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第16話
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その日カノンには帰って貰った。
次の日、カノンが家に来て俺はカノンと2人で街に出かけた。
きゅうとスナイプはお留守番だ。
きゅうはスナイプには心を許しているようでスナイプの上に乗って佇んでいた。
カノンが俺と腕を組みながら歩く。
内心ドキドキしている。
カノンは制服からドレスワンピースに着替えている。
布が薄く、カノンの体温が伝わって来る。
「バレたらファンから恨まれるぞ」
「大丈夫です。怖い人はブロックしますから。それに、カケルにタカって魔法攻撃用の指輪を買わせる動画を作って公開済みです」
「カノンってぐいぐい来るけど結構気を使うよな」
気を使う部分とぐいぐい来る部分が混在している。
振れ幅が大きくてカノンの事がよく分からない。
「貯金は500万しか無いから、最高の指輪は買えないけど、出来る範囲内で買おう」
「お金持ちなんですね」
「いや、ハンターの中では持ってない方じゃないか?」
「ハンターはその日暮らしの人も多いですよ。収入は多くても散財をして貯金をしない人が多いですよ」
「そうなのか」
「どうして制服から着替えたんだ?」
「ハンター高校の制服は見た目がただのJKですから、お店から変に思われる可能性が少しだけあります。多分店員さんはプロなので大丈夫だと思いますけど念のためです」
「攻撃魔法用の指輪だけど、この店でいいんだよな?」
「はい」
ジュエリーショップと同じような雰囲気の店で、店員が深々と頭を下げる。
「今日はどのような品をお探しですか?」
「500万円以内で最高の魔法指輪が欲しい」
「え?全部使ったら困りませんか?」
「予算内で最高の指輪が欲しいんだろ?」
「そうは言いましたけど」
「カノンを信じる。返してくれるんだろ?」
「はい、後で10倍にして返します」
「10倍は多すぎる。後で話し合おうか」
「今は指輪を選びましょう」
店員さんが笑顔のまま会話が終わるのを待つ。
「あ、話は終わりました」
「500万円以下ですとこちらです」
「カノン、魔力を当てて直感で選んでくれ」
カノンが指輪に魔力を当てて確認していく。
「あ!」
515万円の指輪に魔力を当てると声を上げた。
「これがいいのか?」
「はい、ですが予算オーバーです」
「これにしよう」
「え!でも、予算オーバーですよ」
「正確には518万ある。これを下さい」
「……絶対に返します」
カノンが決意を決めたような顔で言った。
「サイズ調整はどの指で合わせますか?」
「左手の薬指で合わせます」
「はあ!冗談だよな!?」
「えーと、どの指で合わせましょう?」
「左手の薬指で合わせます」
「よろしいですね?」
「いやいや、おかしいだろ」
「左手の薬指で合わせます」
カノンの事がよく分からない。
カノンは左手の薬指に指輪のサイズを調整してもらい、指輪をつけたまま店を出た。
「あ、そうか、男避けか」
カノンは俺の体をぐっと引き下げた。
そして俺に耳元で囁く。
「立候補の為です」
俺との結婚に立候補するため!
カノンはよく分からない事を言う。
だが冗談も良く言う。
俺はカノンの顔を見た。
笑顔が、何を考えているのか分からない。
「食事に行きましょう。食事位はご馳走させてください」
「そ、そうか」
上の空で頷いた。
イタリアンの店に入って4人掛けの席にカノンを座らせた。
カノンが俺の手を引いて隣に座らせる。
対面に座るんじゃないのか。
俺はミートソースを、カノンはボンゴレを頼んだ。
パスタが運ばれて食事を始める。
「頬にソースが付いていますよ」
カノンが俺の口を優しく拭いた。
変な事を言うと思えば意外と細かい所も見ている。
「カノンの事がよく分からない」
「そうですか?私は変わっていると言われますから。変人なのかもしれませんね」
「一番分からないのは男性が怖いのに俺は平気な事だ」
「カケルは大丈夫です」
「それどこで判断したんだ?」
「色々と、言葉の端々や感覚全部でそう思いました」
「俺は人が困っていても知らない振りをする事があるし、人と関わらないように生きている」
「カケル、優しい人は自分の事を優しいとは思わないですよ。優しくない人は知らない振りをして気にもせず自分は優しいと思い込んでいたりします」
カノンを見ると背筋が整っていて上品に見える。
「カノンは家が貧乏なのにお嬢様みたいだな」
「私の家族はお金がそこそこありますよ」
「え?家族にいじめられているのか?」
その瞬間にカノンが俺の背中を優しく撫でた。
カノンは俺の両親の事を察しているように感じた。
だが、俺が家族の事を聞かれてしまったら、多分機嫌が悪くなる。
だから何も言わずに俺の背中を撫でたのか。
「教育の一環で、困っても自分で解決する力をつける為です」
「金持ちが考えそうな発想だけど、カノンは危なくないか?男性に襲われる危険もあるんだろ?」
俺は自分で言った瞬間に分かった。
ハンターから身を守る為にはハンターを雇う必要がある。
だが、まともなハンターはパーティーを組んでおり、大虫を倒すだけで生活していける。
わざわざリスクを取って護衛を頼まれてくれるハンターは少ないだろう。
更に護衛のハンターが男性だった場合、そのハンターがカノンに言い寄る可能性もある。
まともな人間が護衛を受けてくれたとして金持ちでも払い切れるか分からない額の金を用意する必要がある。
護衛したくても出来ないケースがある。
だからこそのスナイプか。
スナイプを偶然飼っていたとは考えにくい。
お金を払って両親が用意したのか。
だが、金があるなら装備位は整えた方がいい気がする。
いや、強い指輪を買っても、カノンがハンターに魔法を使えばハンターを殺してしまうリスクもあるか?
そう言えば、カノンが被っていた帽子からは魔力を感じた、多分高い装備だ。
「……年を取るまで、この見た目で生きていきますから、両親は長い目で見ているんです」
両親は完全に対策を出来ないと分かったうえで、危険を承知した上でカノンが自分で悩んで、考えて、切り抜ける知恵を手に入れて欲しいと思っているのか?
でも、出来る範囲では対策をしている気もする。
カノンの事が、その両親の事もよく分からない。
でも俺は、カノンに心を許し始めていた。
次の日、カノンが家に来て俺はカノンと2人で街に出かけた。
きゅうとスナイプはお留守番だ。
きゅうはスナイプには心を許しているようでスナイプの上に乗って佇んでいた。
カノンが俺と腕を組みながら歩く。
内心ドキドキしている。
カノンは制服からドレスワンピースに着替えている。
布が薄く、カノンの体温が伝わって来る。
「バレたらファンから恨まれるぞ」
「大丈夫です。怖い人はブロックしますから。それに、カケルにタカって魔法攻撃用の指輪を買わせる動画を作って公開済みです」
「カノンってぐいぐい来るけど結構気を使うよな」
気を使う部分とぐいぐい来る部分が混在している。
振れ幅が大きくてカノンの事がよく分からない。
「貯金は500万しか無いから、最高の指輪は買えないけど、出来る範囲内で買おう」
「お金持ちなんですね」
「いや、ハンターの中では持ってない方じゃないか?」
「ハンターはその日暮らしの人も多いですよ。収入は多くても散財をして貯金をしない人が多いですよ」
「そうなのか」
「どうして制服から着替えたんだ?」
「ハンター高校の制服は見た目がただのJKですから、お店から変に思われる可能性が少しだけあります。多分店員さんはプロなので大丈夫だと思いますけど念のためです」
「攻撃魔法用の指輪だけど、この店でいいんだよな?」
「はい」
ジュエリーショップと同じような雰囲気の店で、店員が深々と頭を下げる。
「今日はどのような品をお探しですか?」
「500万円以内で最高の魔法指輪が欲しい」
「え?全部使ったら困りませんか?」
「予算内で最高の指輪が欲しいんだろ?」
「そうは言いましたけど」
「カノンを信じる。返してくれるんだろ?」
「はい、後で10倍にして返します」
「10倍は多すぎる。後で話し合おうか」
「今は指輪を選びましょう」
店員さんが笑顔のまま会話が終わるのを待つ。
「あ、話は終わりました」
「500万円以下ですとこちらです」
「カノン、魔力を当てて直感で選んでくれ」
カノンが指輪に魔力を当てて確認していく。
「あ!」
515万円の指輪に魔力を当てると声を上げた。
「これがいいのか?」
「はい、ですが予算オーバーです」
「これにしよう」
「え!でも、予算オーバーですよ」
「正確には518万ある。これを下さい」
「……絶対に返します」
カノンが決意を決めたような顔で言った。
「サイズ調整はどの指で合わせますか?」
「左手の薬指で合わせます」
「はあ!冗談だよな!?」
「えーと、どの指で合わせましょう?」
「左手の薬指で合わせます」
「よろしいですね?」
「いやいや、おかしいだろ」
「左手の薬指で合わせます」
カノンの事がよく分からない。
カノンは左手の薬指に指輪のサイズを調整してもらい、指輪をつけたまま店を出た。
「あ、そうか、男避けか」
カノンは俺の体をぐっと引き下げた。
そして俺に耳元で囁く。
「立候補の為です」
俺との結婚に立候補するため!
カノンはよく分からない事を言う。
だが冗談も良く言う。
俺はカノンの顔を見た。
笑顔が、何を考えているのか分からない。
「食事に行きましょう。食事位はご馳走させてください」
「そ、そうか」
上の空で頷いた。
イタリアンの店に入って4人掛けの席にカノンを座らせた。
カノンが俺の手を引いて隣に座らせる。
対面に座るんじゃないのか。
俺はミートソースを、カノンはボンゴレを頼んだ。
パスタが運ばれて食事を始める。
「頬にソースが付いていますよ」
カノンが俺の口を優しく拭いた。
変な事を言うと思えば意外と細かい所も見ている。
「カノンの事がよく分からない」
「そうですか?私は変わっていると言われますから。変人なのかもしれませんね」
「一番分からないのは男性が怖いのに俺は平気な事だ」
「カケルは大丈夫です」
「それどこで判断したんだ?」
「色々と、言葉の端々や感覚全部でそう思いました」
「俺は人が困っていても知らない振りをする事があるし、人と関わらないように生きている」
「カケル、優しい人は自分の事を優しいとは思わないですよ。優しくない人は知らない振りをして気にもせず自分は優しいと思い込んでいたりします」
カノンを見ると背筋が整っていて上品に見える。
「カノンは家が貧乏なのにお嬢様みたいだな」
「私の家族はお金がそこそこありますよ」
「え?家族にいじめられているのか?」
その瞬間にカノンが俺の背中を優しく撫でた。
カノンは俺の両親の事を察しているように感じた。
だが、俺が家族の事を聞かれてしまったら、多分機嫌が悪くなる。
だから何も言わずに俺の背中を撫でたのか。
「教育の一環で、困っても自分で解決する力をつける為です」
「金持ちが考えそうな発想だけど、カノンは危なくないか?男性に襲われる危険もあるんだろ?」
俺は自分で言った瞬間に分かった。
ハンターから身を守る為にはハンターを雇う必要がある。
だが、まともなハンターはパーティーを組んでおり、大虫を倒すだけで生活していける。
わざわざリスクを取って護衛を頼まれてくれるハンターは少ないだろう。
更に護衛のハンターが男性だった場合、そのハンターがカノンに言い寄る可能性もある。
まともな人間が護衛を受けてくれたとして金持ちでも払い切れるか分からない額の金を用意する必要がある。
護衛したくても出来ないケースがある。
だからこそのスナイプか。
スナイプを偶然飼っていたとは考えにくい。
お金を払って両親が用意したのか。
だが、金があるなら装備位は整えた方がいい気がする。
いや、強い指輪を買っても、カノンがハンターに魔法を使えばハンターを殺してしまうリスクもあるか?
そう言えば、カノンが被っていた帽子からは魔力を感じた、多分高い装備だ。
「……年を取るまで、この見た目で生きていきますから、両親は長い目で見ているんです」
両親は完全に対策を出来ないと分かったうえで、危険を承知した上でカノンが自分で悩んで、考えて、切り抜ける知恵を手に入れて欲しいと思っているのか?
でも、出来る範囲では対策をしている気もする。
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でも俺は、カノンに心を許し始めていた。
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