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2章 帝国の呪い
2-75 行動しなければ、残酷な結果が待っている
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意外とセレ第四王子のこと気に入っていたんだなあ。
私は先ほどのクロウとの会話を思い出す。
名前を呼んでもらっただけで、なんてお手軽な、と思ってしまった。
私だったら何度だって呼ぶのに。
兄だって必要ないのに呼んでいるじゃないか、と。
そういうことではないのはわかっている。
黒髪の平民であるクロウの名を呼んだのが、リンク王国の王子だというところが重要なのだ。
クロウはリンク王国の宮廷魔導士団で長年働き続けていたのに、黒髪の平民の雑用係としてしか認識されず、名前すら呼んでもらえてなかった。というか、名前を記憶している上官がいるのかどうかも疑わしい。
黒髪の平民は代替が利く存在として、貴族からも平民からも軽んじられていたのだ。
そんな彼が王子に名前を呼ばれ、部隊に迎えられたら。
けれど、セレ第四王子は名前を呼ぶ以上のことはクロウに対して何もしてないのに、、、とちょっと嫉妬してしまうのは私がまだ未熟だからか。
私はクロウに料理も作っているのに、様々な頼み事も聞いているのに、とつい恨みがましく思ってしまう。
私よりもセレ第四王子の方が好きなんじゃない?と勘繰るほどには。
少々大人げないとは思うよ、私も。
敵国のオルド帝国の者に名前を呼ばれるだけでもまあまあ嬉しいと感じているのは、クロウがまだ帝国を見捨ててないところで納得してしまう。
それほどのことを皇帝であるあの兄はやってのけた。あの兄はそう感じてないが。
クロウの方が帝国のためを思って動いてくれていたくらいである。巻き込まれたのは私であるが。
クロウは簡単に脱獄できるし、帝国から無傷で出ていく能力を持っている。
それなのに、今もなおクロウが帝国に居続ける理由を、リンク王国にいるよりは居心地が良いと思ってくれているのなら、期待はある。
あのセレ第四王子もだが、第四王子部隊の騎士たちが脳筋だから、クロウに許されているところがある気がする。
脳筋だからこそ、脳筋だからゆえに素直で正直で単純で(馬鹿で)わかりやすい。
多少の誤差はあるが、彼らは等しく脳筋である。
彼らのなかには知略策謀を巡らせて帝国軍人を手玉に取っている、と思い込んでいる者もいるようだが、そういうところも軍人たちには可愛いと思われていることを誰もツッコミをすることもない。
彼らは単純にリンク王国の慣習に従っていただけで、それを指摘されて納得すれば柔軟に変更する素直さを持っている。
クロウとの信頼関係がまったく構築されていなかった事実を、ナーズたちがようやく認識して正そうとしている最中だ。あの部隊でクロウ一人だけが平民で、貴族からの命令を断れない状況だったということに気づかなかったのは凄まじいが。
自分たちはずっとお願いだと思っていたのだから。
だからこそ、あの時点で単純にクロウのことを考えて行動できたセリムがクロウの心を射止めたのだろう。
リンク王国ではありえない組み合わせに、リンク王国へと無事に帰してあげようかと意地悪な考えが浮かんだこともあったが、そんなことをしても何も生み出さないことは明白だ。
我々はクロウを失い、クロウが二度と帝国に足を踏み入れることはなくなるだけだ。
「トリステラ、なぜわざわざクロウの元まで行ったんだ?」
私の問いに、トリステラ第三皇子は曖昧な笑顔で応える。
帝城の私の執務室にトリステラを呼んだ。
あの取り巻きたちに対しては邪魔になるので入室を許可していない。
さすがに私に対しても斜め上な発言をするようだったら極刑が待っているだけだが。
「真相を確かめるためにですよ。それ以外に何かありますか」
トリステラの笑顔に、私も笑顔で応戦する。
「あるから尋ねているんだろう。クロウに生半可な隠し事はできない。次回会うのを拒んではいないが、単に機会を与えられただけだ。今回と同じ轍を踏むと、その次はないぞ」
「ご連絡をいただければ、次の機会までは応じましょう、ですか。そこまでの真意を織り込んだ言葉だったとは」
トリステラの顔を見るに、それすらもすでに織り込み済みな感じもするが。
腐っても帝国の教育を施された皇子である。
「クロウからすると、お前たちは憎むべき相手のようだからな」
「そうでしょうね。リンク王国の第四王子を意のままにしているのですから」
正しく認識はしているようだ。
ただし、真に理解しているかどうかの判断はつかないが。
トリステラは私にとって今のところ敵ではないが、クロウにとっても敵ではないというのは保証できない。
帝国の呪いの解呪方法について、ディスク第二皇子は私の元に尋ねてこない。
自分で動くリスクを正確に把握しているのなら聞きに来ることはしない。
となると、誰かにその責を押しつける方向で動く。
自分が死にたくないのならば。
この解呪で、私にその矛先が向かないとは言えない。
皇子たちを監視していないと足元を掬われる危険性は、クロウよりも高いのである。
皇子は皇帝になった一人だけしか生き残れないはずなのに、私は皇帝の弟として生きているだけで皇子たちの恨みを買っている。
帝国の呪いから除外されていると思い込んでいた私は甘かったとも言えるが、クロウが指摘しなかったらわけもわからずそのまま死んでいたのだろう。
クロウのおかげでそれを回避している事実を考えれば、クロウは確かに帝国に対して好意を持っていてくれている。
「父上と叔父上が庇護している魔導士なのですから、私では手が届かないのは明白ではございませんか」
考え事で沈黙していた私に、トリステラは大仰に言った。
皇帝と皇弟が庇護しているわけではなく、庇護なんて必要ないほどにクロウは誰にも手が届かない魔導士なのだが。
彼が雇用条件にうんと言わないので、牢獄生活が続いているだけである。
トリステラは勘違いしているのだろうか?
彼を多少強力な魔導士程度に思っているのだろうか?
それとも、わざとそう思わせる言葉を選択したのか?
セレ第四王子に通いまくっていた皇子たちが、徐々に動き出している。
情報収集ならば、皇子のなかではトリステラ第三皇子が抜き出ている。
ただし、それぞれの皇子に各分野でそれなりの実力があったのだけれども、かなりの空白期間が生じており、本領発揮するための力を取り戻すには少々時間が必要だと思われる。
「彼の恨みや怒りを買わない行動を選択することをお勧めするよ」
「それはもちろん」
トリステラの返事には裏がないように聞こえるが、聞こえるだけだろう。
わざわざクロウに会いに行くくらいなら。
利用しようとするなら利用し、やられたらやり返し、敵対するなら敵となる。
クロウはリンク王国でどんなに虐げられてもその行為を受け入れていたが、もう彼の足枷は存在しないのである。
人質なんて取ろうとするならば、万倍になって返されそうになるのは経験済みである。
トリステラのことを心配しても仕方がない。
なるようにしかならない。
後は、クロウが判断するだろう。
誰を救うか。
誰を救わないのか。
まあ、兄がそこまで自分の息子たちを呪いから助けたいと思うのなら、その想いを否定することはしないが。
けれど、自分で霊廟の歴代皇帝をどうにかしようという気持ちは見えない。
本来は想ったところで行動しなければ何も変わらない。
想いを口にするだけで願い事が叶ってきた皇帝。
臣下が皇帝のために心血を注いできた結果だ。
しかし、今回ばかりは難しいのが現実。
帝国民である限り、どんなに壊しても鎖に邪魔され続けているのだから。
皇帝が動かなければ、彼が助けたいと願う息子は何人が生き残るだろうか。
私は先ほどのクロウとの会話を思い出す。
名前を呼んでもらっただけで、なんてお手軽な、と思ってしまった。
私だったら何度だって呼ぶのに。
兄だって必要ないのに呼んでいるじゃないか、と。
そういうことではないのはわかっている。
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クロウはリンク王国の宮廷魔導士団で長年働き続けていたのに、黒髪の平民の雑用係としてしか認識されず、名前すら呼んでもらえてなかった。というか、名前を記憶している上官がいるのかどうかも疑わしい。
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そんな彼が王子に名前を呼ばれ、部隊に迎えられたら。
けれど、セレ第四王子は名前を呼ぶ以上のことはクロウに対して何もしてないのに、、、とちょっと嫉妬してしまうのは私がまだ未熟だからか。
私はクロウに料理も作っているのに、様々な頼み事も聞いているのに、とつい恨みがましく思ってしまう。
私よりもセレ第四王子の方が好きなんじゃない?と勘繰るほどには。
少々大人げないとは思うよ、私も。
敵国のオルド帝国の者に名前を呼ばれるだけでもまあまあ嬉しいと感じているのは、クロウがまだ帝国を見捨ててないところで納得してしまう。
それほどのことを皇帝であるあの兄はやってのけた。あの兄はそう感じてないが。
クロウの方が帝国のためを思って動いてくれていたくらいである。巻き込まれたのは私であるが。
クロウは簡単に脱獄できるし、帝国から無傷で出ていく能力を持っている。
それなのに、今もなおクロウが帝国に居続ける理由を、リンク王国にいるよりは居心地が良いと思ってくれているのなら、期待はある。
あのセレ第四王子もだが、第四王子部隊の騎士たちが脳筋だから、クロウに許されているところがある気がする。
脳筋だからこそ、脳筋だからゆえに素直で正直で単純で(馬鹿で)わかりやすい。
多少の誤差はあるが、彼らは等しく脳筋である。
彼らのなかには知略策謀を巡らせて帝国軍人を手玉に取っている、と思い込んでいる者もいるようだが、そういうところも軍人たちには可愛いと思われていることを誰もツッコミをすることもない。
彼らは単純にリンク王国の慣習に従っていただけで、それを指摘されて納得すれば柔軟に変更する素直さを持っている。
クロウとの信頼関係がまったく構築されていなかった事実を、ナーズたちがようやく認識して正そうとしている最中だ。あの部隊でクロウ一人だけが平民で、貴族からの命令を断れない状況だったということに気づかなかったのは凄まじいが。
自分たちはずっとお願いだと思っていたのだから。
だからこそ、あの時点で単純にクロウのことを考えて行動できたセリムがクロウの心を射止めたのだろう。
リンク王国ではありえない組み合わせに、リンク王国へと無事に帰してあげようかと意地悪な考えが浮かんだこともあったが、そんなことをしても何も生み出さないことは明白だ。
我々はクロウを失い、クロウが二度と帝国に足を踏み入れることはなくなるだけだ。
「トリステラ、なぜわざわざクロウの元まで行ったんだ?」
私の問いに、トリステラ第三皇子は曖昧な笑顔で応える。
帝城の私の執務室にトリステラを呼んだ。
あの取り巻きたちに対しては邪魔になるので入室を許可していない。
さすがに私に対しても斜め上な発言をするようだったら極刑が待っているだけだが。
「真相を確かめるためにですよ。それ以外に何かありますか」
トリステラの笑顔に、私も笑顔で応戦する。
「あるから尋ねているんだろう。クロウに生半可な隠し事はできない。次回会うのを拒んではいないが、単に機会を与えられただけだ。今回と同じ轍を踏むと、その次はないぞ」
「ご連絡をいただければ、次の機会までは応じましょう、ですか。そこまでの真意を織り込んだ言葉だったとは」
トリステラの顔を見るに、それすらもすでに織り込み済みな感じもするが。
腐っても帝国の教育を施された皇子である。
「クロウからすると、お前たちは憎むべき相手のようだからな」
「そうでしょうね。リンク王国の第四王子を意のままにしているのですから」
正しく認識はしているようだ。
ただし、真に理解しているかどうかの判断はつかないが。
トリステラは私にとって今のところ敵ではないが、クロウにとっても敵ではないというのは保証できない。
帝国の呪いの解呪方法について、ディスク第二皇子は私の元に尋ねてこない。
自分で動くリスクを正確に把握しているのなら聞きに来ることはしない。
となると、誰かにその責を押しつける方向で動く。
自分が死にたくないのならば。
この解呪で、私にその矛先が向かないとは言えない。
皇子たちを監視していないと足元を掬われる危険性は、クロウよりも高いのである。
皇子は皇帝になった一人だけしか生き残れないはずなのに、私は皇帝の弟として生きているだけで皇子たちの恨みを買っている。
帝国の呪いから除外されていると思い込んでいた私は甘かったとも言えるが、クロウが指摘しなかったらわけもわからずそのまま死んでいたのだろう。
クロウのおかげでそれを回避している事実を考えれば、クロウは確かに帝国に対して好意を持っていてくれている。
「父上と叔父上が庇護している魔導士なのですから、私では手が届かないのは明白ではございませんか」
考え事で沈黙していた私に、トリステラは大仰に言った。
皇帝と皇弟が庇護しているわけではなく、庇護なんて必要ないほどにクロウは誰にも手が届かない魔導士なのだが。
彼が雇用条件にうんと言わないので、牢獄生活が続いているだけである。
トリステラは勘違いしているのだろうか?
彼を多少強力な魔導士程度に思っているのだろうか?
それとも、わざとそう思わせる言葉を選択したのか?
セレ第四王子に通いまくっていた皇子たちが、徐々に動き出している。
情報収集ならば、皇子のなかではトリステラ第三皇子が抜き出ている。
ただし、それぞれの皇子に各分野でそれなりの実力があったのだけれども、かなりの空白期間が生じており、本領発揮するための力を取り戻すには少々時間が必要だと思われる。
「彼の恨みや怒りを買わない行動を選択することをお勧めするよ」
「それはもちろん」
トリステラの返事には裏がないように聞こえるが、聞こえるだけだろう。
わざわざクロウに会いに行くくらいなら。
利用しようとするなら利用し、やられたらやり返し、敵対するなら敵となる。
クロウはリンク王国でどんなに虐げられてもその行為を受け入れていたが、もう彼の足枷は存在しないのである。
人質なんて取ろうとするならば、万倍になって返されそうになるのは経験済みである。
トリステラのことを心配しても仕方がない。
なるようにしかならない。
後は、クロウが判断するだろう。
誰を救うか。
誰を救わないのか。
まあ、兄がそこまで自分の息子たちを呪いから助けたいと思うのなら、その想いを否定することはしないが。
けれど、自分で霊廟の歴代皇帝をどうにかしようという気持ちは見えない。
本来は想ったところで行動しなければ何も変わらない。
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