銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~

雪野湯

文字の大きさ
316 / 359
第二十七章 情熱は世界を鳴動させ、献身は安定へ導く

ヴァンナスの二つの頂

しおりを挟む
――研究室


 私たちが研究室に入ると、すぐにクローンを生成するガラスの筒が目に入った。
 それはだだっ広い部屋に数十存在するが……どれもが空っぽ……。


「フィナっ?」
「待って、すぐに調べる!」

 フィナは黒薔薇のナルフを浮かべて、研究室全体とガラスの筒を走査スキャンする。
 結果は――


「そ、そんな、すでに全部が最終プロセスを終えたあと……」
「つまり、百を超える勇者が誕生したということか?」
「そうなる……」
「そうか……予定変更だな」


 元のプランは勇者が稼働していないことを前提とした行動。
 この研究室に訪れ、彼らの洗脳を解き、安全に眠りから目覚めさせるつもりであった。
 安全を期するならば、眠っているまま彼らを葬り去るべきだろうが……私の甘さがそれを良しとしなかった。
 上記はそのためのプランだ。
 その後、研究室の重要区画を破壊して立ち去る予定だった。


 私はフィナへ新たな指示を与えようとするが……。
「フィナ、私たちは動力室へ向かい破壊する。君はナルフを使い、この施設のデータを全て消去してくれ。では、施設の地図を」
「それはできないっ」
「なに?」

「潜入がバレてるっ。私が乗っ取ったはずセキュリティシステムが外部からアクセスされて権限を奪われた! 保安部員がこっちへ向かってる。ケント、ここは釣り餌よ!!」
「なっ!?」
「何とか、この部屋の出入り口の権限だけは私の下において封鎖した。しばらくは凌げるけど、フフフ」


 フィナは黒薔薇の周りを舞う花弁を見つめながら、口角を不敵に上げる。
「やる~、さすがはの中心をうたうヴァンナス。遺跡の知識を手にしたばかりの私よりも装置の扱いが上手い」
「笑っている場合ではないと思うが?」
「ごめん。楽勝だと思ってたけど、やりがいが出てきてちょっと興奮してる」

「まぁ、余裕があることは良いことだ。その様子だと脱出は可能なのだろう?」
「うん、施設全体に結界が張られて転送が阻害されてるけど、こっちの共鳴転送ならそれを無効にできる。でも、王都オバディアの外までは無理」

「なぜだ?」
「施設もそうだけど、オバディア全体を包み込む結界を張られた。その結界はこの施設よりも強固。この二つの結界を生身の肉体で乗り越えるのはちょっと危険がある」
「そうか、仕方がない。施設を破壊したかったが、その時間もなさそうだ。一旦、去るとしよう」


 私たちはフィナを中心に置いて、円陣を組む。
 フィナが薔薇のナルフを操作する中、親父とマフィンとギウが残念そうな声を上げた。

「せっかくここまで来たのに何もせずトンボ返りとは骨折り損ですな」
「そうニャねぇ。どうせなら、この施設もゆっくり拝見したかったニャがね」
「ギウ、ギウ」

 さらにマスティフとカインとエクアの声が続く。
「マフィン、観光に来たのではないのだぞ」
「ふふ、不謹慎かもしれませんが私としてもこの施設には興味があります」
「でも、次来るときは観光の暇もないですね。警戒の度合いも上がっているでしょうし」

 
 エクアの言うとおり、次に訪れるときはこうまで簡単には行くまい。
 だが今は、脱出が先だ。
「今回は相手の警備の素晴らしさに敬意を示し、侵入者が我々だという痕跡を残さず去るとしよう。できるな、フィナ?」
「もちろん、ついでに一部データを破損させてやった」
「ふふ、上出来だ。では、行こう」

 
 黒薔薇のナルフから無数の花弁が飛び出し、私たちを包むように舞う。
 花弁が光に包まれ、せわしなく動き始める。
 瞳に無数の光跡が宿り、一瞬、光が瞬くと、私たちは研究施設の外にいた。



――施設・外

 空っぽのガラスの筒が建ち並ぶ研究室から、施設のそばに在る広場に移動した。
 周囲は背の高い木と鬱蒼とした草むら。
 王都内でありながら、森のような自然がある場所。
 木々や草たちは施設に緑の幕を下ろし、外からの目を閉ざしているような感じであった。


「フィナ、ここからどうする?」
「現在、保安部員は私たちが閉じ籠っていると勘違いして研究室の前に。今なら警備が薄い。とりあえず、ここから離れましょ」

 彼女は黒薔薇のナルフを浮かべたまま、人気ひとけのない茂みへ向かおうとした。
 だが、その茂みから人影が現れる。


「お~っと、そいつは問屋が卸さねぇぜ、べらんめぇ!」
「陛下、妙な口ぶりはおやめください」


 茂みの中から現れた二人の人影――。
 一人は、ヴァンナス国王ネオ=ベノー=マルレミ。
 陛下は一本角のついた鉢巻をつけ、腹巻姿でそこにドスを挟むという意味不明な格好をしている。
 彼はこちらへ金色の髪を振るい、柔和な紫の瞳を見せつつ、百三十を超えるとは到底思えない若々しい青年の柔らかな笑みを浮かべていた。


 もう一人は、ヴァンナスの支柱ジクマ=ワー=ファリン。
 六十の老体とは思えぬ巨体に、白の外套を纏う。 
 彼の持つ白髪と深く刻まれた皺は、これまで歩み培った叡智を証明し、氷のように青い瞳が一層の落ち着きを伝えている。

 
 私は二人の名を呼ぶ。すると、エクアが驚きに声を返す。
「陛下に、ジクマ閣下。どうして……?」
「え? 陛下って、まさか、ネオ国王様!? それにもう一方は、ケント様をトーワへ左遷した大貴族様ですかっ!?」

 エクアの近くに立つフィナは黒薔薇のナルフを見つめ、焦りの声を漏らす。
「ど、どうして? 周囲に生命反応は見当たらない。今だって存在しない。でも、二人が幻ってわけでもない。なんでナルフのセンサーに映らないの!?」


 彼女の声にジクマ閣下が答えた。
「フフ、君が手にした古代人の知識は我々よりも深い。だが、寄り添った時間は我々の方が長い。経験の分だけ、こちらに分があったということだ」
「クッ、覗き見られていることを前提に防ごうとせず、予め偽造データを用意してたのね。やってくれるじゃないっ」

 フィナが見ていたデータは全てフェイク。
 すでに勇者は眠りから覚めていた。
 そう、百の勇者が眠っていたことも、保安部員が研究室に押し寄せてきたことも、施設の周囲に生命反応がないことも全てフェイク……。


 悔しがるフィナヘ、ネオ陛下が話しかけてくる。
「ほ~、君だったんだ。フィナ、久しぶりだね。君とは二・三度話した程度だけど覚えてるよ。十三歳の少女にしては、いい体のラインをしていて将来有望だった」
「この、セクハラ王めっ」

「そうそう、それだよ。当時も私に向かって口汚く罵り、拳を振り上げたっけ。まぁ、祖母のファロムから諫められていたけど」
「チッ、あん時とどめを差しとけばよかった」
「ふふん、残念。しかし、もっと残念なのはせっかく美味しく育った果実を摘まなければならないことだねぇ」


 そう言って、陛下はフィナの大きな胸に紫の瞳をぶつけた。
 それにはたまらず彼女も胸を隠すが、陛下の隣に立つジクマ閣下がこれ以上の暴挙を諫めた。
「陛下、話が進まないのでお黙りください。次、余計なことを口にしたら、縫いますよ」
「ひ、ひどい、こちとら王様なのに……」


 二人の軽いやり取りにエクアと親父は呆れに身を包み、それにカインが言葉を返している。
「あの方々がヴァンナスの頂点に立つ方々なんですか?」
「噂には聞いちゃいたが、噂以上にちゃらんぽらんしてそうな陛下だな」
「あはは、オバディアに住む人々の間では有名なんですがね。歴代の王の中でも、もっともいい加減……ですが」

 ここで彼は一拍子を溜めて、陛下の評を口にする
「王となられて百年。ヴァンナスの栄華を頂きに持ち上げた御方。政治・経済・軍事ともに隙がなく、その視線は世界の全てを見つめるという。そして、召喚士としても、武人としても歴代最強の王です」


 カインの評価にネオ陛下は気を良くしたのか、彼を指差しながら有頂天に声を出す。
「よく言った! 名前は!?」
「え、えっと、トーワで医術を施していますカイン=キシロでありますが……」
「君は医者なんだ。君のような人物に近くにいてもらいたい。私の周りにいる連中はろくでもない奴ばっかりでね。君のように私のことを深く理解してくれてる人が欲しいっ。私の下に来い! 病院の一つや二つくれてやるから!」
「ええっと……」

 相手は王。
 どうしようもないお調子者だが、カインから見れば遥か上の存在。
 そのため、返す言葉に窮する。
 この状況を見かねたジクマ閣下が声を上げて、誰かに命令する。


「はぁ。陛下、余計なおしゃべりをすれば縫うと言ったでしょう。シエラ」
「はいは~い、陛下のお口を閉じま~す」

 突然、女の子の声が響き、陛下の後ろにある茂みから姿を現す。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~

如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う 稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが… だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた… そんな時に生まれたシャルロッテ 全属性の加護を持つ少女 いったいこれからどうなるのか…

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

処理中です...