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第二章
第94話 ケモ耳キタ――!!
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驚きのあまり口を鯉のようにぱくぱくとさせているヒデさんに、私は自身について語った。
「実はね、お母様の生家がカミール家なの。小さい頃からご先祖様の話しを聞かされていたのだけど、しょうたさんがご先祖様だとは知らなくて、あのおじいさんとの会話で気がついたの。それと言い忘れていたけど、私の髪と瞳、今はこんな色だけど本当は黒いのよ」
私は茶目っ気たっぷりに笑みを浮かべて自分の髪を触った。
「……え?全然気がつかなかった」
そう漏らしたヒデさんに対してメイスがドヤ顔で言い放つ。
『そうだろう。俺の認識阻害の魔法を看破できるヤツはそう居ないからな』
「……認識阻害……。異世界凄い」
メイスの言葉を繰り返したヒデさんは、興味津々といった様子で質問を投げかけてきた。
「でも、髪と瞳の色を変えるってことは認識阻害の魔法だけじゃないよね?他の魔法を組み合わせていたりして」
『ほぉ、よく分かったな。認識阻害といってもその方法は様々だ。ただ、常時発動しながら複数の魔法を重ね掛け出来る者は非常に少ない』
「へぇ、そうなんだ。やっぱり魔力量が関係しているのかな?」
ヒデさんは私の身の上話しよりも魔法の方に興味があるらしく、熱心にメイスの話しに耳を傾けている。
私としては若干寂しい気もするが、メイスと話すヒデさんの表情が明るくなっていたことにホッと胸を撫で下ろした。
しばらく二人のやり取りを見守りながらブロンを撫でていると、ようやく私に気がついたヒデさんが申し訳なさそうな表情をして声をかけてきた。
「つい、話しに夢中になっちゃった。……ごめん」
「いいよ。それより、話しの続きどうする?」
私の問いかけにヒデさんは「あっ」と声を上げた後、眉尻を下げて答えた。
「魔法の話しに夢中になって忘れてた。確か、ユーリさんのお母さんの実家ってしょうちゃんが住んでいた家なんだよね?……実感が湧かないけど、一度見てみたいな」
複雑な表情を浮かべていたが、しょうたさんが暮らした家に興味を持ってくれたようで私としては嬉しい。
「そう言ってくれると思った。私もメイスもカミール領に行こうと話していたの。一旦冒険者ギルドに寄るけどいいかな?」
亜空間にはブロンが狩った魔物が大量に収納されており、一度換金して整理しておきたかった。
サーレーンに滞在していた時に少しずつ出していたのだが、それ以上にブロンが狩ってくる魔物の量が多くて、全部を捌けなかったのだ。
王都であれば、大量の魔物を買い取りに出しても問題ないだろうと考えてのことだった。
ヒデさんは大きく首を縦に振ると、辺りを見渡して感心した様子で呟いた。
「もちろんだよ。それにしても、サーレーンとは比べ物にならないくらい大きいね。さすが王都と呼ぶだけのことはある」
私も、王都はエストロッジ国とここアルファイド王国しか知らないのだけど、やはり王都ともなれば人口が多いのか、堅固な城壁の内側は予想に反して広々としていたことに驚いたなと記憶を辿る。
「……王都は人が集まるし、どこもこんな感じなのかもしれないね」
ヒデさんにつられて周囲に視線を向けると、ふとある人物に違和感を覚えて視線が止まる。
十代後半から二十代前半の若い女性が大通りを歩いている。
ただそれだけなのだが、その黄色い髪の間からはきつねのような大きくてふわふわの耳が生えているのが見えた。
ケモ耳キタ――――!!
私は興奮が抑えきれずに、ヒデさんの腕を引っ張って女性を指差した。
「ヒデさん、ケモ耳、ケモ耳だよ!わぁ……。生獣人、初めて見たぁ」
「わっ、本当だ!あっ、向こうにも居る。……結構獣人が居るんだね。気がつかなかったよ」
ヒデさんが発した言葉を受けて、私は改めて辺りを注意深く見渡した。
言われて見れば、獣人だけでなく耳が長くて先が尖っている美形な人や、子供だと思っていたら髭を生やしたおじさんのような人が人間に混じって大通りを歩いている。
エストロッジ国では見かけなかった人達が目の前を歩いていることに驚いて、私は茫然と立ち尽くしていた。
「ユ、ユーリさん!獣人以外にもエルフやドワーフも歩いてる!はぁ~……。やっぱりエルフは綺麗だなぁ……」
茫然と立ち尽くす私を他所に、ヒデさんは鼻の下を伸ばしてエルフの後ろ姿を見送った。
「実はね、お母様の生家がカミール家なの。小さい頃からご先祖様の話しを聞かされていたのだけど、しょうたさんがご先祖様だとは知らなくて、あのおじいさんとの会話で気がついたの。それと言い忘れていたけど、私の髪と瞳、今はこんな色だけど本当は黒いのよ」
私は茶目っ気たっぷりに笑みを浮かべて自分の髪を触った。
「……え?全然気がつかなかった」
そう漏らしたヒデさんに対してメイスがドヤ顔で言い放つ。
『そうだろう。俺の認識阻害の魔法を看破できるヤツはそう居ないからな』
「……認識阻害……。異世界凄い」
メイスの言葉を繰り返したヒデさんは、興味津々といった様子で質問を投げかけてきた。
「でも、髪と瞳の色を変えるってことは認識阻害の魔法だけじゃないよね?他の魔法を組み合わせていたりして」
『ほぉ、よく分かったな。認識阻害といってもその方法は様々だ。ただ、常時発動しながら複数の魔法を重ね掛け出来る者は非常に少ない』
「へぇ、そうなんだ。やっぱり魔力量が関係しているのかな?」
ヒデさんは私の身の上話しよりも魔法の方に興味があるらしく、熱心にメイスの話しに耳を傾けている。
私としては若干寂しい気もするが、メイスと話すヒデさんの表情が明るくなっていたことにホッと胸を撫で下ろした。
しばらく二人のやり取りを見守りながらブロンを撫でていると、ようやく私に気がついたヒデさんが申し訳なさそうな表情をして声をかけてきた。
「つい、話しに夢中になっちゃった。……ごめん」
「いいよ。それより、話しの続きどうする?」
私の問いかけにヒデさんは「あっ」と声を上げた後、眉尻を下げて答えた。
「魔法の話しに夢中になって忘れてた。確か、ユーリさんのお母さんの実家ってしょうちゃんが住んでいた家なんだよね?……実感が湧かないけど、一度見てみたいな」
複雑な表情を浮かべていたが、しょうたさんが暮らした家に興味を持ってくれたようで私としては嬉しい。
「そう言ってくれると思った。私もメイスもカミール領に行こうと話していたの。一旦冒険者ギルドに寄るけどいいかな?」
亜空間にはブロンが狩った魔物が大量に収納されており、一度換金して整理しておきたかった。
サーレーンに滞在していた時に少しずつ出していたのだが、それ以上にブロンが狩ってくる魔物の量が多くて、全部を捌けなかったのだ。
王都であれば、大量の魔物を買い取りに出しても問題ないだろうと考えてのことだった。
ヒデさんは大きく首を縦に振ると、辺りを見渡して感心した様子で呟いた。
「もちろんだよ。それにしても、サーレーンとは比べ物にならないくらい大きいね。さすが王都と呼ぶだけのことはある」
私も、王都はエストロッジ国とここアルファイド王国しか知らないのだけど、やはり王都ともなれば人口が多いのか、堅固な城壁の内側は予想に反して広々としていたことに驚いたなと記憶を辿る。
「……王都は人が集まるし、どこもこんな感じなのかもしれないね」
ヒデさんにつられて周囲に視線を向けると、ふとある人物に違和感を覚えて視線が止まる。
十代後半から二十代前半の若い女性が大通りを歩いている。
ただそれだけなのだが、その黄色い髪の間からはきつねのような大きくてふわふわの耳が生えているのが見えた。
ケモ耳キタ――――!!
私は興奮が抑えきれずに、ヒデさんの腕を引っ張って女性を指差した。
「ヒデさん、ケモ耳、ケモ耳だよ!わぁ……。生獣人、初めて見たぁ」
「わっ、本当だ!あっ、向こうにも居る。……結構獣人が居るんだね。気がつかなかったよ」
ヒデさんが発した言葉を受けて、私は改めて辺りを注意深く見渡した。
言われて見れば、獣人だけでなく耳が長くて先が尖っている美形な人や、子供だと思っていたら髭を生やしたおじさんのような人が人間に混じって大通りを歩いている。
エストロッジ国では見かけなかった人達が目の前を歩いていることに驚いて、私は茫然と立ち尽くしていた。
「ユ、ユーリさん!獣人以外にもエルフやドワーフも歩いてる!はぁ~……。やっぱりエルフは綺麗だなぁ……」
茫然と立ち尽くす私を他所に、ヒデさんは鼻の下を伸ばしてエルフの後ろ姿を見送った。
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