無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ

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第25話

「ネコリコチャンネルへようこそ!リコだよ」
「カノンです」
「カケルです」
「パーティー・音速の壁、初の大穴に行くよ!」

 リコが大穴を映す。

『崖じゃないか』
『これを下るのか?』
『そうか、分かったぞ。カケルがチョイスした大穴だし納得』
『これ、進めるのか?』
『進めるんだろ。カケルはな?』
『斥候の身のこなしがあれば、たぶん行ける』
『カノンはどうするんだろ?』
『能力値は上げてるから、大丈夫じゃね?』

「ほらあ!やっぱり崖だよ」
「いやでも、傾斜があるし坂だって」
「配信のコメントを見ましょう」
 
 カノンがスマホを取り出して俺に見せた。

「……マジでか」

『カケルがショックを受けてるwwwwww』
『どう見ても崖ですよ』
『出鼻をくじかれてて草』
『速く中に入れって』

「……じゃあ、斥候スキルを持ってる私が先に行くね」

 リコが颯爽と壁を蹴り、落下速度をうまく落としながら進んでいく。
 
「きゅう、行くぞ」
「きゅう!」

 俺も問題無く進む。
 スナイプとカノンも後からついてくるがカノンが危なっかしい。

「わ、わ、ちょっと、まって、くだ、さ!」

 何とか下ってついてくるが途中でバランスを崩した。

「ああああああああああ!」

 ゴロゴロゴロゴロ!

 壁にぶつかる前にカノンをキャッチした。

「だ、大丈夫?」
「大丈夫ですが、少し、酔いました。私には難しいみたいです」
「カノン、魔法タイプでも戦士の戦闘訓練を受けた方が良いな」
「えええ!そういう問題なの!?」

『そういう問題じゃねえよ!』
『そういう事じゃないんだよなあ』
『カケルだし、ツッコんだら負け』
『崖はクリアした。後は緩やかな下り道だ』

『帰りどうすんだろ?』
『さあwwwwww』
『違う入り口から出るとか?』

「少し休憩してから……気を取り直して進もう」

『ちょ!今無かった事にしたぞwwwwww』
『カケルはパーティーを組んで正解だわ。常識を知るべきだ』
『きゅうが健在な所がウケる』
『むしろきゅうの機嫌がいい』

「きゅうううううううう!!!」

 きゅうがダンスをするように左右に体を振った。
 振りが異様に速い。
 機嫌がいい証拠だ。 

『きゅうが元気すぎて怖いwwwwww』
『めっちゃテンション上がってるやん』
『はいはい、今お散歩に行きますよ』

「きゅうもどんどん進みたいか」
「すいません。5分だけ休みます」

「どのくらい下ればいいのかな?」
「5キロくらいかな?」
「……」
「……」

『そりゃ不人気になるよな』
『カケルにとっては近いですから』
『カケルくらいしか行かねえよなwwwwww』
『街から走って山奥へ→休憩して始めようと思ったら崖→5キロ走ろう』
『試練、試練、試練なんだよなあ』
『ハンターなら5キロ走るだけなら余裕だけど大虫が出るストレスの中傾斜がある5キロを進むは疲れるで』

 休憩を挟んで、リコが前衛、その後を俺ときゅう、そして最後にカノンとスナイプが歩く。



「そろそろ、走りましょう」
「よし、行こう!」
「きゅううううう!」

 走って一本道を移動するとリコが手で合図を出した。

「この先は大部屋でアリが100体以上いるよ」

『軍団じゃないか』
『引き返した方がいい。やばいって』
『カケル以外は危ないで』
『さっきからトラブルしか起きていない件』
『さすがカケル、トラブルだと思ってないんだろうな』



「行きましょう。でも、最初の攻撃は私とスナイプに任せて欲しいです」
「もしかして、あれを使っちゃう?」
「ええ、3発使い切ります。カケルに私の魔法スキルを見せておきたいので」
「よく分からないけど、やってみよう」

 アリが100体なら俺だけでも倒せる。
 後ろからの挟み撃ちは無い。
 問題無いだろう。

「行きます!」

 カノンが大部屋に出た。

「さあ!私が倒してあげますよ!」

 アリが一斉にカノンを見た。
 
「「ギイイイイイイイイイイイイイイイ!」」

 アリが一斉に襲い掛かって来る。

『うわあああああ!怖い怖い!』
『ホラーやで』
『普通のハンターなら引き返す選択肢もあるな』
『強いなら行けるでしょ?』
『強いならね。並みのハンターなら危ないよ』

『カノン!危ない!』
『その位置取りはまずいって!』
『カケル!カノンちゃんを守ってくれ!』

「ファイアカノン!」

 ドッコーン!

 炎の大砲のような範囲攻撃が着弾して爆発した。

 アリの集団が吹き飛んで魔石に変わった。

「ファイアカノン!ファイアカノン!」

 ドッコーン!ドッコーン!

『おおおおお!すげえええ!』
『3発だけでほとんど倒したで!』
『何でもっと撃たない?もう一発で終わるのに』
『カノンちゃん!もっと撃ってくれ!』
『スナイプが前に出たぞ!』

 スナイプがステップを踏んで風で出来たサッカーボールほどの弾を放った。

 アリを貫き、後ろにいたアリも貫いた。

 スナイプは位置取りをしつつ、数体を同時に倒すように風の弾を合計3発放つとアリが全滅した。

 カノンは高威力の範囲攻撃。
 スナイプは高威力の貫通攻撃か。
 広範囲なんだけど、どっちも魔法系か。
 太田先生がリコと組ませた理由が分かった。

『凄い!全滅させた!カノンとスナイプは強かったのか!』
『いいねいいね!魔女娘と使い魔の風魔法、かなり強力だ』
『魔石を拾う光景がシュールだな』

「ふう、私の役目は終わりました」
「……ん?」
「ファイアカノンは3発が限界です」

『あー、そういうことか。確かに、あれほどの高威力なら3発が限界はしょうがない』
『まだ動けるところを見るとまだ魔力は残っているね』
『大魔法しか使えないのか』
『スキルの効果を隠さないんだね』
『だからファイアカノンチャンネルなのか』

「言いたくなかったら答えなくていいんだけど、他にスキルとかはあるかな?」
「無いですよ。3発撃ったら終わりです」
「だからスナイプがいるのか」
「スナイプもそんなにたくさん撃てません」

「そ、そっか、3発だけ、魔法タイプは色々大変なんだな」
「え?カノンがパーティーにいれば安心だよね?100体も倒せれば大収穫だよ」
「え?あ、そうなのか」

 そう言えば、昔は俺も数体倒しただけで喜んでいた。
 だんだんとたくさん倒せるようになって……俺の感覚がずれている。
 気をつけよう。

『カノンのスキルはかなり良いで』
『ファイアカノンは俺も欲しいわ』
『カノンがパーティーにいればかなり心強いぞ?』
『ハンター高校を卒業したら勧誘があるだろうな』
『カケルが100体程度か、みたいな顔をしている、あいついつも何体狩ってるんだ?』

「カケル、もっと先に進みますか?」
「進もう」
「奥からアリが来るよ!」
「ファイアカノンの爆発音のせいだと思います」
「次は私が戦うね!」

 リコが奥の通路に走った。
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