートも母さんに投げられたんだな」
「本当にどういう状況なのかしら……?」
なんとか空中で体勢を整え少しよろけながら着地したら、僕の近くに着地したリンリーと先に投げられた兄さんと姉さんが走り寄ってきて、僕を中心とした三角形の陣形を作った。
「いろいろ理由はわからないけれど、とにかく乗り切るわよ」
「うん」
「望むところだ‼︎」
「わかりました」
あれから兄さん達は、僕を守りながら挑みかかってくる子達を迎撃してる。……今のところ問題なく対応できてるけど、どう考えても僕が兄さん達の足手まといになってる。
「兄さん、姉さん、リンリー、守ってくれてありがとう。でも、今から僕も前に出るよ」
「ヤート、待て‼︎ 俺達の中にいろ‼︎」
「界気化を使って回避と防御に徹するから気にしないで。僕の青の村での鍛錬を知ってるでしょ?」
僕が兄さんと姉さんの間を抜け前に出ると、兄さん達に挑みかかっていた子達の動きが止まる。たぶん僕の行動が意外だったのかな? まあ、それはそれとして兄さん達の邪魔にならないところに移動しよう。
界気化した魔力を周りに放ちながら広場の端を目指して歩き出す。当然を僕を捕まえようとする子達もいたけど、肩をつかむ・足払い・抱きついて押し倒すという妨害は界気化した魔力で事前に感知できているので紙一重で避けつつ、子供達の間をすり抜けていった。
少しして広場の端に着いたので自分の身体を同調で確認する。……よし、異常はない。広場にいる全員の行動を界気化した魔力で把握しても頭痛や吐き気が起きないから、僕の頭はだいぶ界気化で受け取る情報量の多さに慣れたみたいだね。
「良い感じだ……って、あれ?」
僕が自分の成長を確かめていると周りを囲まれた。何で僕の方に来たんだろ? それに僕をギラギラした目で見てくるのは何で?
「兄さん達のところに行かなくて良いの?」
「あとで、とことんやりあうさ。だが、今はヤー「ちょっと待って」」
いっせいに跳びかかろうとした時に僕が止めたので、みんなはガクッと体勢を崩す。
「……どうした?」
「受け止めてあげて」
「は? 何をだ?」
「あっち」
僕の指差した方には兄さん達がいて、ちょうど決定的な瞬間だった。
「オラア‼︎」
「グべッ……」
「まずい‼︎ 止めろ‼︎」
兄さんに殴られた子が、きりもみ回転をしながら吹き飛ぶ。僕を囲んでいた子達は、兄さんに殴られた子が、このままだと吹き飛んだ勢いで建物に直撃すると気づき大慌てで走り出す。僕も万が一のために後を追う。
なんとかギリギリで兄さんに殴られた子は受け止められた。すぐに僕がケガの具合を確かめると、両腕に大きなアザができていて気絶していた。どうやら防御はしたみたいだけど、兄さんの打撃の衝撃に耐えられなかったみたいだね。さらに詳しく調べるため身体に触り同調する。
「ヤート、ポポは……?」
「……両腕にヒビと内出血がある以外は大丈夫」
「良かった……」
ポポ……、確か兄さんと狩りなんかで張り合ってる子だったはず。まあ、ケガが食べて寝れば一晩で治るくらいだったのは良いとして、問題なのは……。
「オラオラオラ‼︎」
「ハアッ‼︎」
兄さんと姉さんが本気になってるって事だね。それにリンリーも姿と気配を絶ち奇襲してるから本気だ。……村のみんなも兄さん達に対抗するように本気を出してるし、みんなが話を聞けるまで落ち着くのに、どのくらいかかるんだろ?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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