無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ

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第17話

 月曜火曜の放課後にカノンとすごした。
 思ったより楽しかったな。
 カノンの事は未だによく分からないけど思ったよりも優しい事は分かった。

「きゅう、今日は大穴に行って来るか」
「きゅう♪」

 俺はきゅうと一緒に大虫を倒して過ごした。



【木曜日の午後】

 リコから連絡か。

『カノンです。すいません、
 配信ミスでカケルの家がネットで特定されました。
 すぐにアパートを解約してください。
 引っ越し業者はお父さんが用意してくれたので業者がそちらに向かいます。
 しばらくお父さんの家で暮らしてください。
 費用はこちらで負担します』

 カノンと連絡先を交換しなかったからリコ経由で連絡が来たか。
 外を見ると引越しのトラックが止まっている。
 黒い車も止まっている。

 ピンポーン!
 玄関を開ける。

「はい」
「引っ越しの作業はすべてお任せください」

 引っ越し業者が荷物をまとめていく。

「カケル様、貴重品を持って車にお乗りください。きゅうも一緒にどうぞ。賃貸・電気・水道・ガス、すべての解約手続きをサポートいたします」

 車に乗るときゅう用の座布団が用意されており、きゅうをそこに置いた。
 机がある車で移動しながら解約手続きをサポートしてもらい、住所変更も終わらせて豪邸の前で降ろされた。

「お部屋にご案内いたします」

 俺はホテルのような部屋に案内された。
 広い部屋に風呂やトイレが揃っている。

「きゅう、泡の出る風呂があるぞ」
「きゅう♪」

 コンコン!

 ドアを開けるとカノンがいた。

「本当にすいませんでした。電柱で住所が特定されるとは思いませんでした」
「いや、全然被害は出ていないぞ」
「良かったです。カケルはバズっているので家に人が押しかけてこないか心配でした」

「それよりも、本当にここを無料で使っていいのか?」
「はい、大丈夫です」
「カノンの父さんは凄いお金持ちじゃないか」
「お父さんはそうですね」

「家族に気功を使ってお礼をしたい」
「みんな喜ぶと思いますが、いいんですか?億万長者よりスキルホルダーの、しかも回復スキルは貴重なんですよ?」

 40世帯の内1世帯が1億円以上の金融資産を持つといわれる。
 つまり学校のクラスに1人いるかどうか以上の確率で億万長者がいる計算になる。

 対してスキルホルダーは1000人に1人の確率でしか発現せず、スキルホルダーとなっても死んだり大虫と戦わず生きる者もいる。
 力をつけスキルを磨いたスキルホルダーは1万人に1人しか存在しないとも言われている。

「いや、使う」
「4人いますけど大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」

「すぐに連絡しますね……」

 カノンが電話を始めた。


「……夕食の時にお願いできますか?」
「分かった」

「連絡先を教えてください」
「そうだな」

 俺はカノンと連絡先を交換した。
 カノンは信頼できる、そう思った。

 正直、両親が関与して、俺にカノンを護衛させたい意図は感じている。
 だが、その分部屋は無料で食費などもすべて払う必要はない。
 要するに何かをして貰う時は必ず対価を払うようなウインウインに持って行くような意図も感じるのだ。

 部長のように『俺によこせお前には何もやらない』というような特殊な思考ではないと思う。


「きゅう、なでなでしますよ」

 きゅうがカノンの元に歩いた。

「え?そんな!カノンにも懐くのか!」
「やっぱりそうですか」
「ん?」
「きゅうが心を許す条件はカケルが信頼した人間です」

 言われてみればそうか。
 リコとリコママは信頼できると思った。
 カノンもそうだ。

「この事は2人だけの秘密にしましょう。きゅうは私が餌付けをして懐いた、そういう事にします」

 俺がカノンを信頼した=心を許した=親密な関係=デキている
 こういう風に取る人間が出てくるだろう。

「カノンがまた悪者になるぞ?」
「いいんです。私は皆からの人気よりカケル1人の信頼が大事ですから」

 カノンが大人の女性のように見えた。
 裏の顔と表の顔を使い分けるような部分を含めてだ。

 夕食に向かうと4人の大人が座っていたが全員が立ち上がった。

「カノンのおじいちゃんだよ。よろしくね」
「私はおばあちゃんですよ」
「私はお母さんよ」
「カノンの父だ。よろしく」


「最初に気功を使いますね」

「お母さん、最初にかけてもらって」
「もう、お父さんは疲れてるんだからお父さんからよ」
「そうか、ならおばあちゃんからだな」
「私は最後でいいですよ。おじいちゃん、どうぞ」

 みんなが譲り合いながら笑う。
 中々話が終わらない。

「お父さんから行きますね」

 俺はすっとお父さんの前に立って気功を使った。
 胸に手を当てて魔力を流し込むとお父さんが輝きを放った。

「おおおお!腕の古傷が消えた!ありがとう」

 次はお母さんだ。

「失礼して、背中を触ります」
「あら、遠慮しなくていいのよ。ああああ、暖かい。お父さん見て!お肌がプルプルよ!」
「おお、本当だ」

「次はおじいちゃん行きます」
「こおおおおおお!関節が楽になるう。ありがとう。本当にありがとね」

 おじいちゃんは俺に手を差し出した。
 握手をしてもまた「ありがとう。ありがとね」と感謝された。

「最後はおばあちゃん、背中を触りますね」
「お願いしますね。あああああああ、楽になりました。ありがとうございます」

「はっはっは、体の調子がいい、これは、しばらく泊って貰わないと恩を返しきれない。と言ってもカノンを守ってもらう打算もある」
「今日はご馳走よ、たくさん食べましょう」

 カノンの父が正直にカノンを守って欲しいと言った。
 意図を隠されたままより信頼できると思った。
 俺とカノンは並んで座る。

「「いただきます」」

 豪華なご馳走が並ぶ。

「カノンにも気功を使おうか?」
「いえ、私は大丈夫です。ハンターは体力が多い分魔力消費が多くなります。無理をしなくていいですよ。それよりも魔石の注入をお願いします」
「魔石はまだまだあるぞ」

「換金しないのですか?」
「最近会社を辞めるまで副業をすると怒られていたから換金していなかった」
「だから顔を隠してきゅうチャンネルをやっていたんですね」

 周りを見ると家族が楽しそうに話をしている。
 家族は、こんなに楽しく会話をするのか?
 リコとリコママも楽しそうだった。

「皆、いつもこんなに仲がいいのか?」
「そうですよ」

 そう言ってカノンは俺の背中をさすった。
 これが普通なのかもしれない。
 俺の両親は普通ではないのかもしれない。

 俺の両親はもっと仲が悪くて、俺に当たり散らすように怒っていた。

 食事が終わると部屋にカノンがやって来た。

「きゅうを貸して下さい。動画を撮っておきたいです」
「分かった。でもやらないぞ」

 カノンがきゅうを持って動画撮影を始めた。
 カノンがきゅうにあの手この手で懐かせ、最後は餌付けに成功した動画を面白おかしく撮っていた。
 撮影が終わると俺の部屋でパソコンを開いて動画を編集している。

「きゅ、きゅう!」

 きゅうが俺の足に縋りついた。

「風呂に入りたいのか?」
「きゅう♪」
「風呂に入るけど、まだここにいるか?」
「ええ、もう少し、かかります」

 凄い集中力だな。
 親もこんな感じなら、お金持ちになる理由も分かる気がする。

 俺はそっと部屋にある風呂に向かった。

「きゅう、泡ぶろだぞ」

 きゅうが泡ぶろに飛び込んだ。

「あ、まだ体を流してないのに!」

 きゅうがちゃぷちゃぷと泳いで遊ぶ。
 まあ、いいか。

 俺は体を洗ってから風呂に入る。

「最高だな」
「きゅう♪」

 カチャ!

 カノンが生まれたままの姿で入って来た。
 でも、恥ずかしいようで顔は真っ赤だ。
 意味が分からない。

「前からやってみたかったことがあって」

 カノンの体に目が行ってしまう。

「きゅうを泡立ててきゅうをスポンジ代わりにしたいです」

 そう言って俺の前にかがみこんできゅうを救い上げる。
 胸がぷるんと揺れた。
 きゅうは抵抗せず泡立てられ、きゅうを使って自分の体を洗っていく。

 俺は、耐えられなくなり風呂を出た。
 しばらくするとカノンときゅうが風呂から出てくる。
 きゅうを乾かすときゅうの力が抜けて眠りに落ちた。
 カノンは部屋を出たが、バスローブ姿で戻って来て俺を見つめる。

「魔石の注入をお願いします」

 そう言ってバスローブを床に落とした。

「水着か、全裸かと思った」
「全裸の方がいいですか?」
「いや、そのままで」
「私に入れてください」
「分かった」

 心臓のドキドキが止まらない。

「スナイプは、魔石を食べるよな?」

 俺はスナイプにも魔石を渡した。

「待ってください。重さを量りますから」

 スナイプが魔石を飲み込んでいく。

「始めましょう」
「分かった」

 俺はベッドにうつぶせに寝たカノンに魔石をオイルマッサージのように塗っていった。


 ◇


「んん!あ、!んんんん!はあ、はあ」
「魔石を、塗りこんでいるだけだから、変な声を出さないでくれ。後急に弓のように体を反らせるのもやめよう」
「はあ、はあ、すいません。気持ちよくて、あの、やめないでください」
「もう、全身が赤い、塗れる所は無いぞ」

「ええ、そんな、もうやめちゃうんですか?……気功を使って下さい。気功で回復させながら、もっと塗ってください」
「試したことが無いから」
「私に試して、また入れてください。やめ、ないで」

 俺が気功を使うとカノンの赤みが消えていく。そしてそこに魔石を塗りこむ。

「んん!さっきよりいい!っすごおおおお、こんなの、初めてですうう!」

 俺は真っ赤になりながらカノンに魔石を塗りこんだ。
 カノンは俺に魔石を注入し続けるようにお願いし続けて最後は気絶した。
 魔石を注入しているだけなのに、いけない事をしているような感覚になった。
 カノンにシーツをかけてスナイプに向き合った。

 スナイプにナデナデをしながら気功を使うと、スナイプは更に魔石を食べ始めた。
 ペットと戯れていると煩悩を忘れさせてくれる。
 たくさん気功を使って疲れないと眠れそうにない。
 スナイプが満足して眠るまで俺は気功を使い続けた。
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