154 / 199
2章 帝国の呪い
2-61 名付け親?
しおりを挟む
「トータはその彫刻に名前を付けないのか」
ファンに聞かれた。
大教会にいる間、ファンのそばにいるようになったアジュール。
全体的には白色の、青い瞳の彫刻が人化した姿で。
もっのすごーく羨ましい。
アジュールにまったく興味なさそうなファンが、なぜアジュールの心を射止められたのか。
その気がないのなら本気でその場所を譲ってほしい。
その隣は特別だ。
価値を知らない者がどうして手に入れられる?
ずるい。
アジュールに飛びつこうとしたら、部屋長にとめられた。
アジュールには心に決めた相手がいるから、俺もそれがファンだというのはわかっているが、始業前でも終業後でも休憩時間でも、過剰な接触は禁止にされてしまった。仕事中はさすがに抱き着こうとはしなかったけど。
人外相手だとしても、とりあえずトータは人なので人として最低限のマナーは守れと諭されてしまった。
確かに、女性ではなくとも相手が男性でも拒否しているのに抱き着いたら変態扱いされるならまだいいが、犯罪者である。人外だから犯罪にはならないが、ただただ嫌われる一方なのはわかる。
嫌われるのは嫌だっ。
人化してない彫刻姿の形がアジュールとそっくりなのが、俺と話してくれる赤い瞳の彫刻である。
アジュールが僕にかまうな、と代わりに紹介してくれたのがこの赤い瞳の彫刻だ。
ファンが青い瞳でアジュールと名付けたのだから。
「赤い瞳だから、スカーレットかな?」
「あ゛あ゛っ?」
ものすごい非難の声が聞こえました。
赤い瞳の彫刻の小さな顔が、今まで見たことのない歪み具合である。
いつもは行動と同じくマイペースで穏やかなお顔だちなのに、舐めたこと言ってんじゃねえと顔の歪みが伝えている。
完全に拒否っている。
この彫刻がここまで明確な感情を見せたことはないので、相当だろう。
「ああ、スカーレットとは鮮やかな黄みの赤だ。瞳の色で名付けるのだとしても、自分の赤じゃないとご立腹だ」
アジュールが説明してくれた。
赤い瞳の彫刻が黒ワンコの背にのったまま、うんうんと頷く。
自分の口では言わないところが、この彫刻だ。マイペースではなく、面倒臭がり屋なのかもしれないと思う今日この頃。
「赤?」
「ん、」
「図鑑?」
アジュールが手渡してくれたのは色図鑑。
赤を調べろと?
どこからこんな分厚い図鑑が出てきたのかわからないが、つまり、この赤い瞳と同じ赤を探せと。
パラリと開いたページから、恐ろしい数の赤の種類が出てくるとは。
「赤ってこんなに種類があるのかっ」
あれ?
彼らを見る。
この彫刻二体とも、もしかして色にはうるさいのか?こだわりがあるのか?
アジュールというのは、夏における雲のない日の空の色と聞く。
今日のような空の色だ。
確かに、アジュールの瞳の色はそんな感じの青色だが。
その名を聞いたときは、単純に、安易につけたなあ、と思ったものだったが。
そうなると、ファンってただ運が良かっただけなのではないか?
じっと赤い瞳の彫刻が俺を見ている。
言葉にはしないが、名をつけたいのならここから俺の赤を探し出せ、と言われている気がする。
「気に入る赤を探し出してやるーーーっ」
俺は叫んだ。
「その色はクリムゾンレッドだろ。血のように濃く深い赤色だ。確かにスカーレットじゃないな」
薬部屋に戻ってきた部屋長が、俺が色図鑑とにらめっこしているのを見た上で、周囲に状況を聞き、結論を出してしまった。
「その彫刻の名前なら、クリムゾンで良いんじゃないか」
赤い瞳の彫刻が納得しているかのようにうんうん頷いている。
、、、名付け親が部屋長になってしまった。
「お、俺が探し出したかったのにーっ」
「残念ながら、もう休憩時間は終わりだ。はい、クリムゾンもお疲れ様」
部屋長がクリムゾンにクッキーを一枚渡す。
クリムゾンが嬉しそうにニンマリと笑って受け取って、黒ワンコとともに薬部屋から去っていく。
「うっ、仕方ない」
人外のことが大好きな俺は、部屋長に釘を刺されている。
就業時間内は人外に手を出さないことを。
向こうからの会話なら多少許すが、追いかけることも捕まえることも禁止だと言われている。
俺があまりにもうるさかったようで、部屋長がクリムゾンと命名されてしまった赤い瞳の彫刻と約束してくれた。
三時頃の休憩時間に薬部屋に遊びに来ることを。
クリムゾンはその対価にお菓子一つをもらう約束となった。
この大教会には孤児院もなければ、聖職者は大人二名。
甘いお菓子が基本的には存在しない。
存在していた時代はこっそりこそこそ少々もらっていたそうだが、今はもらう機会すら皆無なのだそうな。
人外でも好みは様々だということだが、お菓子が好きな彫刻はこの大量の彫刻が存在する大教会のなかでもクリムゾンだけらしい。普通は人間の方がお好みらしい。
人外でも交渉は大切だな、と俺は思ったが、この二体は別格だからと部屋長に言われた。通常、人外は人の言葉を話しながら、話がまったく通じないのだそう。通じているように見せかけて罠にかかるのを待っているんだとか。人語を操る人外こそ要注意だと忠告してくれた。
人が考える交渉をアジュールとクリムゾン以外の人外にはするな、と俺は部屋長から何度も言われた。
アジュールがクリムゾンを紹介したのは、俺がどうでもいい存在であると同時に、クリムゾンも人をどうでもいい存在として見ているからである。餌でもなければ、イタズラをする相手でもなく、悪意を向けるわけでもない。
人外にとって、基本的には人間は餌。
アジュールも俺のことを一応考えてくれているのである。
ファンの同僚を生死不明の行方不明にしないための。
俺は手を動かす。
薬草の葉を磨り潰す、磨り潰す。
磨り潰しながら、部屋長に問う。
「俺とファンってそこまで違いますか?」
「、、、その質問の意図は?」
ちょっと嫌そうな表情の部屋長。
その返しに、不思議そうに部屋長を見ているのはファン、ボレール、ギノである。他の者は特に気にもしない。
「人外にとって」
俺の言葉に、部屋長が生温かい視線になる。
「姿形はそこまで区別がつかないそうだ。魔力の質も量も大差がないし。だから、最初、アジュールも間違ったそうだが、お前はうるさ過ぎるって、存在も」
存在も?
「喋らなければ、何とかワンチャンありませんかね?」
「、、、アジュールなら、ないと言ってたぞ。もはや黙っていても騒音レベル。精神世界がアイツには筒抜けだからな。そうじゃなきゃ、さすがに即座に返品されないだろ」
部屋長も作業をしながら答えてくれる。
部屋長もアジュールから避けられる一人である。極力近寄るな、話しかけるなオーラがアジュールから漂っている。
けれど、部屋長と俺とでは理由が違うのはなんとなくわかる。
アジュールにとっては、人外のことを想うだけでもダメなのか。
人外を目の前にして無心でいられるほど修行は積んでない。
「黙っていても騒音かー。頭の中に聞きたいことが山ほど詰まっているからなあ」
「、、、トータはクリムゾンよりアジュールの方が好きなのか?」
「うーん、どちらがより好きかどうかを答えるには、まだまだ知らないことばかりだからなあ。アジュールは嫌々ながらも質問に答えてくれるから」
クリムゾンはいくら質問しても答えてくれるのは気が向いたときだけ。今のところ気が向くのは、アジュールが答えてくれるよりも頻度が低いのである。
彼らをこよなく愛しているが、どちらが、と問われても、どちらも、としか答えられない。
「質問を聞いてくれるだけありがたいと思え。人外でも個性があるから。黒ワンコにもあるように」
まるで人の話を聞いてくれる人外がいないかのように聞こえる。
まさか、そうなのか?
「くっ、俺が部屋長よりも先にお昼の残りで餌付けしていたのに」
「いや、クリムゾンもアジュールも食事要らないからな。クリムゾンの甘味好きは単なる嗜好品で、生きるために必要なわけじゃない」
「ううっ、せめて黒ワンコだけでも。あの訓練で少しは魔力が増えたかなー」
少し前から魔力量を上げる訓練をしている。
部屋長に教えてもらって、日々している。
黒ワンコの食事は魔力。魔力がなければ、黒ワンコは懐いてくれないらしい。
「そんな数日で魔力量が増えれば誰も苦労しない、と言いたいところなんだが」
部屋長が言い淀んだ。
ということは。
「えっ、俺の魔力量上がってる?」
「いや、トータのじゃなく、ギノの魔力量が上がっている」
その言葉に俺だけじゃなくて、ファンもガッカリしている。
え、俺?とギノが嬉しそうな表情になっている。
「魔導士見習だから順当と言えば順当なんだが。少し上昇幅が大きいのが気になるな。まあ、訓練中気分が悪くなったらすぐに魔力回復薬を飲むんだぞ。ファン、トータ、ボレールは魔力量がそもそも限りなく少ないから、訓練後、怠くなりやすい」
俺は以前に魔力量なしと評価されているから。
ファンもボレールも同じだろう。
平民でも魔力量が一定以上あれば魔導士への道が強制的に開くのが帝国である。
ファンに聞かれた。
大教会にいる間、ファンのそばにいるようになったアジュール。
全体的には白色の、青い瞳の彫刻が人化した姿で。
もっのすごーく羨ましい。
アジュールにまったく興味なさそうなファンが、なぜアジュールの心を射止められたのか。
その気がないのなら本気でその場所を譲ってほしい。
その隣は特別だ。
価値を知らない者がどうして手に入れられる?
ずるい。
アジュールに飛びつこうとしたら、部屋長にとめられた。
アジュールには心に決めた相手がいるから、俺もそれがファンだというのはわかっているが、始業前でも終業後でも休憩時間でも、過剰な接触は禁止にされてしまった。仕事中はさすがに抱き着こうとはしなかったけど。
人外相手だとしても、とりあえずトータは人なので人として最低限のマナーは守れと諭されてしまった。
確かに、女性ではなくとも相手が男性でも拒否しているのに抱き着いたら変態扱いされるならまだいいが、犯罪者である。人外だから犯罪にはならないが、ただただ嫌われる一方なのはわかる。
嫌われるのは嫌だっ。
人化してない彫刻姿の形がアジュールとそっくりなのが、俺と話してくれる赤い瞳の彫刻である。
アジュールが僕にかまうな、と代わりに紹介してくれたのがこの赤い瞳の彫刻だ。
ファンが青い瞳でアジュールと名付けたのだから。
「赤い瞳だから、スカーレットかな?」
「あ゛あ゛っ?」
ものすごい非難の声が聞こえました。
赤い瞳の彫刻の小さな顔が、今まで見たことのない歪み具合である。
いつもは行動と同じくマイペースで穏やかなお顔だちなのに、舐めたこと言ってんじゃねえと顔の歪みが伝えている。
完全に拒否っている。
この彫刻がここまで明確な感情を見せたことはないので、相当だろう。
「ああ、スカーレットとは鮮やかな黄みの赤だ。瞳の色で名付けるのだとしても、自分の赤じゃないとご立腹だ」
アジュールが説明してくれた。
赤い瞳の彫刻が黒ワンコの背にのったまま、うんうんと頷く。
自分の口では言わないところが、この彫刻だ。マイペースではなく、面倒臭がり屋なのかもしれないと思う今日この頃。
「赤?」
「ん、」
「図鑑?」
アジュールが手渡してくれたのは色図鑑。
赤を調べろと?
どこからこんな分厚い図鑑が出てきたのかわからないが、つまり、この赤い瞳と同じ赤を探せと。
パラリと開いたページから、恐ろしい数の赤の種類が出てくるとは。
「赤ってこんなに種類があるのかっ」
あれ?
彼らを見る。
この彫刻二体とも、もしかして色にはうるさいのか?こだわりがあるのか?
アジュールというのは、夏における雲のない日の空の色と聞く。
今日のような空の色だ。
確かに、アジュールの瞳の色はそんな感じの青色だが。
その名を聞いたときは、単純に、安易につけたなあ、と思ったものだったが。
そうなると、ファンってただ運が良かっただけなのではないか?
じっと赤い瞳の彫刻が俺を見ている。
言葉にはしないが、名をつけたいのならここから俺の赤を探し出せ、と言われている気がする。
「気に入る赤を探し出してやるーーーっ」
俺は叫んだ。
「その色はクリムゾンレッドだろ。血のように濃く深い赤色だ。確かにスカーレットじゃないな」
薬部屋に戻ってきた部屋長が、俺が色図鑑とにらめっこしているのを見た上で、周囲に状況を聞き、結論を出してしまった。
「その彫刻の名前なら、クリムゾンで良いんじゃないか」
赤い瞳の彫刻が納得しているかのようにうんうん頷いている。
、、、名付け親が部屋長になってしまった。
「お、俺が探し出したかったのにーっ」
「残念ながら、もう休憩時間は終わりだ。はい、クリムゾンもお疲れ様」
部屋長がクリムゾンにクッキーを一枚渡す。
クリムゾンが嬉しそうにニンマリと笑って受け取って、黒ワンコとともに薬部屋から去っていく。
「うっ、仕方ない」
人外のことが大好きな俺は、部屋長に釘を刺されている。
就業時間内は人外に手を出さないことを。
向こうからの会話なら多少許すが、追いかけることも捕まえることも禁止だと言われている。
俺があまりにもうるさかったようで、部屋長がクリムゾンと命名されてしまった赤い瞳の彫刻と約束してくれた。
三時頃の休憩時間に薬部屋に遊びに来ることを。
クリムゾンはその対価にお菓子一つをもらう約束となった。
この大教会には孤児院もなければ、聖職者は大人二名。
甘いお菓子が基本的には存在しない。
存在していた時代はこっそりこそこそ少々もらっていたそうだが、今はもらう機会すら皆無なのだそうな。
人外でも好みは様々だということだが、お菓子が好きな彫刻はこの大量の彫刻が存在する大教会のなかでもクリムゾンだけらしい。普通は人間の方がお好みらしい。
人外でも交渉は大切だな、と俺は思ったが、この二体は別格だからと部屋長に言われた。通常、人外は人の言葉を話しながら、話がまったく通じないのだそう。通じているように見せかけて罠にかかるのを待っているんだとか。人語を操る人外こそ要注意だと忠告してくれた。
人が考える交渉をアジュールとクリムゾン以外の人外にはするな、と俺は部屋長から何度も言われた。
アジュールがクリムゾンを紹介したのは、俺がどうでもいい存在であると同時に、クリムゾンも人をどうでもいい存在として見ているからである。餌でもなければ、イタズラをする相手でもなく、悪意を向けるわけでもない。
人外にとって、基本的には人間は餌。
アジュールも俺のことを一応考えてくれているのである。
ファンの同僚を生死不明の行方不明にしないための。
俺は手を動かす。
薬草の葉を磨り潰す、磨り潰す。
磨り潰しながら、部屋長に問う。
「俺とファンってそこまで違いますか?」
「、、、その質問の意図は?」
ちょっと嫌そうな表情の部屋長。
その返しに、不思議そうに部屋長を見ているのはファン、ボレール、ギノである。他の者は特に気にもしない。
「人外にとって」
俺の言葉に、部屋長が生温かい視線になる。
「姿形はそこまで区別がつかないそうだ。魔力の質も量も大差がないし。だから、最初、アジュールも間違ったそうだが、お前はうるさ過ぎるって、存在も」
存在も?
「喋らなければ、何とかワンチャンありませんかね?」
「、、、アジュールなら、ないと言ってたぞ。もはや黙っていても騒音レベル。精神世界がアイツには筒抜けだからな。そうじゃなきゃ、さすがに即座に返品されないだろ」
部屋長も作業をしながら答えてくれる。
部屋長もアジュールから避けられる一人である。極力近寄るな、話しかけるなオーラがアジュールから漂っている。
けれど、部屋長と俺とでは理由が違うのはなんとなくわかる。
アジュールにとっては、人外のことを想うだけでもダメなのか。
人外を目の前にして無心でいられるほど修行は積んでない。
「黙っていても騒音かー。頭の中に聞きたいことが山ほど詰まっているからなあ」
「、、、トータはクリムゾンよりアジュールの方が好きなのか?」
「うーん、どちらがより好きかどうかを答えるには、まだまだ知らないことばかりだからなあ。アジュールは嫌々ながらも質問に答えてくれるから」
クリムゾンはいくら質問しても答えてくれるのは気が向いたときだけ。今のところ気が向くのは、アジュールが答えてくれるよりも頻度が低いのである。
彼らをこよなく愛しているが、どちらが、と問われても、どちらも、としか答えられない。
「質問を聞いてくれるだけありがたいと思え。人外でも個性があるから。黒ワンコにもあるように」
まるで人の話を聞いてくれる人外がいないかのように聞こえる。
まさか、そうなのか?
「くっ、俺が部屋長よりも先にお昼の残りで餌付けしていたのに」
「いや、クリムゾンもアジュールも食事要らないからな。クリムゾンの甘味好きは単なる嗜好品で、生きるために必要なわけじゃない」
「ううっ、せめて黒ワンコだけでも。あの訓練で少しは魔力が増えたかなー」
少し前から魔力量を上げる訓練をしている。
部屋長に教えてもらって、日々している。
黒ワンコの食事は魔力。魔力がなければ、黒ワンコは懐いてくれないらしい。
「そんな数日で魔力量が増えれば誰も苦労しない、と言いたいところなんだが」
部屋長が言い淀んだ。
ということは。
「えっ、俺の魔力量上がってる?」
「いや、トータのじゃなく、ギノの魔力量が上がっている」
その言葉に俺だけじゃなくて、ファンもガッカリしている。
え、俺?とギノが嬉しそうな表情になっている。
「魔導士見習だから順当と言えば順当なんだが。少し上昇幅が大きいのが気になるな。まあ、訓練中気分が悪くなったらすぐに魔力回復薬を飲むんだぞ。ファン、トータ、ボレールは魔力量がそもそも限りなく少ないから、訓練後、怠くなりやすい」
俺は以前に魔力量なしと評価されているから。
ファンもボレールも同じだろう。
平民でも魔力量が一定以上あれば魔導士への道が強制的に開くのが帝国である。
293
あなたにおすすめの小説
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う
hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。
それはビッチングによるものだった。
幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。
国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。
※不定期更新になります。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる