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第28話 三人での新生活
しおりを挟む結果からいうと昨日は、美麗と一緒に寝ることになった。
あのあと、リビングにいったときに沙耶のメモ書きを発見したからだ。メモの内容は、今日は実家でゆっくりしてくる!だった。沙耶は預言者かなんか超越《ちょうえつ》してる人なんだと思う。
そんな今日は休みだし夜も遅かったので昼頃にのそのそと起き上がり、美麗の作ってくれたご飯を一緒に食べる。
チャーハンか。朝にしては重いと思ったけどもう昼だもんな。
美麗とは家庭科の班も一緒だったから、わかってはいたけど美味いなやっぱり。
「おいしい!さすが美麗だね!」
「あっ…。れ、冷凍のですの…」
------------先に言ってね?
それにしても、美麗も冷凍の物とか知ってるんだ。え、沙耶から連絡があった?ああ、なるほどね。
そうして二人で食後にリビングでゆっくりしていると沙耶がかえってきた。
「ただいまー!美麗ちゃんおめでとぉ!」
「おかえりですの!!」
美しきかな。抱き合って喜んでる二人を見てそう思う。
お礼を言いながら、沙耶の胸に頭ぐりぐりしてる美麗。羨ましい。ちょっとそこ代われる?
「達也もよく頑張ったね!おめでとう!」
「お、おう。ありがと」
急にくるからちょっとスカしちゃったじゃん。思春期かな?
沙耶がニコニコ顔で近付いてきて、そのまま頭を撫でられる。照れくさいな。でもまあ普段から気を遣ってくれてるし好きにさせよう。俺も悪い気はしないしな!
「もう14時かぁ。買い物は今度にしておく?」
「ん~…そうだね、今日はゆっくりしようか。」
沙耶の問いかけに俺を見てきた美麗の代わりに答える。生々しい話になっちゃうが、美麗は今日ちょっと歩きづらそうだし…。
俺はそのまま続けて今後の予定を決めておくかと口を開く。
「美麗の荷物が来てからでも良さそうじゃないか?」
「荷物は家の者が明日中にやってくれますの。」
「そうなのか。それじゃあテストの返却って午前中で終わるんだよね?明日でも明後日でも大丈夫だけど、その午後にでも行こうか。」
「是非、明日買い物に行きたいですの!」
「わかった!買い物は明日ね!それじゃ今日は二人はゆっくりしててよ!」
沙耶さん出来た嫁すぎる。
「あ、達也。そろそろ引っ越しとか考えてたりする?今年中には引っ越さないと部屋足りなくない?」
暗に朱莉のこと言ってますかね?しまらない男で有名な俺が今年中に決めきれるとでも?せめて新学期、二年生になる前には決める感じでどうでしょう!
まあ、朱莉はまだとしても美麗がきたことで部屋は埋まったもんな。
そろそろ物件探しもしなきゃいけないか。一応国の補助金もあるけど、ちょっとお金がなあ。
「部屋足りなくなるのは早くても年明けじゃないかなあ。まあ、少し考えておくよ。」
「家建てますの?」
「軽いよノリが!首コテンッてすな可愛いな!」
「いいんじゃない?美麗ちゃんに頼むの有りだと思うけどなぁ」
「えぇ…まじか」「頼っていいですの!」
「-----達也はなにが嫌なの??」
心底不思議そうに沙耶が聞いてくる。
あーでもそうか。男の俺が養わなきゃ!って思ってたけど不正解なんだったわここじゃ。抜けきらないなこの感覚。
「いや、よく考えたら嫌ではない…か。うん。美麗、お願いできる?」
「まかせてですのっ!!」
そう言って早速どこかに電話をかけはじめた美麗。すごくうれしそうだ。頼られると嬉しいのは男も女も関係ないもんな。
「抑えましたの!」
はやいなあ。まだ電話かけて数分というか秒じゃなかったか?
物件巡りしてああでもない、こうでもない。とか、ちょっとやりたかったぞ?でも、美麗の褒めてほしそうな顔に俺は何も言えん。
「はやいな!さすが美麗!それで物件はここの近く?マンションと一軒家どっちになった?」
「両方ありますの。でも、一番は新築をオススメされましたの。どれにしますの?」
「よっしゃ!新築はひとまず置いといて、まずは物件見に行こう!!!」「マンション!!」
「・・・。沙耶さんその心は?」
「セキュリティ!」
「---------確かに…。」
だいたいの男はマンション暮らしなんだよねえ。一軒家に住んでる男は、女性が大人数で囲ってる感じ。セキュリティ的な意味でね。
一応この世界にもよくある男性保護なんたらみたいなボディガード的な存在はいる。
でも、結局そのボディガードが警護対象の男を上手いこと食べちゃうから、男からの人気はあんまりないんだよね。女性には人気の職業ではあるんだけど。
まあ、人気なだけあってほんとのエリートで強いし容姿も整ってる人しかいないから、俺自身ほんのちょっとだけ興味はある。
でも、雇ったら最後。全体の確率で8割以上はゴール決めるエリートだからな。食われない自信はない。うん。いまはやめておきますか。
「美麗、とりあえず今度マンション下見いこうか。いつ引っ越すかもわかんないし、抑えるまではしなくていいかも。-------新築は追々で。」
「わかりましたの!」
美麗が加わった3人暮らし、これから賑やかな日常になりそうだ。沙耶も嬉しそうでよかった。
その夜、早速2対1になった。抵抗ないの?すごい仲良いじゃん…。
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