無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ

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第26話

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 リコが先行するとアリの群れがリコを狙う。

「8、16、25体か」
「いけるよ!」

 リコは両腰のナイフを抜いた。
 左右に持ったナイフで危なげなくアリを倒していく。
 動きに余裕がある。

『おおお!強くなってる!』
『ナイフを投げる必要が無いか、安定してる!』
『通路に走ったのは後ろから攻撃を受けない為か』

 リコは囲まれそうになると後ろに下がって、一番前に出たアリを倒していく。
 最後のアリにナイフを突き刺すと、すべて魔石に変わった。

「余裕だな」
「えへへへへ」

『動きが綺麗、でも、もっと白熱する戦いも見たい』
『パンツが見たいだけやん』
『パンツとか言わないのが紳士のたしなみだ』

 きゅうとリコが同じ方向を向いた。

「カマキリが3体!私がやるね!」

 素早く6本のナイフを投げてカマキリ1体を倒すと他の1体に急接近して連撃を食らわせて倒した。
 残った最後のカマキリは余裕を持ってカマキリを躱して足を斬り、回り込んで倒した。

『カマキリも余裕か』
『多分、ロングナイフに変えた方がいいと思う。ナイフが軽すぎないか?』

「う~ん、軽いかも」

『武器があってない。今のリコならもっと大きい装備に変えた方がいい。カマキリ1体に6本もナイフを使ったのが痛い』
『ロングナイフの良いのに変えてたら、ナイフ6本を投げて2体倒せてたかもね』

「たしかに、でも、一気に6本は高いよ」
「リコ、最初は腰のメイン武器だけでもロングナイフに変えようか、その後徐々にロングナイフに変えたらいい。武器を変えれば稼ぎが良くなるぞ」
「そうかも、うん、そうするね」

『なお、カケルは素手な件』
『我に武器など不要』
『カケルは今回見守り役なのか』
『でも、2人の能力がなんとなく分かった。リコ→盗賊。カノン→魔法使い、スナイプ→魔法使い、カケルときゅう→意味不明』

『カケルときゅうの意味不明で拭いた』
『きゅうはマスコットだ』
『きゅうはカケルに乗ると見せかけてカケルを乗りこなしている』
『きゅうライダーだからな』
『だんだん面白くなって来た』

「私にはアドバイスをしてくれないんですか?」
「カノンは、迷うよな。俺は魔法系じゃないし、先生に聞いた方がいいだろう」
「カケルはアイテムボックスを持ってますよね?」

「あ~、あれは無理して覚えたから、本当は魔法系のスキルが向かないらしい」
「カケルが私の立場ならどうしますか?」
「戦士の戦闘訓練を受けて、その後にかさばらない武器を持つ、かな」
「分かりました」
「戦う為じゃなくて、自衛のための武器な」
「はい、参考になります」

「私がロングナイフに変えたら古いのをあげるよ」
「助かります。カケル、ナイフはどうでしょう?」
「いいと思うぞ」
「リコのおさがりを楽しみにしています」

『リコのナイフなら30万で買うで』
『カケルの意見に賛成だ。あの崖を転がらずに降りられるようにする所から始めるのがいい』
『身のこなしは大事だよね』
『撤退はハンターの基本だからな』
『危なくなったら逃げてれば死なない。生き残りさえすれば嫌でも強くなる』

『それにしても、2人が強すぎないか?』
『俺も思った。ハンター高校でトップ10くらいには入ると思う』
『リコが急に強くなったな』

「私の配信で言いましたが、カケルから魔石を強引に借りて使っています」
「私もだよ」

『札束強化か、たまに金持ちのハンターがやるよな』
『カケルはどれだけ貯めこんでるんだ?』
『カケル君にちゃんと返してね。何倍にもして返してくださいね』
『ちゃんと返してね?』
『カケルを利用し続けるのは良くないで』

「多めに返してもらう約束はしてるよ。投資みたいなイメージの方が分かりやすいと思う。」
「もっと言うと魔石を注入してカケルの気功で回復させてもらってから魔石を入れています」

『チートやん!』
『札束&回復スキルか、Wチートやね』
『でも、気功は何回も使えないはずだ。他人を回復させると効率が悪い』
『特に生命力の高いハンターを回復させるには多くの魔力を使う』

『カケルが目立っているけどよく考えたら斥候は当たりスキルでファイアカノンも強い。リコとカノンだけでも結構いいパーティーなんだよな』
『俺もパーティーに入りたいぜ』
『俺もスキルホルダーだったらなあ』

 コメントで議論が始まった。
 2人を見ると少し疲れているようだ。
 
「今日は帰ろう」
「そうだね」

 俺達は道を引き返しながら話をする。

「結局俺は何もしなかった」
「まだ仕事が残っています。私をおんぶして大穴から出してください」
「……正直に言うとみんなの嫉妬が面倒だ。リコがおんぶして出られないかな?」

「出られるかもだけど、転ぶかも、カケルがやって」
「お願いします。あの崖は登れません」
「あの坂はもうちょっと能力値を伸ばして身のこなしを良くすれば行けると思う」

『カケルがあの入り口を崖だと認めていない件』
『あれは崖だ。崖トンネルだ』
『あれはどう考えても崖だろ』

「きゅう!」
「きゅう、お腹が空いたか?」
「きゅう」

「ご飯にしよ」
「リコに作って貰ったサンドイッチを出すか」

 俺はアイテムボックスからお弁当を出して皆で座る。

『リコに作って貰ったサンドイッチだと!』
『遠足みたいだな』
『大穴の中なのにほのぼのしてる』
『まあ、一回大虫を狩った後だからね。そこそこ安全なんでしょ』
『今回は大虫が多くなかったか?』
『確かに多いな』

『ここはいつもこんな感じなのか?』
『いや、明らかに大虫が多い。ハンターが来ないせいかもしれんが』
『きゅうがリコに抱かれてサンドイッチをハムハムしとる』
『きゅうになりたいぜ』

『今回はきゅうも何もしてない件』
『きゅうはマスコットだからいいんだよ』
『頬袋がモコっとしとる』
『口に入れるの早いよなwwwwww』
『食べる時は本気出す!』
『可愛い』
『きゅうの備蓄力よ』

「あ!」
「どうした?」
「カノンに配信をバトンタッチしてないよ」
「次はきゅうチャンネルの次にファイアカノンチャンネルでやろう。今回やってみて前編、後編の2つに分けるのが丁度いい気がする」
「そうしましょう」

 俺達は話をしつつ食事を楽しんだ。
 楽しいな。
 みんなと食べる食事が美味しい。
 心が温かくなるような感覚が心地いい。

『俺コンビニでサンドイッチ買って来るわ!』
『俺も買って来る』
『ふ、俺はパン屋さんで買うぜ。今日は贅沢をする』
 
 食事を終わらせてカノンをおんぶして大穴の外に出た。

 外に出ると目つきの悪い男が俺を睨んだ。
 全身真っ黒な装備をまとい、刀身まで黒い2本のダガーを手でくるくると回した後、両腰の鞘に納めた。

 カノンがガタガタと震える。

「カノン、大丈夫か?」

 その瞬間に男が叫んだ。

「おい!てめえ!カノンから離れろ!カノンに触るな!」

『あいつ竜崎キリヤだぞ』
『ドラゴンキラー、竜崎キリヤだ!』

「タコが!聞いてんのか!カノンを放せよおおおお!!」
「あのー、どちら様ですか」
「ああああああん!喧嘩売ってんのか!!」

 キリヤが更に怒り出した。
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