番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
32 / 40

31

しおりを挟む
 スミレも残りの桃のシャーベットを食べながら、今ガイナに嵌めてもらった指輪を見る。中央に大きくブリリアントカットされたドラゴンの涙があり、リング部分には小さなドラゴンの涙が嵌め込んである。

 「ドラゴンの涙、綺麗だな」

 「ああ、スミレのイメージになった。そのドラゴンの涙は一緒に倒した時のものだ」

 「えっ!?作るの早くないか?まだ、戻って来て数日だろ?」

 「王家の本気だ。初めて発揮して作らせたが。準備しておいて良かったよ。残りはシンプルな結婚指輪に入れ込むか」

 「結婚指輪・・・」

 そうか、ガイナと結婚・・・。

 「ぷっ!!スミレ、顔を赤くして可愛いな。またキスしたくなったぞ」

 「今日はもういいからっ!!」




 夕食後は部屋まで送ってもらう。

 「しばらくは王宮に泊まれよ、スミレ。部屋はいっぱい部屋は余ってるし。毎日スミレに会いたい」

 ガイナは優しくスミレを抱き寄せ、おでこにキスをした。

 愛の花がフワフワ舞い落ち、ガイナは拾い何本かをスミレに渡し、1本は自分が持った。

 「おやすみ、スミレ」

 名残惜しげにガイナは自分の部屋へと帰って行った。ガイナが見えなくなるとスミレは部屋に入ったのだが、室内にはガイナとの愛の花がいっぱい飾ってあった。

 「どんだけ花を量産したんだよ」

 花の量に苦笑いし、今、ガイナに手渡された花も花瓶に挿した。

 スミレは花を飾る習慣は無いのだが、ガイナとの愛の花なら飾ってあっても悪くないと思う。

 侍女に入浴の手伝いを聞かれるが、1人で入れるから断る。しかし、寝巻きがフリルたっぷりの寝巻きだ。

 「誰の趣味だよ・・・」

 溜息をつきながら、着るものが無いので着るがかなり不本意だ。




 翌朝、着替えが終わるとガイナが朝食に誘いに来た。

 「ガイナ、暇なのか?」

 「元々番探しの旅の期間だから、特に予定は無いな。こないだは突然隣国のお姫様の相手をさせられたが。ああ、アイツは怒って国に帰ったぞ」

 「ガイナに執着してたな、いいのか?」

 「いいに決まってる。俺が愛してるのはスミレだけだよ」

 ガイナは優しく目を細め、スミレにキスする。

 「ちょ、ガイナっ!廊下でキスするなっ!人に見られるだろっ!?」

 恥ずかしいなっ!

 「俺は気にしない。むしろ見せびらかしたいくらいだ」

 「ガイナは硬派じゃなかったのか?」

 「だったが、スミレには我慢が効かないんだ。だから、俺に流されてくれ」

 そしてまたガイナは抱き寄せキスをした。
 



しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

【完結】そう、番だったら別れなさい

堀 和三盆
恋愛
 ラシーヌは狼獣人でライフェ侯爵家の一人娘。番である両親に憧れていて、番との婚姻を完全に諦めるまでは異性との交際は控えようと思っていた。  しかし、ある日を境に母親から異性との交際をしつこく勧められるようになり、仕方なく幼馴染で猫獣人のファンゲンに恋人のふりを頼むことに。彼の方にも事情があり、お互いの利害が一致したことから二人の嘘の交際が始まった。  そして二人が成長すると、なんと偽の恋人役を頼んだ幼馴染のファンゲンから番の気配を感じるようになり、幼馴染が大好きだったラシーヌは大喜び。早速母親に、 『お付き合いしている幼馴染のファンゲンが私の番かもしれない』――と報告するのだが。 「そう、番だったら別れなさい」  母親からの返答はラシーヌには受け入れ難いものだった。  お母様どうして!?  何で運命の番と別れなくてはいけないの!?

[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。 離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、 窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語

憎しみあう番、その先は…

アズやっこ
恋愛
私は獣人が嫌いだ。好き嫌いの話じゃない、憎むべき相手…。 俺は人族が嫌いだ。嫌、憎んでる…。 そんな二人が番だった…。 憎しみか番の本能か、二人はどちらを選択するのか…。 * 残忍な表現があります。

悪役令嬢の妹君。〜冤罪で追放された落ちこぼれ令嬢はワケあり少年伯に溺愛される〜

見丘ユタ
恋愛
意地悪な双子の姉に聖女迫害の罪をなすりつけられた伯爵令嬢リーゼロッテは、罰として追放同然の扱いを受け、偏屈な辺境伯ユリウスの家事使用人として過ごすことになる。 ユリウスに仕えた使用人は、十日もたずに次々と辞めさせられるという噂に、家族や婚約者に捨てられ他に行き場のない彼女は戦々恐々とするが……彼女を出迎えたのは自称当主の少年だった。 想像とは全く違う毎日にリーゼロッテは戸惑う。「なんだか大切にされていませんか……?」と。

彼女は白を選ばない

黒猫子猫
恋愛
ヴェルークは、深い悲しみと苦しみの中で、運命の相手とも言える『番』ティナを見つけた。気高く美しかったティナを護り、熱烈に求愛したつもりだったが、彼女はどうにもよそよそしい。 プロポーズしようとすれば、『やめて』と嫌がる。彼女の両親を押し切ると、渋々ながら結婚を受け入れたはずだったが、花嫁衣装もなかなか決めようとしない。 そんなティナに、ヴェルークは苦笑するしかなかった。前世でも、彼女は自分との結婚を拒んでいたからだ。 ※短編『彼が愛した王女はもういない』の関連作となりますが、これのみでも読めます。

番認定された王女は愛さない

青葉めいこ
恋愛
世界最強の帝国の統治者、竜帝は、よりによって爬虫類が生理的に駄目な弱小国の王女リーヴァを番認定し求婚してきた。 人間であるリーヴァには番という概念がなく相愛の婚約者シグルズもいる。何より、本性が爬虫類もどきの竜帝を絶対に愛せない。 けれど、リーヴァの本心を無視して竜帝との結婚を決められてしまう。 竜帝と結婚するくらいなら死を選ぼうとするリーヴァにシグルスはある提案をしてきた。 番を否定する意図はありません。 小説家になろうにも投稿しています。

夫に用無しと捨てられたので薬師になって幸せになります。

光子
恋愛
この世界には、魔力病という、まだ治療法の見つかっていない未知の病が存在する。私の両親も、義理の母親も、その病によって亡くなった。 最後まで私の幸せを祈って死んで行った家族のために、私は絶対、幸せになってみせる。 たとえ、離婚した元夫であるクレオパス子爵が、市民に落ち、幸せに暮らしている私を連れ戻そうとしていても、私は、あんな地獄になんか戻らない。 地獄に連れ戻されそうになった私を救ってくれた、同じ薬師であるフォルク様と一緒に、私はいつか必ず、魔力病を治す薬を作ってみせる。 天国から見守っているお義母様達に、いつか立派な薬師になった姿を見てもらうの。そうしたら、きっと、私のことを褒めてくれるよね。自慢の娘だって、思ってくれるよね―――― 不定期更新。 この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

あなたのためなら

天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。 その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。 アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。 しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。 理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。 全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。

処理中です...