男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波

文字の大きさ
48 / 50

第46話 婚約挨拶 Verハロウィン

しおりを挟む


朱莉も引っ越してきて落ち着いた?賑やかな日々を過ごすことしばらく経ち…。そんな今日の日付は10月31日の日曜日。
さて、今日は何の日でしょうか!?

そう!ハロウィン!

ということで、我が家でもせっかくだから仮装パーティーをすることになった。


「帰って来たら飾り付けとか手伝うから、ゆっくりしててね~」

「いってきます!」


まあ、その前に大事な用事があるので俺と朱莉は外出のため、家に残る沙耶と美麗に声を掛ける。

大事な用というのは、ずばり婚約の挨拶だ!
朝倉家が今日の午前中なら大丈夫とのことで、朱莉と共にご自宅にお邪魔することになっている。

朱莉と共に声掛けだけして家を出ようと思ったら、二人は玄関先まで送り出しに来てくれた。
どうも、愛され系男子代表の達也です。


玄関先で二人に行ってきますのチューをしていると一度外に出てた朱莉が戻ってきて乱入してきたためよくわかんない状態になった。

それだけでもちょっと変な感じだったのに玄関前には俺達を朝倉家に送ってくれる運転手の姿が…。

つまりサキが居てバッチリ見られた挙句に、俺とバッチリ目が合った後に目を瞑ってる。
いや、気まずいってぇ…。

俺が動けずにいると、見かねた沙耶を筆頭に女子4人が集まってしばらくコソコソと話し込んで解決?したのか、サキが口を開く。


「お迎えにあがりました。」

「お、おう。ありがとう。」


その後は、このことには触れずに普通の対応をしてくれた。
どんなコソコソ会議だったんだろうか。
少しだけ内容が気になるけど、聞くことはやめておこう。藪蛇ってやつだ。


そうして朱莉と他愛のない話をしていると車が止まった。
どうやら話しているうちに朝倉家に到着したようだ。

サキのエスコートで車を降りると、一般的な一軒家の前に出る。
表札には朝倉と書かれており、ここがそうかと車内で朱莉と話して紛れていた緊張がかえってくる。


「ふぅ…よしっ!いくか!」

「達也!---ひーひーふー。だよ?」

「朱莉との初対面を思い出したよ。大丈夫、ありがとう。」

「よかった、それじゃ開けるね!」

「まてまて、チャイム鳴らす!」


カギを取り出し、普通に入ろうとする朱莉を止めてチャイムを鳴らすとすぐに元気な声で「開いてます~どうぞ~」との返事があった。

最初が大事。最初が大事。よし!玄関に手をかけ勢いを付け過ぎないよう静かに開ける。


開けてすぐにカボチャを被ったマント姿の二人が見えた。
素早くバタン!とドアを閉める。


「むりむりむりっ!」

「えっ、なにがあったの?」

「カボチャが二人佇んでた…。」

「ああ、ハロウィンだもんね!」

「納得しないで…。婚約の挨拶だぞ?大事な日じゃないのか…?」

「でも、ハロウィンだよ?仮装ぐらいするよ?」

「こえーし、重いわ!」

「おかあさーん!達也がビビってるから脱いであげてー!!」


近所迷惑っ!大声やめてね?

そのまま返事を待たずにすぐに家に入っていく朱莉を見て仕方ないので俺も続く。


「たっだいまー!」

「そんなにびっくりするとは思わなくて~ごめんなさいね?」

「いえ、こちらこそ閉めてすみませんでした。」


カボチャマントの片割れに突っ込んでいって抱き着いている朱莉を横から撫でつつ、俺に声を掛けてきてくれたのは、恐らく朱莉の母親かな?

聞いたことない声だったし。それに、いまだにカボチャを装着しているので表情を窺えない。

え、カボチャ取らないの?と、俺が玄関先で困惑していると、二人はしょうがないなあとでも言わんばかりにカボチャの頭とマントを脱ぐと、下には桜庭高校の制服姿。二人とも。


「-----先生にも羞恥心あったんですね。」

母?「あらぁ?」


カボチャマント二人の正体は、恐らく母親であろう人物となにやら恥ずかしそうにしている担任の朝倉先生だった。

恐らく母親かな?と思う人は、おっとり系?かわいい系?かな。どちらかと言えば、朱莉より先生に似ている。

制服姿も似合ってはいるけど、ちょっとコスプレ感が強いかな。
それにしても、いくつなんだろう…?朱莉の年齢的に40代は確定だよな?
制服を着る勇気は称《たた》えたい。

もう嫁に出てるし、朝倉先生はいないだろうと思ってたけどこの世界のスタンダードの通い婚なのかな。それなら、いてもおかしくないか。


「ささっ、どうぞ上がってください。」

「ありがとうございます、お邪魔します。」


返事のない先生をジト目で見つめていると声がかかったので、お礼を言ってから制服姿の二人についていく。
俺スーツなんだけど…家庭訪問だったっけ?

ああ、当然もう緊張はしてないぞ。一応、先生のおかげなのか?居てくれて、安心したっちゃしたし。


最初はどうなることやらと思ったけど、移動した先では至ってまともな対応をしてくれてよかった。

通された和室には父親の姿は見えなかったけど、龍宮寺家が特別だっただけで、普通はいないものらしいからな。

沙耶の時もそうだったし、一樹とか佐久間くんも挨拶の時に父親には会わなかったって言ってたからそっちが一般的なのだろう。


話しているうちに、ポロっと全員と同居目指してますみたいなことを言っちゃったんだけど、その時の母親の反応があんまりで朱莉がほんのちょっとだけ可哀想だった。


「えっ…あ、あかり…あなたに同居ができるの?」

「なんでよ!もうしてるもんっ!」

「いや、まあ確かに部屋を汚しはしますが全然大丈夫な範囲…ですよ?たぶん…恐らく。」

「すいません…娘をよろしくおねがいします。」


めっちゃ真剣な目で言われた。
力強く頷き返したが、家政婦…いや、メイド雇うのも視野か…?
おっと、脳裏にちらつくな…サキの姿が。

まあ、最終的には受け入れてくれて良かった。
押し付けられたわけではない。よな?お互いが好きで結婚するんだから、どんと来いだけど。



そうして帰宅した我が家にもパーティ用に準備されたカボチャマントがあったので今後一切の禁止を言い渡した。


「なんでだめなんですの?」

「トラウマってやつがね…。今朝できた。ちょっと待ってて!----はい、今日はこれ着てもらえる?」

「ミニスカポリス…ですの?」

「たまたま部屋にあったんだ。」


美麗は沙耶の元に向かっていって、こういう趣味もあったんですの!と報告をしていた。

たまたまだよ、たまたま。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

男女比5対1の女尊男卑の世界で子供の頃、少女を助けたら「お嫁さんになりたい!」と言って来た。まさか、それが王女様だったなんて……。

楽園
恋愛
「将来、あなたのお嫁さんになりたい」 10年前、俺は魔法の力で一人の少女を救った。 ……そして現在。ここは男女比5:1の女尊男卑の世界。 男は女に「選ばれる」ためだけの存在する。   俺、アルトは、前世の記憶と女でさえ持っていない無限の魔力を隠し、父と静かに暮らす「モブ」になるはずだった。 「待っていましたわ、アルト」 学園で再会したあの時の少女は、驚くべきことにリリアーナ王女だった。 どうやら彼女、あの日の「約束」を本気で果たしに来たらしい。 (俺の平穏なモブ生活が……!) 最強を隠したい男と、その秘密ごと彼を手に入れたい王女の、すれ違い学園ファンタジー!

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

この男子校の生徒が自分以外全員男装女子だということを俺だけが知っている

夏見ナイ
恋愛
平凡な俺、相葉祐樹が手にしたのは、ありえないはずの超名門男子校『獅子王院学園』からの合格通知。期待を胸に入学した先は、王子様みたいなイケメンだらけの夢の空間だった! ……はずが、ある夜、同室のクールな完璧王子・橘玲が女の子であるという、学園最大の秘密を知ってしまう。 なんとこの学園、俺以外、全員が“訳アリ”の男装女子だったのだ! 秘密の「共犯者」となった俺は、慣れない男装に悩む彼女たちの唯一の相談相手に。 「祐樹の前でだけは、女の子でいられる……」 クールなイケメンたちの、俺だけに見せる甘々な素顔と猛アプローチにドキドキが止まらない! 秘密だらけで糖度120%の学園ラブコメ、開幕!

バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件

沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」 高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。 そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。 見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。 意外な共通点から意気投合する二人。 だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは―― > 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」 一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。 ……翌日、学校で再会するまでは。 実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!? オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

処理中です...