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第四章
第三話
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酒場ではマギクが果実のジュースを、リレラとジールバードが麦酒を、ウロが赤ワインをそれぞれ飲んでいた。私達は人数分の水を貰ったので、丁寧にラーラに飲ませてあげた。
しばらくして大量の肉や魚を使った料理がチーズや白パンと一緒に運ばれてきた。
食べさせてもらえないんじゃ「生殺し」にも程があるなんて思っていると、布がずらされ、半ば強引に口に食べ物が運び込まれた。
「お前たちだってお腹が空いてるでしょ? リーダーが許可してくれたんだ、さあ食べなよ」
血色が良くなっているリレラが串片手にそう言うと、マギクも大きく頷いた。
斯くして私達もおこぼれにありつけた。
宿に戻ると、リレラとジールバードはすぐに眠ってしまった。
「本当にお気楽な連中だぜ。明日のことも考えず飲めるなんて」
相変わらず真っ白な肌をしたウロが革袋から取り出したワインを注ぎながら言う。
「取っていいよ」
マギクが許可してくれたので、私達は布をようやく外した。
その様子を見て、ウロがクククと笑う。
「おい、今のうちに布の感触を好きになっておいた方がいいぜ? 首を斬られる時に顔を覆われるし、斬られてからは永遠にそのままなんだからよ」
「…ウロ、君も酔っているんじゃないか? 普段の君はもっといいセンスを持ってるよ。そう、僕たち”四”人みなが尊敬するような高尚な言語センスをね」
「…」
マギクに窘められたウロは一瞬ムッとしたような顔を見せたが、すぐににやけ、グラス内
のワインを一気飲みした後、「そうかもしれねえな。酔ってるかもしれねえ」と言ってベッドに寝転がった。
「申し訳ないね。傷つけたなら謝るよ」
マギクが言った。
「とんでもないです。皆さんにとっては私はお仲間の仇ですから。それにしてはむしろ丁重に扱ってくれていると感じています。特にマギク様とリレラ様は」
「そう?」
マギクは足を組んだ座った。
しばらくしてから、彼が再び話し始める
「…僕はさ、これはあくまで個人の勝手な憶測だけど、君たちにだって、主人を裏切らなければいけない理由があったと思う」
その言葉を聞いた瞬間、私は思わず目を見開いた。
「同僚を殺さなければいけなかった理由、キリカを殺さなければいけなかった理由…一連の事件の責任の全てを君たちに求めることができない理由があると思っている。僕だって、実は冒険者になる前に実の父親を裏切っている。でも、そうする他なかった。だから、君たちを許すことは出来なくても、なにかしらの『理由』があると信じて勝手に同情させてもらっているよ。…ただ、もしそうだとしても君からは語らないでくれ。君の口から出た瞬間、それが事実だろうと偽物に思われてしまうからね。僕の同情は僕の勝手な思いのままにしておいて欲しい」
私は感激した半面、なんとも残念に思った。
もし、マギクに敵として出会っていなければ、きっと私達は友人になれただろう。
どうにかして許してもらえないだろうか。十中八九無理だろうが。
「そんなところさ」
私の苦悩はいざ知らず、マギクは話を切り上げた。
「さあ、寝よう! 明日は早いからね」
「明日の夜にはべレムジアに着く予定でしたっけ?」
「そう。でもそれは日の昇らない早朝に出発できるという前提があっての計画だからね」
「なるほど。じゃあ早く寝ないとですね」
私達は灯りを消し、目を閉じた。
しばらくして大量の肉や魚を使った料理がチーズや白パンと一緒に運ばれてきた。
食べさせてもらえないんじゃ「生殺し」にも程があるなんて思っていると、布がずらされ、半ば強引に口に食べ物が運び込まれた。
「お前たちだってお腹が空いてるでしょ? リーダーが許可してくれたんだ、さあ食べなよ」
血色が良くなっているリレラが串片手にそう言うと、マギクも大きく頷いた。
斯くして私達もおこぼれにありつけた。
宿に戻ると、リレラとジールバードはすぐに眠ってしまった。
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相変わらず真っ白な肌をしたウロが革袋から取り出したワインを注ぎながら言う。
「取っていいよ」
マギクが許可してくれたので、私達は布をようやく外した。
その様子を見て、ウロがクククと笑う。
「おい、今のうちに布の感触を好きになっておいた方がいいぜ? 首を斬られる時に顔を覆われるし、斬られてからは永遠にそのままなんだからよ」
「…ウロ、君も酔っているんじゃないか? 普段の君はもっといいセンスを持ってるよ。そう、僕たち”四”人みなが尊敬するような高尚な言語センスをね」
「…」
マギクに窘められたウロは一瞬ムッとしたような顔を見せたが、すぐににやけ、グラス内
のワインを一気飲みした後、「そうかもしれねえな。酔ってるかもしれねえ」と言ってベッドに寝転がった。
「申し訳ないね。傷つけたなら謝るよ」
マギクが言った。
「とんでもないです。皆さんにとっては私はお仲間の仇ですから。それにしてはむしろ丁重に扱ってくれていると感じています。特にマギク様とリレラ様は」
「そう?」
マギクは足を組んだ座った。
しばらくしてから、彼が再び話し始める
「…僕はさ、これはあくまで個人の勝手な憶測だけど、君たちにだって、主人を裏切らなければいけない理由があったと思う」
その言葉を聞いた瞬間、私は思わず目を見開いた。
「同僚を殺さなければいけなかった理由、キリカを殺さなければいけなかった理由…一連の事件の責任の全てを君たちに求めることができない理由があると思っている。僕だって、実は冒険者になる前に実の父親を裏切っている。でも、そうする他なかった。だから、君たちを許すことは出来なくても、なにかしらの『理由』があると信じて勝手に同情させてもらっているよ。…ただ、もしそうだとしても君からは語らないでくれ。君の口から出た瞬間、それが事実だろうと偽物に思われてしまうからね。僕の同情は僕の勝手な思いのままにしておいて欲しい」
私は感激した半面、なんとも残念に思った。
もし、マギクに敵として出会っていなければ、きっと私達は友人になれただろう。
どうにかして許してもらえないだろうか。十中八九無理だろうが。
「そんなところさ」
私の苦悩はいざ知らず、マギクは話を切り上げた。
「さあ、寝よう! 明日は早いからね」
「明日の夜にはべレムジアに着く予定でしたっけ?」
「そう。でもそれは日の昇らない早朝に出発できるという前提があっての計画だからね」
「なるほど。じゃあ早く寝ないとですね」
私達は灯りを消し、目を閉じた。
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