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2章 帝国の呪い
2-25 その変化
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至急来られたし。お前の子飼いをどうにかしろ。
大教会に配置していた密偵が緊急通信とともにメモの内容を伝えてきた。
横にいたナナキに対処を命じたが。綺麗な顔でものすごく嫌そうな視線を向けていた。すぐに動いてくれたが。
「子飼いじゃないんだけどなあ」
ネルタが幼いときから、俺が密偵として養育したとクロウには思われてるんかな。
皇帝がわざわざそんな手間暇をかけるほどの子供はいない。
育った者を皇帝の前に差し出すのだから。
「手塩にかけた子飼いだったら他国には出さないわよねえ。もったいないから」
「伯母上、もう少し躾の方をどうにかできなかったんですか?」
「確かに私の子供だけど、半分は私以外の血がつながっているのよ。愛せるわけがないじゃない」
優し気に微笑む表情とは裏腹に非常に冷たい言葉を言い放つ。
母親の本質をあの子供は知ることもできないだろう。
リンク王国内での密偵になるよう育ててきた、というよりは、要らないからリンク王国に放置してきた、という表現の方が正しい。
それならそれで、リンク王国とともにおとなしく滅んでくれれば良かったのに。
自分だけが特別だという意識はどうやら変えられないようだ。
オルド帝国では皇女として生まれた伯母上は皇族ではあるが、女性は一代限りの皇族であり、子が生まれたとしてもその身分は一切受け継がれない。
だからこそ、他国の王族、有力貴族や自国の上流階級に嫁ぐことが多い。
帝国の繁栄のために礎となるように。そのため他国では帝国での本当の身分を隠していることも少なくない。
「ただいま戻りましたー」
ナナキが俺の執務室に戻ってくる。
「おや、密談でしたら、私は後でご報告に参りますが」
密談て。
お前、わかってて言ってるな。
暑苦しいマント姿で、真夏の大教会に送ったことは謝るからさあ。
「かまわない。報告しろ」
「はい、ネルタをキービス王国に即刻送りました」
「、、、あそこら辺、戦争が激化した地域じゃなかったか」
名代として行動しろとは言ったが。
帝国から遠い遠い国で、帝国が戦争を仕掛けているわけではない、情勢などどうでもいい国だ。
「超笑顔で怒っていたので、あの地が最適かと」
「ああ、それなら仕方ない」
あっさりと書類に皇帝印を押す。
彼の場合、怒りの表情のときよりも超笑顔のときの方が怒っている度合いが大きい。
怒りの表情をきちんと表すのはパフォーマンスだと言ってもいいくらいだ。怒ってますよー、と周囲に知らせるための。
超笑顔のときって、力技で自己解決する予兆である。
こちらがすぐに対処しなければ、帝国がどうなっていたかわからないほどに。
一応、忠告はしてくれるので、その点は親切ではあるが。その忠告という名の警告に気づかなければとんでもない事態になるのは学んだ。
「あらあら、あの子にとっては難しい土地ね」
「自分の息子だと情がありますか」
「あの子も生きて帰れたら、一皮くらいむけるのではなくて」
「帰ってくることはないと思いますよ。永久的な配属ですから」
ナナキがヒンヤリ冷や冷やな返答をする。
ああ、新婚旅行が決行されたとしても、戦地には行かないと考えられるから。あの二人のことだから絶対ではないが。
会う可能性は限りなくゼロに近い方が幸せだろう、俺たちが。
「あらあらあら、あの子はどんな方に喧嘩を売ったのかしら?」
「帝国の呪いにおいて、私の分をどうにかしてくれそうな魔導士です」
「ん?」
「皇帝陛下のお許しがあればという条件の下ですが」
「あらあらあらあら、それはすごい魔導士なのねえ。帝国の呪いをどうにかできるなんて。けど、サザーラン、兄として許さないのなら、人として終わってるわよ」
伯母上のあらがどんどん増えていくなあ。
「どうにかできるのか。アイツは帝国の呪いを」
俺は立ち上がってナナキに聞いた。
「あのー、サザーラン皇帝陛下、発言してもよろしいですか」
あ、忘れてた。
伯母上が商談で連れてきたアッシェン大商会のシエルドがいたんだった。伯母上の後ろに控えていたんだった。
貴金属ジャラジャラしていて目にうるさいのに、存在を忘れるとは本当に不思議だ。
「重要なことを話している最中だが?」
知ってます、という顔である。
けど、今言っておかないとヤバイという顔でもある。
「はあ、そのことなんですけどね。普通に解呪するだけなら解呪できるそうですよ。呪いの利点を残さなければ。反対に誰にでも、ゴフンっ、どの魔導士でもできるんじゃないかという発言までされてました」
「話したのかっ」
「皇帝陛下が呪い関連の書籍を混ぜてくるという会話の流れになってしまったので」
アイツはシエルドにどんなことまで垂れ流しているんだ?
帝国の呪いをどうにかできるかどうか様子を見るために、文官に命じて数冊混入させてみたのだが、何も言われずにスルーされたので、さすがにクロウでも難しいのかと思っていたのだが。。。
え、俺が尋ねないといけなかったの?
あ、そうか、いつもは周囲が気を遣って察してくれているから、クロウも察してくれるものとばかり。
いや、察しているからこそ、無言を貫いたということもあり得るのか。
面倒だから。
「ということはっ、ん、どういうことだ?アイツは帝国の呪いを本当に解呪できるのか?」
「解呪するだけなら、と」
だけを強調するのは、強い皇帝を作る呪いの効果がなくなるということをこのシエルドは言っている。
誰も呪いの利点だけを都合良く残そうとは思っていない。
だが、言った言わないになると都合が悪くなるのは皇帝以外の者である。
「ナナキにはナナキの分だけ解呪できると言ったのだろう」
「私がそう頼んだので。帝国の呪い自体を解呪できるかとは聞きませんでした」
、、、帝国の呪い自体を解呪できる者がいるとは思わないからな。それは仕方ない。
「それに、私の場合は皇帝陛下との呪いではなく、皇子たちとのものだそうで」
「そうなのか?」
「皇太子が即位したら、私も皇子たちと一緒に死ぬそうですから」
「、、、そういうこと、アイツは淡々と言ってのけたのか?」
「料理人の私は気に入っているようですよ」
クロウは豪華な食事ではなく、庶民的な美味しい食事が大好きである。
あくまでもお金のかかる豪華絢爛なものを彼の前に出そうとするならば、目には見えない断崖絶壁が立ちはだかることになるが。
長年かけてリンク王国に植えつけられてしまった価値観をどうにかしてくれ、と願うこの頃。
高価な物には必ず裏があると思わないでくれ。下心はあるんだけどさ。
「お前はアイツの胃袋握っておけ。大型ワンコには真似できないだろ」
「あー、でも、クロウの好物だと言って、頑張っておイモの蒸しケーキ作ってましたね」
「え、マジか?」
「クロウの奥様が得意だったそうですよ」
「そんなことも話しているのか」
クロウがセリムにそんな個人的な話をしているということは、やはり信頼関係は構築されていると言ってもいい。
結婚を前提としたお付き合いをしているくらいだからそうなんだろうが。
クロウの価値観から貴族とのおつきあいはやっぱり無理となりそうだったのに。
セリムってあの見た目で、意外と相手を観察して相手に合わすところがあるからな。
「、、、話が大幅に脱線しておりますが、あの場にポシュ様もいらしたので詳細はそちらでご確認を」
「ああ、ポシュが、、、って、ポシュがその場にいたのか?」
「え、ええ、まあ。ただ、話だけなので、私もポシュ様も真偽の確認まではできておりませんので、その点はご容赦を」
シエルドは後のことはポシュに放り投げてさっさと退室していった。
俺が驚いたのはポシュが報告に来てなかったからだが。
ポシュは帝国の呪いのことを知っているし、俺が解呪したいということも知っている。クロウが帝国の呪いを解呪できると聞いたら、いの一番に俺の元に報告に来そうなものだが。
真偽のほどは置いといて、とりあえず報告だけは来ていたに違いない、少し前までなら。
大教会に配置していた密偵が緊急通信とともにメモの内容を伝えてきた。
横にいたナナキに対処を命じたが。綺麗な顔でものすごく嫌そうな視線を向けていた。すぐに動いてくれたが。
「子飼いじゃないんだけどなあ」
ネルタが幼いときから、俺が密偵として養育したとクロウには思われてるんかな。
皇帝がわざわざそんな手間暇をかけるほどの子供はいない。
育った者を皇帝の前に差し出すのだから。
「手塩にかけた子飼いだったら他国には出さないわよねえ。もったいないから」
「伯母上、もう少し躾の方をどうにかできなかったんですか?」
「確かに私の子供だけど、半分は私以外の血がつながっているのよ。愛せるわけがないじゃない」
優し気に微笑む表情とは裏腹に非常に冷たい言葉を言い放つ。
母親の本質をあの子供は知ることもできないだろう。
リンク王国内での密偵になるよう育ててきた、というよりは、要らないからリンク王国に放置してきた、という表現の方が正しい。
それならそれで、リンク王国とともにおとなしく滅んでくれれば良かったのに。
自分だけが特別だという意識はどうやら変えられないようだ。
オルド帝国では皇女として生まれた伯母上は皇族ではあるが、女性は一代限りの皇族であり、子が生まれたとしてもその身分は一切受け継がれない。
だからこそ、他国の王族、有力貴族や自国の上流階級に嫁ぐことが多い。
帝国の繁栄のために礎となるように。そのため他国では帝国での本当の身分を隠していることも少なくない。
「ただいま戻りましたー」
ナナキが俺の執務室に戻ってくる。
「おや、密談でしたら、私は後でご報告に参りますが」
密談て。
お前、わかってて言ってるな。
暑苦しいマント姿で、真夏の大教会に送ったことは謝るからさあ。
「かまわない。報告しろ」
「はい、ネルタをキービス王国に即刻送りました」
「、、、あそこら辺、戦争が激化した地域じゃなかったか」
名代として行動しろとは言ったが。
帝国から遠い遠い国で、帝国が戦争を仕掛けているわけではない、情勢などどうでもいい国だ。
「超笑顔で怒っていたので、あの地が最適かと」
「ああ、それなら仕方ない」
あっさりと書類に皇帝印を押す。
彼の場合、怒りの表情のときよりも超笑顔のときの方が怒っている度合いが大きい。
怒りの表情をきちんと表すのはパフォーマンスだと言ってもいいくらいだ。怒ってますよー、と周囲に知らせるための。
超笑顔のときって、力技で自己解決する予兆である。
こちらがすぐに対処しなければ、帝国がどうなっていたかわからないほどに。
一応、忠告はしてくれるので、その点は親切ではあるが。その忠告という名の警告に気づかなければとんでもない事態になるのは学んだ。
「あらあら、あの子にとっては難しい土地ね」
「自分の息子だと情がありますか」
「あの子も生きて帰れたら、一皮くらいむけるのではなくて」
「帰ってくることはないと思いますよ。永久的な配属ですから」
ナナキがヒンヤリ冷や冷やな返答をする。
ああ、新婚旅行が決行されたとしても、戦地には行かないと考えられるから。あの二人のことだから絶対ではないが。
会う可能性は限りなくゼロに近い方が幸せだろう、俺たちが。
「あらあらあら、あの子はどんな方に喧嘩を売ったのかしら?」
「帝国の呪いにおいて、私の分をどうにかしてくれそうな魔導士です」
「ん?」
「皇帝陛下のお許しがあればという条件の下ですが」
「あらあらあらあら、それはすごい魔導士なのねえ。帝国の呪いをどうにかできるなんて。けど、サザーラン、兄として許さないのなら、人として終わってるわよ」
伯母上のあらがどんどん増えていくなあ。
「どうにかできるのか。アイツは帝国の呪いを」
俺は立ち上がってナナキに聞いた。
「あのー、サザーラン皇帝陛下、発言してもよろしいですか」
あ、忘れてた。
伯母上が商談で連れてきたアッシェン大商会のシエルドがいたんだった。伯母上の後ろに控えていたんだった。
貴金属ジャラジャラしていて目にうるさいのに、存在を忘れるとは本当に不思議だ。
「重要なことを話している最中だが?」
知ってます、という顔である。
けど、今言っておかないとヤバイという顔でもある。
「はあ、そのことなんですけどね。普通に解呪するだけなら解呪できるそうですよ。呪いの利点を残さなければ。反対に誰にでも、ゴフンっ、どの魔導士でもできるんじゃないかという発言までされてました」
「話したのかっ」
「皇帝陛下が呪い関連の書籍を混ぜてくるという会話の流れになってしまったので」
アイツはシエルドにどんなことまで垂れ流しているんだ?
帝国の呪いをどうにかできるかどうか様子を見るために、文官に命じて数冊混入させてみたのだが、何も言われずにスルーされたので、さすがにクロウでも難しいのかと思っていたのだが。。。
え、俺が尋ねないといけなかったの?
あ、そうか、いつもは周囲が気を遣って察してくれているから、クロウも察してくれるものとばかり。
いや、察しているからこそ、無言を貫いたということもあり得るのか。
面倒だから。
「ということはっ、ん、どういうことだ?アイツは帝国の呪いを本当に解呪できるのか?」
「解呪するだけなら、と」
だけを強調するのは、強い皇帝を作る呪いの効果がなくなるということをこのシエルドは言っている。
誰も呪いの利点だけを都合良く残そうとは思っていない。
だが、言った言わないになると都合が悪くなるのは皇帝以外の者である。
「ナナキにはナナキの分だけ解呪できると言ったのだろう」
「私がそう頼んだので。帝国の呪い自体を解呪できるかとは聞きませんでした」
、、、帝国の呪い自体を解呪できる者がいるとは思わないからな。それは仕方ない。
「それに、私の場合は皇帝陛下との呪いではなく、皇子たちとのものだそうで」
「そうなのか?」
「皇太子が即位したら、私も皇子たちと一緒に死ぬそうですから」
「、、、そういうこと、アイツは淡々と言ってのけたのか?」
「料理人の私は気に入っているようですよ」
クロウは豪華な食事ではなく、庶民的な美味しい食事が大好きである。
あくまでもお金のかかる豪華絢爛なものを彼の前に出そうとするならば、目には見えない断崖絶壁が立ちはだかることになるが。
長年かけてリンク王国に植えつけられてしまった価値観をどうにかしてくれ、と願うこの頃。
高価な物には必ず裏があると思わないでくれ。下心はあるんだけどさ。
「お前はアイツの胃袋握っておけ。大型ワンコには真似できないだろ」
「あー、でも、クロウの好物だと言って、頑張っておイモの蒸しケーキ作ってましたね」
「え、マジか?」
「クロウの奥様が得意だったそうですよ」
「そんなことも話しているのか」
クロウがセリムにそんな個人的な話をしているということは、やはり信頼関係は構築されていると言ってもいい。
結婚を前提としたお付き合いをしているくらいだからそうなんだろうが。
クロウの価値観から貴族とのおつきあいはやっぱり無理となりそうだったのに。
セリムってあの見た目で、意外と相手を観察して相手に合わすところがあるからな。
「、、、話が大幅に脱線しておりますが、あの場にポシュ様もいらしたので詳細はそちらでご確認を」
「ああ、ポシュが、、、って、ポシュがその場にいたのか?」
「え、ええ、まあ。ただ、話だけなので、私もポシュ様も真偽の確認まではできておりませんので、その点はご容赦を」
シエルドは後のことはポシュに放り投げてさっさと退室していった。
俺が驚いたのはポシュが報告に来てなかったからだが。
ポシュは帝国の呪いのことを知っているし、俺が解呪したいということも知っている。クロウが帝国の呪いを解呪できると聞いたら、いの一番に俺の元に報告に来そうなものだが。
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