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2章 帝国の呪い
2-55 二人での会話
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疲れる。
いい香りのお茶に釣られて、ラウトリス神官と二人切りでお話しするべきではなかったか。
薬師見習二人の職場見学会で疲れたのに、さらに疲れが蓄積される。
紅茶も飲み干したし立ち上がろうとしたら、望んでいないお代わりをナミナミと注がれてしまった。
溢れるぞ。無駄にするのはもったいないので飲むけど。
今日のこの人は何がしたいのだろう。
俺から何を聞き出したいのだろうか。
ラウトリス神官の人物像は、それぞれの立場において見えるものが異なる。
俺から見たら、まだまだ少年の心を失わない好奇心旺盛の向こう見ずな存在。
聖職者としては無邪気であり我がままでもあり、人の闇を感じていない。
宗教国家の本国では上流階級の育ちであろうことは彼を見ていれば容易に想像できる。
ここ、オルド帝国の大教会は出世コースから離れた左遷組ではあるのだが、それなりの地位にある者しか来ない。
何かがあった場合、自分自身で対処できなければ、軍事国家において力を失っている教会の聖職者なんて危険極まりないのだから。
彼らの身につけている金色や紫色の帯は位の高さの表れである。
神の力だとは露ほども思わないし、一般人からすると魔法だろ、とツッコミを入れたくなるのだが、宗教国家本国から派遣されている聖職者は教会から幸運を与えられている。
彼らは死ぬ方がマシだという状況にならない限りは、信仰心の高さに応じて死なない幸運を授けられている。
自らが馬鹿なことを仕出かさない限りは。
まあ、ラウトリス神官は自ら馬鹿な選択をしたのだが。
だから、異物が混ざることになるのだが。
それは仕方ないことなのだが、ラウトリス神官を担当している黒ワンコ二匹は魔力が足りないとぶーぶー文句を言いながらも、ラウトリス神官のことを好ましく思っている。
黒ワンコは契約者の魔力が一番大好物なので当然なのだが、魔力が大容量で潤沢な上で勤務も交替制でホワイト労働環境のポシュからの応援黒ワンコたちが手伝ってはいるものの、隣の芝生は青く見えることもなく、あっちに転職したいと言い出すこともなく、ラウトリス神官のためにせっせと身を粉にして頑張っている。
ラウトリス神官にとって都合がいい二匹を引き当てたことは、幸運に他ならない。
コレでも二匹にとっては守るべき主人なのだろう。
シエルドや信者からは聖職者らしい聖職者に見えるらしい。
純真無垢で清廉潔白、信仰のために身を投じることができる、欲に塗れず汚染されていない、心も体も美しい聖職者。
だからこそ、シエルドは金と性欲でその存在を貶め汚そうとするわけだ。
本人が嫌がる行為なら幸運によって弾かれるのだが、ラウトリス神官がシエルドを受け入れているのでそうではないのだろう。
リーウセンからすると、ラウトリス神官はただ愛すべき存在らしい。
その辺は俺には理解できないが、リーウセンは単純明快なので恋は盲目状態なのだろう。それが悪いわけではないので、彼が正気に戻るかわからないが、戻るまでは放置一択で良い。
教会長はというと、あの人、ラウトリス神官よりもリーウセンの方が恋愛感情としては好きそうなんだよな。
どうも聖職者という信条がリーウセンの前にいるとどこかに吹っ飛んでいってしまうようだ。犯罪紛いのことまで、、、いや同意なく媚薬を盛るのはこの国でも犯罪か、簡単にやってのける。
ラウトリス神官に対しては、部下だから信頼しているし可愛く思っているのは確かだが、そこまで自分を想ってくれているから応えた程度の感じも漂う。手を出したからには最後まで責任を持つようだが、リーウセンがラウトリス神官を好きだから利用もしているのが現状でもある。
まあ、この人たちはこれで成り立っているのだから、俺からは何も言わないけど。
もし、教会長がラウトリス神官の想いに応える前にリーウセンに出会っていたらと思うと怖い。
清浄な聖職者が闇に呑み込まれるほど怖いものはないからな。教会長にしろ、ラウトリス神官にしろ。
段階を踏んで汚濁に塗れていく聖職者も褒められるものではないが、人としては理解できる範囲である。むしろそっちの方が人間らしくさえ思えるほどである。一気に闇落ちして狂気に染まるなら、清濁併せ吞む環境にいた方がまだ耐性がついているに違いない。
んで。
俺をじっと見ているラウトリス神官。
何がしたいの、ホントに。
思考に逃げたいけど、この場では沈黙もまた居心地が悪い。
「何か?」
「会話がない時間も愛しきものだなと実感しておりました」
うーん、意味がわからない。
俺と会う前に頭でも打ったのか?
「会話のない時間ならば、教会長との方が多いでしょう?」
「教会長のことはわかった気になってました。私がここに配属されて二人で切り盛りしていたのですから、教会長のことは私が一番よく知っていると。最近、明確になったこともあれば、まったくわからなくなってしまったこともあります」
でしょうね。
あの人、リーウセンが来てから聖職者の道を脱線しまくっている気がする。
性欲の塊と化している。
抑圧され過ぎてきたものが解放されるとああなるという悪例である。
就業時間中にリーウセンを教会長と二人きりにしてはならない。
仕事にならなくなるので。
たまに教会長に恨めしそうな視線をもらうけど、お前の性欲の事情など知らん。
休憩時間なら別にどう時間を使おうと自由なので一切とめませんけど。しっかし、夜にアレだけ盛り上がっているのに、昼間もヤりたいってどれだけなんだか。
というか、リーウセンのことどれだけ好きなんだよ。
昔は品行方正な聖職者だったはずなのにねえ。
だから、こんな土地に飛ばされてきたのにねえ。
融通が利かないから。
「クロウ様は他の者と交わりたいとは思わないのですか?」
直球な質問がやってきた。
「今の俺はセリム以外とは交わる気はない」
「今、ということは、昔は?」
「そりゃ、妻がいたのだから」
「え、」
いつも思うんだけど、俺に妻がいると何でそんなに驚愕の表情を浮かべるのかな?
俺、そんなにモテないように見えるのか。
リンク王国の黒髪の平民が結婚できるわけがない、という考えからか?
それなら仕方ないか?
「お、おおおお奥様がいらしたんですかぁ?」
「はい、そうですが」
そこまでうろたえなくてもよくない?
しどろもどろにならなくとも。
「ラウトリス神官は信仰心の高い人がお好きなのではないのですか」
だから、教会長大好き。
宗教国家の上層部が信仰心が高い聖職者だとは思わない方がいい。
「、、、いえ、そういうことではなかったようです」
ん、違うのか?
「ああ、リーウセンもそこまで信仰心が高そうには思えないな」
「ええ、貴方も」
信仰心が高そうに思えないのではなくて、そもそも。
「俺は神を信じてないので」
「それを私に言ってしまいますか」
数値でバレているのだから今更だろう。
彼の能力は魔力での表示。魔力カツカツで頑張っているのに、あの黒ワンコ二匹はラウトリス神官のためにほんの少し魔力を残してあげているのだ。
すべての魔力を喰らいつくすポシュの黒ワンコたちとは性格がまったく異なるのである。
どんなにソックリに作り変えても、中身はそれぞれ異なるのである。不思議なものだ。
「ええ、私を救ったのは神ではありませんでしたから」
これだけはハッキリと言える。
それが神による運命だったのだと手柄を横取りしようものなら、神を滅したくなるくらいである。
「そうでしたか。まあ、神が救うのは信仰心の高い者だけですからね」
あっさりとラウトリス神官が頷く。
え?神ってそういうものだったっけ?
この世界の神は、万人を救わないんだー。
この世界の、、、というより宗教国家の神がそういうものだったか。
一神教だから他の神の存在を許さない。
他の神は邪神であり、その神を信仰するのは邪教徒である。
彼らを救うという名目で邪教徒を弾圧するのである。
とすると、自分の信者しか救わないのも道理にかなっているか。
もう少し宗教関連の本も読んでおかないとなあ。神についての詳細がわからない。
いい香りのお茶に釣られて、ラウトリス神官と二人切りでお話しするべきではなかったか。
薬師見習二人の職場見学会で疲れたのに、さらに疲れが蓄積される。
紅茶も飲み干したし立ち上がろうとしたら、望んでいないお代わりをナミナミと注がれてしまった。
溢れるぞ。無駄にするのはもったいないので飲むけど。
今日のこの人は何がしたいのだろう。
俺から何を聞き出したいのだろうか。
ラウトリス神官の人物像は、それぞれの立場において見えるものが異なる。
俺から見たら、まだまだ少年の心を失わない好奇心旺盛の向こう見ずな存在。
聖職者としては無邪気であり我がままでもあり、人の闇を感じていない。
宗教国家の本国では上流階級の育ちであろうことは彼を見ていれば容易に想像できる。
ここ、オルド帝国の大教会は出世コースから離れた左遷組ではあるのだが、それなりの地位にある者しか来ない。
何かがあった場合、自分自身で対処できなければ、軍事国家において力を失っている教会の聖職者なんて危険極まりないのだから。
彼らの身につけている金色や紫色の帯は位の高さの表れである。
神の力だとは露ほども思わないし、一般人からすると魔法だろ、とツッコミを入れたくなるのだが、宗教国家本国から派遣されている聖職者は教会から幸運を与えられている。
彼らは死ぬ方がマシだという状況にならない限りは、信仰心の高さに応じて死なない幸運を授けられている。
自らが馬鹿なことを仕出かさない限りは。
まあ、ラウトリス神官は自ら馬鹿な選択をしたのだが。
だから、異物が混ざることになるのだが。
それは仕方ないことなのだが、ラウトリス神官を担当している黒ワンコ二匹は魔力が足りないとぶーぶー文句を言いながらも、ラウトリス神官のことを好ましく思っている。
黒ワンコは契約者の魔力が一番大好物なので当然なのだが、魔力が大容量で潤沢な上で勤務も交替制でホワイト労働環境のポシュからの応援黒ワンコたちが手伝ってはいるものの、隣の芝生は青く見えることもなく、あっちに転職したいと言い出すこともなく、ラウトリス神官のためにせっせと身を粉にして頑張っている。
ラウトリス神官にとって都合がいい二匹を引き当てたことは、幸運に他ならない。
コレでも二匹にとっては守るべき主人なのだろう。
シエルドや信者からは聖職者らしい聖職者に見えるらしい。
純真無垢で清廉潔白、信仰のために身を投じることができる、欲に塗れず汚染されていない、心も体も美しい聖職者。
だからこそ、シエルドは金と性欲でその存在を貶め汚そうとするわけだ。
本人が嫌がる行為なら幸運によって弾かれるのだが、ラウトリス神官がシエルドを受け入れているのでそうではないのだろう。
リーウセンからすると、ラウトリス神官はただ愛すべき存在らしい。
その辺は俺には理解できないが、リーウセンは単純明快なので恋は盲目状態なのだろう。それが悪いわけではないので、彼が正気に戻るかわからないが、戻るまでは放置一択で良い。
教会長はというと、あの人、ラウトリス神官よりもリーウセンの方が恋愛感情としては好きそうなんだよな。
どうも聖職者という信条がリーウセンの前にいるとどこかに吹っ飛んでいってしまうようだ。犯罪紛いのことまで、、、いや同意なく媚薬を盛るのはこの国でも犯罪か、簡単にやってのける。
ラウトリス神官に対しては、部下だから信頼しているし可愛く思っているのは確かだが、そこまで自分を想ってくれているから応えた程度の感じも漂う。手を出したからには最後まで責任を持つようだが、リーウセンがラウトリス神官を好きだから利用もしているのが現状でもある。
まあ、この人たちはこれで成り立っているのだから、俺からは何も言わないけど。
もし、教会長がラウトリス神官の想いに応える前にリーウセンに出会っていたらと思うと怖い。
清浄な聖職者が闇に呑み込まれるほど怖いものはないからな。教会長にしろ、ラウトリス神官にしろ。
段階を踏んで汚濁に塗れていく聖職者も褒められるものではないが、人としては理解できる範囲である。むしろそっちの方が人間らしくさえ思えるほどである。一気に闇落ちして狂気に染まるなら、清濁併せ吞む環境にいた方がまだ耐性がついているに違いない。
んで。
俺をじっと見ているラウトリス神官。
何がしたいの、ホントに。
思考に逃げたいけど、この場では沈黙もまた居心地が悪い。
「何か?」
「会話がない時間も愛しきものだなと実感しておりました」
うーん、意味がわからない。
俺と会う前に頭でも打ったのか?
「会話のない時間ならば、教会長との方が多いでしょう?」
「教会長のことはわかった気になってました。私がここに配属されて二人で切り盛りしていたのですから、教会長のことは私が一番よく知っていると。最近、明確になったこともあれば、まったくわからなくなってしまったこともあります」
でしょうね。
あの人、リーウセンが来てから聖職者の道を脱線しまくっている気がする。
性欲の塊と化している。
抑圧され過ぎてきたものが解放されるとああなるという悪例である。
就業時間中にリーウセンを教会長と二人きりにしてはならない。
仕事にならなくなるので。
たまに教会長に恨めしそうな視線をもらうけど、お前の性欲の事情など知らん。
休憩時間なら別にどう時間を使おうと自由なので一切とめませんけど。しっかし、夜にアレだけ盛り上がっているのに、昼間もヤりたいってどれだけなんだか。
というか、リーウセンのことどれだけ好きなんだよ。
昔は品行方正な聖職者だったはずなのにねえ。
だから、こんな土地に飛ばされてきたのにねえ。
融通が利かないから。
「クロウ様は他の者と交わりたいとは思わないのですか?」
直球な質問がやってきた。
「今の俺はセリム以外とは交わる気はない」
「今、ということは、昔は?」
「そりゃ、妻がいたのだから」
「え、」
いつも思うんだけど、俺に妻がいると何でそんなに驚愕の表情を浮かべるのかな?
俺、そんなにモテないように見えるのか。
リンク王国の黒髪の平民が結婚できるわけがない、という考えからか?
それなら仕方ないか?
「お、おおおお奥様がいらしたんですかぁ?」
「はい、そうですが」
そこまでうろたえなくてもよくない?
しどろもどろにならなくとも。
「ラウトリス神官は信仰心の高い人がお好きなのではないのですか」
だから、教会長大好き。
宗教国家の上層部が信仰心が高い聖職者だとは思わない方がいい。
「、、、いえ、そういうことではなかったようです」
ん、違うのか?
「ああ、リーウセンもそこまで信仰心が高そうには思えないな」
「ええ、貴方も」
信仰心が高そうに思えないのではなくて、そもそも。
「俺は神を信じてないので」
「それを私に言ってしまいますか」
数値でバレているのだから今更だろう。
彼の能力は魔力での表示。魔力カツカツで頑張っているのに、あの黒ワンコ二匹はラウトリス神官のためにほんの少し魔力を残してあげているのだ。
すべての魔力を喰らいつくすポシュの黒ワンコたちとは性格がまったく異なるのである。
どんなにソックリに作り変えても、中身はそれぞれ異なるのである。不思議なものだ。
「ええ、私を救ったのは神ではありませんでしたから」
これだけはハッキリと言える。
それが神による運命だったのだと手柄を横取りしようものなら、神を滅したくなるくらいである。
「そうでしたか。まあ、神が救うのは信仰心の高い者だけですからね」
あっさりとラウトリス神官が頷く。
え?神ってそういうものだったっけ?
この世界の神は、万人を救わないんだー。
この世界の、、、というより宗教国家の神がそういうものだったか。
一神教だから他の神の存在を許さない。
他の神は邪神であり、その神を信仰するのは邪教徒である。
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とすると、自分の信者しか救わないのも道理にかなっているか。
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