無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ

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第4話

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 大穴は地下に続くトンネルのような穴で、俺が生まれる前に発生した。
 それと同時に世界に魔力と大虫が現れてスキルを覚醒させるものが現れるようになった。

 大穴をしばらく降りると岩自体がうっすらと光っている事が分かる。
 穴は上下左右に入り組んで枝分かれしている為ゲームのダンジョンのようでもある。
 大穴はアリの巣のイメージに近い。
 アリの巣よりも傾斜は控えめだが、地上までの穴を掘るのもアリの大虫だ。

 奥に進むと人間サイズのアリが出てくる。

「ギイイイイイイイイイイイ!」
「アリが4体か」

 大虫だ。
 他にもダンゴムシだったりハチだったり色々いるが、9割以上が虫で、虫じゃない化け物も危険な化け物はすべて大虫と呼ばれている。

「ギイイイイイイイイイイイ!」

 アリが俺を包囲した。

 そして死角からあごで噛みついてきた。
 俺はそのあごに拳を叩きこんだ。

 アリが倒れて霧に変わり、そして小さな光る石を落とした。
 これが魔石だ。

 アリを殴ってすべて倒すと魔石を4つ回収する。

 魔石の使い道は3つある。

・スキルホルダーが体に吸収する事で力を高める

・売って金に換える

・武具を強化する

 売った場合電力を生み出すために使われる事が多い。


 会社にいる時は部長に『副業ばかりやってないで会社で仕事をしろよ!』と怒鳴られ、それ以降魔石を金に換えていない。
 田舎ではどこから魔石換金の情報が流れるか分からないのだ。

 攻撃が素手なので武器強化は必要ない。
 攻撃を受けることがほとんどない為防具も強化していない。
 
 残るは体内に魔石を吸収する事だが、昔はそればかりをやっていた。
 だが最近魔石を吸収する事が出来なくなった。

 俺は魔石に魔力を流す。
 ジェル状になった魔石を腕に塗り込もうとするが、吸収できない。

「やっぱり駄目か。もう、吸収できないのかな?」
「きゅう」

 なんだか、むなしいな。




【猫野莉子視点】

 カケルさんと別れた後もきゅうに目を凝らす。

「ううう、見えない、え?」

 スキルは見えない、でも、きゅうの状態異常は見えた。

「待って!カケルさん!待って!」

 私はカケルさんを追った。
 あまりに速くてカケルさんがどんどん遠くに行って見えなくなる。
 でも、あの方向にある大穴なら、場所は分かる。

 私は全力で走った。



 ◇


 大穴の前にたどり着くと武器がナイフ1本しかない事に気づいた。
 でも、早く伝えないときゅうが危ない!
 私は大穴の中に入った。

「カケルさん!いる!?」

 カケルさんの気配を感じた。


「カケルさーん!待って!カケルさーん!」
「え?どうして来たんだ?」
「そ、そんな事より、さっき見えたの」
「何が?」

『ネコリコちゃん、装備を揃えずに大穴に来るのは危ないよ』
『いやな予感がする。帰ろうぜ』
『大穴の向こうを見ろよ。大虫だ』
『カマのシルエット!まずい!強敵だ!』

「キイイイイイイイイイイ!」

『危ない!カケル!リコを守れ!』
『カマキリはまずい!大虫の中では強い部類だ』
『しかもネコリコは丸腰だ』
『いや、ナイフ1本だけ持ってるそれでもヤバイぞ!』

「あああああ!カマキリ!逃げようよ!」
「……え?でも、折角だし倒しておきたいんだ」
「死んじゃうよ!カケルさんはナックルをつけてないでしょ!」
「ああ、つけてもすぐに武器が悪くなるから」

 カマキリはアリなんかの大虫より強い。
 
「殺されちゃうよ!」
「そっか、心配してくれたのか、ありがとう」

 ドン!
 カケルさんは凄い勢いで走った。
 そしてカマキリの近くで止まった。

 その瞬間にカマキリが霧になって消え、落ちそうになる魔石を手でキャッチした。

『何だ!何が起きた!』
『今ぼーっとしてて良く分からなかった』
『どういう事!?』
『ははーん、わかったぞ。カケルは凄く強い』
『あの速度で走っている時点で強いのは分かるだろwwwwww』
『リコが助かって良かった』
『あいつ、ナックルを装備しないのなwwwwww』

「ええええええええええええええええええ!今何したの?何でもう魔石を持ってるの!?」
「走って殴って魔石に変わってから落ちる前に取ったんだ。ああ、そっか、ハンター高校を卒業して毎日大穴に通って魔石を吸収していれば誰でも出来るようになるよ」

「え?えええ!おかしいよ。そんなに強いなら会社に入らずにハンターをやった方がいいのに!それにカケルさんみたいに速い人は見た事無いよ。何できゅう動画をやってるの?大穴で大虫を倒す配信をやればすぐにバズって簡単にお金がもらえるのに、ううん、大虫を倒すだけでもすぐに億万長者になれるのに色々おかしいよ!」

「落ち着こう、まずは何かが見えたんだよな?」
「あ!そう!そうなの!きゅうが深刻なナデナデ不足で命の危機なの!」
「……ん?」

「深刻なナデナデ不足で命の危機なの!」
「んんん!?」

 カケルさんがきゅうを抱っこして、きゅうを見つめた。


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