ひ弱な竜人 ~周りより弱い身体に転生して、たまに面倒くさい事にも出会うけど家族・仲間・植物に囲まれて二度目の人生を楽しんでます~

白黒 キリン

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黒の村にて 乱戦中の会話と報告

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 あれから、みんないっさい休憩をしないで戦い続けてた。一応、僕も最小限の動きで回避して体力の消費を抑えつつ広場の端の方にいる。そしてそんな中、三体が広場の外側を回り込んで僕から少し離れたまでやってきて、周りの子達からの攻撃を避けている僕に話しかけてきた。

「……ガア?」
「うん、大、丈夫、だよ」
「ブオ?」
「本、当に、大丈、夫」

 避けながら返事をするのは難しいなと思っていたら、ディグリが視線を僕を囲んでる子達に向けた。

「必要ナラ私達モ戦イマスガ?」

 僕を囲んでる子達は一瞬で僕から離れ三体に対して構えた。これはどう考えてもまずい流れだから、僕は速攻で最悪の可能性を排除する。

「さすがにディグリ達の参戦は、乱戦の規模が膨れて広場に収まらなくなるかもしれないから困る。もし、これはダメだって思った時は、僕の魔法でなんとかするから今回は気にしないで」
「ガア」
「ブオ」
「ワカリマシタ。ソレデハ、ココデ見テイマスネ」
大神林だいしんりんでゆっくりしてて良いのに」
「ガ、ガア」
「ブオ、ブオ」
「セッカクナノデ、アナタヲ最後マデ見テイマス」
「そういう事なら少しは頑張らないとダメかな」

 鬼熊オーガベア破壊猪ハンマーボアは地面に寝そべり、ディグリは軽く根付いて静観すると身体で示す。僕はそんな三体に見られてるなら避けてばかりじゃなく、もっと目的を持った動きをするべきだと思い、行動方針を回避と防御の優先から乱戦の鎮静化に切り替えた。

 広場を見渡すと、広場の真ん中辺りで兄さん達が派手に戦っている。……まずは兄さん達に落ち着いてもらうのが一番か。僕は三体に行ってくると言い兄さん達の方へ歩き出す。

 うーん、やっぱり兄さん達に近づくほど僕への攻撃も増えてくるね。でも、僕は慌てず冷静に全ての攻撃を避け、兄さんと姉さんの邪魔にならない位置まで近づき周りの子達が吹き飛ばされた時を見計らい話しかける。

「兄さん、姉さん、落ち着いて。このまま激しくなるのはまずい」
「ハッハー‼︎ かかってくる奴は全員ぶっ飛ばすだけだ‼︎」
「そうよね。向かってきたのはポポ達なんだし、私達から譲る必要はないわ」
「私も二人に賛成です。それに貴重な実践の場を逃せませんよ」

 ……兄さん達の説得に失敗した。こうなったら魔法で無理やり止めるしかない。僕は腰の小袋から青い実を取り出して魔法を唱える。

緑盛魔法グリーンカーペット鎮めリリ「そこまでじゃっ‼︎」」

 僕達は誰かの大声で動きを止めた。……耳が痛い。頭もグワングワンしてる。声だけで大人数を無力化するとか、すごい声量だな。ふらつきながら周りを見ると、さっきまで戦ってた子達の中には地面へ手を着いて震えてる子もいる。……これは違う意味で魔法を発動しないとダメだと判断して魔法を唱える。

緑盛魔法グリーンカーペット鎮める青リリーブブルー

 僕の握っている青い実から、青色の霧が広場に拡散していく。この青い霧を呼吸で取り込めば、徐々に神経の混乱とか内臓の変調が治まってくる。そしてようやく復調したので、誰が大声を出したの確かめるために周りを見ると、すぐに誰かはわかった。

 なぜなら三体とは真逆の広場の外側に大人達がいて、その中で村長むらおさだけが僕達を見ており、他の大人達は耳を押さえたり立てなくなっている。まあ、あれだけの爆音を至近距離でくらったらそうなるよ。というか、なんで村長むらおさは大声を出す前に大人達へ備えるように言わなかったんだろ? そんな疑問を頭に浮かべながら、僕は鎮める青リリーブブルーを追加で発生させて大人達の方へ送った。



 少し待って全員の体調は良くなったので魔法を解除すると、村長むらおさ達が僕達の方に近づいて僕のすぐそばで立ち止まる。そして僕・兄さん・姉さん・リンリーを見てから笑った。

「ヤート、ガル、マイネ、リンリー、無事に帰ってきて何よりじゃ。それに動きが青の村へ行く前とは段違いじゃった。良い経験をしたようじゃな」
「おう‼︎ 前より強くなったぜ‼︎」
「ガル、言葉遣い‼︎ 村長むらおさ、すみません。ですが、私も強くなりました」
「私も同じです。前より戦えるようになりました」
「ふむ、良い良い。ところでヤートはどうなんじゃ?」
「僕はできる事が増えたっていう感じかな。……あ、忘れてた」

 僕がポツリとつぶやくと、みんながいったいどうしたって感じで見てきたので、僕はイリュキンを思い出しながら姿勢を正す。

「黒のヤーウェルト、青の村より戻りました」

 兄さん・姉さん・リンリーが僕の横に並んだ。

「同じく黒のガルド、青の村より戻ったぜ」
「同じく黒のマイネリシュ、青の村より戻りました」
「同じく黒のリンリー、青の村より戻りました」

 村長むらおさは僕達の帰還のあいさつに一瞬驚いたものの、すぐに気を取り直して僕達の頭を撫でてきた。

「帰還の報告を確かに受け取った。こうしてまたお前さん達の顔を見れて嬉しいのう。さっそく宴を開くとするか。そこでお互いの積もる話を聞くとしよう。準備せよ」

 広場が一気に和やかで賑やかな雰囲気に変わって、大人も子供をそれぞれが動き出す。ふー、これでようやく気になっていた色んな事が聞けそうだね。



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◎後書き
 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。

 感想や評価もお待ちしています。
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