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昨夜と同じ小さめのダイニングで朝食を食べていると、メイドがやって来て伝言を伝える。
「王妃様より、朝食が終わられましたらティールームにお2人でお越し下さいとの事です」
「あ~、それって他の兄弟も?」
「左様でございます」
「わかった」
返事をして、ガイナは溜息をついた。
何だ、他の兄弟と何かあるのか!?
朝食を終え、指定されたティールームに向かっていると思われる。ガイナは気が重そうだ。
「ガイナ、イヤな兄弟がいるのか?」
思わず聞いてみるが、ガイナは首を振る。そして繋いでいる手をギュッと握ってくる。
「スミレ、『郷に入れば郷に従え』という言葉がある。従ってくれ」
「何だそれは?そんなにイヤな事が待っているのか?」
「俺は今はイヤじゃない。寧ろ大歓迎だ」
話している内に指定の部屋に着いた。部屋の前には護衛騎士がいる。ガイナが室内に入るので、スミレも中に続く。
「あ~、話しは何処からともなく聞いていると思うが、俺の番スミレだ」
「スミレです」
ペコリと頭を下げ、顔を上げて絶句する。
座り方おかしいぞ?
密着し過ぎじゃないか!?
ガイナが進んだ先には椅子が1つしかない。そこにガイナは座った。そして、
「おいで、スミレ」
と手招きした。
そう、その場にいた全員男性の上に女性が座っているのだ。この場に招いた王妃様もだ。王様が王妃様の尻に文字通り敷かれているのだ。他の2組もそうだ。多分、第1王子と第3王子だと思う。
ガイナの横で立ち尽くしてしまったスミレを促し、ガイナは膝の上に座らせた。
「ま、まじかっ!?」
思わずスミレは為すがまま座らされてしまう。コレがさっき言ってた『郷に入れば郷に従え』か・・・。ガイナは今はイヤじゃないと言っていたな、大歓迎だと。まあ、座るしか無いなら座っておく。
家族が揃った所でそれぞれ挨拶し、全員の顔と名前を覚える。
「スミレちゃんは『闘剣令嬢』なんて通り名が付いちゃうくらい、強いのよね?ほら~、コモドンドラゴンをガイナと一緒に4匹ずつ倒したんでしょ?凄いわねっ」
王妃様が楽しそうに話すが、スミレはそれどころじゃ無い。男性が皆、膝の上の奥さんにせっせとお茶を飲ませたり、お菓子を食べさせているのだ。ガイナもスミレの口元にティーカップを持ってきて、スミレに飲まそうとしている。
「ほら、スミレ。王宮の紅茶は美味いぞ?多分ヌワラエリアだ」
「本当かっ!?んっ、本当だ美味いなっ!」
通常の口調で喋ってから『あ、』と気がつくが、口から出た言葉は戻って来ない。
「スミレさんは自警団に所属して男の中で働いていたから、男言葉になるのも仕方ないよな?」
第3王子・マークがフォローを入れてくれる。
「そうだな、なるよな?」
第1王子のフレッドも賛同した後、
「ドラゴンの涙いっぱいで羨ましいな。今着けてる指輪もそうでしょ?」
と聞いてくる。
「ええ、ガイナから婚約指輪で」
気づいてもらえて思わず笑顔で答える。
「婚約指輪っ!!ドラゴンの涙をっ!!ダイヤモンドじゃ無いあたり、凄いなガイナ」
「スミレさんも喜んでるし」
「ああ、お似合いの2人だよな」
何故か皆に頷かれてしまった。
「王妃様より、朝食が終わられましたらティールームにお2人でお越し下さいとの事です」
「あ~、それって他の兄弟も?」
「左様でございます」
「わかった」
返事をして、ガイナは溜息をついた。
何だ、他の兄弟と何かあるのか!?
朝食を終え、指定されたティールームに向かっていると思われる。ガイナは気が重そうだ。
「ガイナ、イヤな兄弟がいるのか?」
思わず聞いてみるが、ガイナは首を振る。そして繋いでいる手をギュッと握ってくる。
「スミレ、『郷に入れば郷に従え』という言葉がある。従ってくれ」
「何だそれは?そんなにイヤな事が待っているのか?」
「俺は今はイヤじゃない。寧ろ大歓迎だ」
話している内に指定の部屋に着いた。部屋の前には護衛騎士がいる。ガイナが室内に入るので、スミレも中に続く。
「あ~、話しは何処からともなく聞いていると思うが、俺の番スミレだ」
「スミレです」
ペコリと頭を下げ、顔を上げて絶句する。
座り方おかしいぞ?
密着し過ぎじゃないか!?
ガイナが進んだ先には椅子が1つしかない。そこにガイナは座った。そして、
「おいで、スミレ」
と手招きした。
そう、その場にいた全員男性の上に女性が座っているのだ。この場に招いた王妃様もだ。王様が王妃様の尻に文字通り敷かれているのだ。他の2組もそうだ。多分、第1王子と第3王子だと思う。
ガイナの横で立ち尽くしてしまったスミレを促し、ガイナは膝の上に座らせた。
「ま、まじかっ!?」
思わずスミレは為すがまま座らされてしまう。コレがさっき言ってた『郷に入れば郷に従え』か・・・。ガイナは今はイヤじゃないと言っていたな、大歓迎だと。まあ、座るしか無いなら座っておく。
家族が揃った所でそれぞれ挨拶し、全員の顔と名前を覚える。
「スミレちゃんは『闘剣令嬢』なんて通り名が付いちゃうくらい、強いのよね?ほら~、コモドンドラゴンをガイナと一緒に4匹ずつ倒したんでしょ?凄いわねっ」
王妃様が楽しそうに話すが、スミレはそれどころじゃ無い。男性が皆、膝の上の奥さんにせっせとお茶を飲ませたり、お菓子を食べさせているのだ。ガイナもスミレの口元にティーカップを持ってきて、スミレに飲まそうとしている。
「ほら、スミレ。王宮の紅茶は美味いぞ?多分ヌワラエリアだ」
「本当かっ!?んっ、本当だ美味いなっ!」
通常の口調で喋ってから『あ、』と気がつくが、口から出た言葉は戻って来ない。
「スミレさんは自警団に所属して男の中で働いていたから、男言葉になるのも仕方ないよな?」
第3王子・マークがフォローを入れてくれる。
「そうだな、なるよな?」
第1王子のフレッドも賛同した後、
「ドラゴンの涙いっぱいで羨ましいな。今着けてる指輪もそうでしょ?」
と聞いてくる。
「ええ、ガイナから婚約指輪で」
気づいてもらえて思わず笑顔で答える。
「婚約指輪っ!!ドラゴンの涙をっ!!ダイヤモンドじゃ無いあたり、凄いなガイナ」
「スミレさんも喜んでるし」
「ああ、お似合いの2人だよな」
何故か皆に頷かれてしまった。
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