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幸せな人々
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騒動から一年後……。
キーターンの王宮で、キャロとハビアルの結婚を祝うパーティが行われていた。
「キャロ~!!」
挨拶周りを終え、少し休憩していたキャロの元に、ウシャーラが駆け寄ってきた。
「ちょっとウシャーラ……。ごめんなさいキャロ様。お休みのところ」
カムシアが謝罪するが、キャロは首を横に振り、ウシャーラの髪を撫でてやった。
「ウシャーラ。訓練は順調?」
「うん! パパも帰ってきたから、毎日一緒にやってるよ!」
「まぁ。それは頼もしいわね」
そこへ、ハビアルもやってきた。
「おやウシャーラ。僕の妻を口説くつもりかい?」
「口説く?」
「ははっ。ウシャーラには、まだ早かったか」
「もうハビアル……。からかってはダメよ?」
「ごめんごめん。ウシャーラはかっこいから」
一年経ち、ようやく砕けた言葉を使うようになったキャロ。
こうした冗談にも、しっかり反応してくれる。
カムシアは、二人の時間を邪魔するわけにはいかないと、ウシャーラを連れて、その場を立ち去った。
先ほどまでウシャーラが座っていた、キャロの隣の席に、ハビアルが腰かける。
「あっという間の一年だったね……」
「えぇ。本当に……。去年の今頃は、まさか自分が、隣国の王子様と結婚しているだなんて、全く想像していなかったわ」
「僕も……。あの時、自分を助けてくれた少女のことなんて、すっかり忘れていた。……だけど、こうしてまた出会うことができたんだ」
ハビアルが、キャロの手を握った。
「キャロ。君は今、ちゃんと幸せかい?」
「もちろんよ。きっとこの世界で、一番幸せだわ」
「いや、それは違うね。僕の方がずっと幸せだから」
「あなたの幸せが、私の幸せなのだから、私の方が幸せということになるわよ」
「ん?」
「あれ?」
「あっはっはっ!」
「「!?」」
突然聞こえた笑い声に、二人は驚き、手を離してしまった。
見れば、かつて婚約をした時に、記事を書いた記者である。
「いやぁすいません。面白い会話だったので、つい盗み聞きを」
「悪趣味です……」
「いいじゃないか。是非、記事にしてくれるかい?」
「ちょっと!?」
「もちろんでございます。……キャロ様は一年前、こうおっしゃいました。与えられる幸せを、感じ取るだけではなく、もっと、誰かを同じような気持ちにできるように、考えて生きていかねばならない……」
「確かに、申しましたが……」
「えぇ。ですから、記事にするのですよ。二人の幸せな会話を知れば、国民はより一層、幸せをおすそ分けしていただいたような気分になるでしょうから」
そうなのか……? キャロは疑問だったが、ハビアルは強く頷いている。
「……でしたら。はい、構いませんが」
「ありがとうございます」
満足そうな顔をして、記者は去って行った。
「本当に、それで国民は幸せになるのかしら」
「きっと……ね」
再び、手を握り合う二人。
徐々に、顔が近づいていく。
「……良いかな」
「……えぇ」
そして……。
唇を重ねた。
少しして、大きな拍手が送られる。
その場にいる全員が、幸せな気持ちに包まれていた。
キーターンの王宮で、キャロとハビアルの結婚を祝うパーティが行われていた。
「キャロ~!!」
挨拶周りを終え、少し休憩していたキャロの元に、ウシャーラが駆け寄ってきた。
「ちょっとウシャーラ……。ごめんなさいキャロ様。お休みのところ」
カムシアが謝罪するが、キャロは首を横に振り、ウシャーラの髪を撫でてやった。
「ウシャーラ。訓練は順調?」
「うん! パパも帰ってきたから、毎日一緒にやってるよ!」
「まぁ。それは頼もしいわね」
そこへ、ハビアルもやってきた。
「おやウシャーラ。僕の妻を口説くつもりかい?」
「口説く?」
「ははっ。ウシャーラには、まだ早かったか」
「もうハビアル……。からかってはダメよ?」
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一年経ち、ようやく砕けた言葉を使うようになったキャロ。
こうした冗談にも、しっかり反応してくれる。
カムシアは、二人の時間を邪魔するわけにはいかないと、ウシャーラを連れて、その場を立ち去った。
先ほどまでウシャーラが座っていた、キャロの隣の席に、ハビアルが腰かける。
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「えぇ。本当に……。去年の今頃は、まさか自分が、隣国の王子様と結婚しているだなんて、全く想像していなかったわ」
「僕も……。あの時、自分を助けてくれた少女のことなんて、すっかり忘れていた。……だけど、こうしてまた出会うことができたんだ」
ハビアルが、キャロの手を握った。
「キャロ。君は今、ちゃんと幸せかい?」
「もちろんよ。きっとこの世界で、一番幸せだわ」
「いや、それは違うね。僕の方がずっと幸せだから」
「あなたの幸せが、私の幸せなのだから、私の方が幸せということになるわよ」
「ん?」
「あれ?」
「あっはっはっ!」
「「!?」」
突然聞こえた笑い声に、二人は驚き、手を離してしまった。
見れば、かつて婚約をした時に、記事を書いた記者である。
「いやぁすいません。面白い会話だったので、つい盗み聞きを」
「悪趣味です……」
「いいじゃないか。是非、記事にしてくれるかい?」
「ちょっと!?」
「もちろんでございます。……キャロ様は一年前、こうおっしゃいました。与えられる幸せを、感じ取るだけではなく、もっと、誰かを同じような気持ちにできるように、考えて生きていかねばならない……」
「確かに、申しましたが……」
「えぇ。ですから、記事にするのですよ。二人の幸せな会話を知れば、国民はより一層、幸せをおすそ分けしていただいたような気分になるでしょうから」
そうなのか……? キャロは疑問だったが、ハビアルは強く頷いている。
「……でしたら。はい、構いませんが」
「ありがとうございます」
満足そうな顔をして、記者は去って行った。
「本当に、それで国民は幸せになるのかしら」
「きっと……ね」
再び、手を握り合う二人。
徐々に、顔が近づいていく。
「……良いかな」
「……えぇ」
そして……。
唇を重ねた。
少しして、大きな拍手が送られる。
その場にいる全員が、幸せな気持ちに包まれていた。
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