番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています

ゆきりん(安室 雪)

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 ミーシャはサリナと共に礼儀作法を学ぶ部屋に向かっていた。もちろん護衛も2人付いている。毎日歩き慣れた通路だ。しかし、何かイヤな予感がする。フレッドに注意するように念を押されたから?

 廊下の角を曲がると見慣れない顔の護衛がいた。身近な護衛は変わらないと聞いている。サリナに話しかけようとするが、横にサリナはいない。見慣れない護衛が手を伸ばし、羽交い締めし、口に布を当ててくる。何か薬臭い匂いがし、頭がクラクラする。サリナは?視界の端に倒れているサリナと護衛の姿が見える。

 そしてミーシャは意識を手放した。
 




 ガタガタと身体が揺すられている。

 頭が痛くて気持ち悪いから揺すらないで欲しい。ゆっくりと目を開けるが、真っ暗だ。

 何だろ?

 この状態になった理由を考える。

 誘拐!?

 どこかに運ばれているようだ。視界が暗いのは何故?目隠しではない、目がパチパチ出来るから。箱の中?手足は縛られてない。

 とりあえず、箱の天井をゆっくりと押してみると、カタリと動いた。そのまま開けみる。農地によくあるような荷馬車の上に大きな箱があり、ミーシャはその中にいた。そして箱の中にはミーシャ1人だけではなく、サリナもいた。

 「サリナっ!サリナっ!」

 耳元で声をかける。するとピクリと身じろぎしサリナは目を覚ました。

 「驚かないで、静かにしてね。サリナ」

 少しボ~ッとした後、サリナは覚醒したようだった。

 「礼儀作法を学ぶ為に廊下を歩いていて誘拐されたみたいだわ。私も今目覚めた所。たどり着くまでココに乗っているのと、飛び下りるのとどっちを選ぶ?」

 サリナに問いかける。

 「下りる方がいいような気がする」

 「そうよね、私もそう思う」

 2人は箱から出て、そっと蓋を直し1人ずつ飛び降りた。一旦道の脇にある木に隠れる。馬車は全く気にせず真っ直ぐに進んで行った。

 「さて、来た道を戻った方がいいよね?でも、ココどこだろうね?」

 「う~ん、しかも今は何時だろうね?サリナ時計してる?」

 侍女は時計を支給されているので聞いてみる。

 「してる。今19時だよ、壊れて無ければ。礼儀作法に向かったのは13時少し前だったよね?て事は6時間経ってる。王宮から馬車で6時間の範囲って広いね」

 「そうだよね~、領地1つ分は確実に越える距離だよね?あれ?サリナの実家の領地も馬車で5時間位の距離だよね?この道に見覚えないかな?」

 「う~ん、季節によって多少変わるし。目立たない様に少し戻りながら歩いていい?」

 2人でなるべく道の端に寄って歩く。

 「う~ん、見覚えあるような無いような?あっ!!ん?」

 サリナはパタパタっ走り出した。

 「サリナっ!ちょっと待ってよ!!」

 大きな木のある三叉路でサリナは立ち止まり、クルリと周りを見渡した。

 「ミーシャっ!!ウチらついてるっ!!」

 サリナはミーシャをギュッと抱きしめた。

 「くっ、苦しいっ!」

 サリナは指を口に咥え、『ピーッ』と指笛を鳴らした。そして1つの道を歩き出す。すると少し歩いた所で馬が走って来た。

 


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