転生少女と黒猫メイスのぶらり異世界旅

うみの渚

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第二章

第69話 サーレーンの冒険者ギルド

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 この国最後の街サーレーンに到着した私達は、その足で従魔登録をするために冒険者ギルドへ向かう。
 冒険者らしき格好の人達の後を追って行くと、難無く冒険者ギルドへたどり着いた。
 私は真っ直ぐ受付カウンターへ行き女性に声をかける。

「こんにちは。従魔登録をお願いします」

「こんにちは。従魔登録ですね。では、手続きをしますので、冒険者カードをお預かりします」

 女性は笑みを浮かべてカードを受け取ると、手慣れた様子で手続きを進めていく。
 抱きかかえられたブロンは、物珍しいものでも見るように目を輝かせて、手続きを進めていく女性を見ていた。

「お待たせしました。従魔登録が完了しました。カードをお返しします」

「ありがとうございます」

 ものの数分で手続きが終わってしまった。
 感心した様子でカードを受け取ろうとした時、脳内にメイスが語りかけてきた。

『ユーリ、魔物の買い取りを頼まなくて良いのか?』

 忘れてた!
 私は笑みを浮かべたままの女性に声をかけた。

「すみません!忘れていました。魔物の買い取りもお願いして構いませんか?」

 慌てる私に、女性は柔らかく目を細めて答えた。

「魔物の買い取りですね。構いませんよ。こちらにお出ししますか?それとも裏の解体場になさいますか?」

 微笑まし気な視線を向けられて、照れくさくて声が小さくなる。

「……解体場でお願いします」

「解体場ですね?では、ご案内します。少しお待ちください」

 女性はそう返事をして受付カウンターから出て来ると、解体場へ案内してくれた。









 解体場の扉を開けて、女性が大声で男性に声をかける。

「ウォルターさん!魔物の買い取りのお客様よ!」

 椅子に腰かけていた男性が、女性の呼びかけに立ち上がって応える。

「おぉ。今行く」

 解体の仕事は力仕事が多いのか、ウォルターと呼ばれた男性もかなり屈強な肉体をしている。
 ウォルターは、のっそりと歩いて来ると私を一瞥して口を開いた。

「ひと段落ついた所だ。すぐに査定をしてやるから魔物を出してくれ。それから、あんたは受付に戻ってくれ。案内ご苦労さん」

 ウォルターは案内してくれた女性を受付に戻るよう促すと、私に視線を向けてついて来いとでも言うように顎をしゃくった。
 女性は私に軽く会釈した後、解体場を出て行った。

「坊主、そこに出してもらえるか?」

「あ、はい」

 ウォルターさんに言われて、斜め掛けのバッグから魔物取り出してテーブルに置いていく。
 テーブルに置ききれなかった魔物は床に置くしかなかったが、ウォルターさんに許可を得て置いていった。
 その様子を驚愕の眼差しで見つめていたウォルターさんが、ポツリと呟いた。

「……これはまた凄い数だな」

 そう言って言葉を失くすウォルターさん。
 今回、私は魔物を狩っていない。
 狩ったのはブロンだ。
 まあ、私が狩った魔物もあるが、ブロンと比べたら微々たるものだ。

「あの、これらの魔物はこの子が狩りました」

 腕に抱えたブロンの頭を撫でながらウォルターさんに説明すると、ウォルターさんは目を丸くさせて呟いた。

「このちっこいのが狩ったって?……見た目は狼に似ている気がするが、そんな真っ白い魔物は見たことがない。見た目と違って強いんだな」

 目を丸くさせていたウォルターさんだったが、素直な感想を漏らした後、笑みを浮かべて話しを続けた。

「坊主。すぐに解体に取り掛かるが、さすがにこうも数が多いと今日中には無理だ。明日の午前中までに解体を終わらせておくから、明日ここに来てくれ」

 このやり取りは何度目だろう。
 大体予想がついていたので、私は笑顔で頷いた。

「はい、わかりました。解体、お願いします」

「おぉ、じゃあ、明日な」

 ウォルターさんは短く返事をすると、テーブルと床に置かれた魔物に視線を向けた。
 大量の魔物を前にして腕を組んだウォルターさんは、何かぶつぶつと呟いている。
 何を呟いているのか聞こえなかったが、その眼差しは真剣だ。



 お仕事モードに入ったウォルターさんの邪魔をしないように踵を返すと、静かに解体場を後にした。
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