婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

ミィタソ

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婚約破棄、大いに結構

七話 一員として

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「合格だ。お前、なかなか面白いな」

 レオンの言葉を聞いて、私はほっと息を吐いた。

 全身が汗ばみ、腕は少し痺れている。思った以上に必死になっていたらしい。

「まあ、魔法を使ってくるとは驚いたがな。貴族の令嬢が魔法を鍛えてるなんて、普通はありえねえ」

「……まあ、事情があって」

 私は木剣を下ろしながら答える。

 魔法の訓練は、公爵家では禁止されていた。でも、私はどうしても力を持ちたかった。だから、隠れて独学で学んできたのだ。

「なるほどな。まあいい、とにかく今日からお前は”蒼狼の牙”の一員だ」

 レオンがにっと笑い、私の肩をぽんと叩いた。

 周囲にいたギルドの仲間たちも、それぞれ頷いたり、軽く拍手したりしている。

「ようこそ、蒼狼の牙へ」

 カイルが言い、私を見つめる。その目はどこか試すような光を帯びていた。

「……ありがとうございます」

 私はそう答えながら、心の中で小さく決意を固める。

 これで、私は本当に貴族の世界から離れたのだ。

***

「さて、新入りには恒例の仕事がある」

 試験の後、私はギルドの建物内に案内された。そこには大きな掲示板があり、さまざまな依頼が貼られている。

「ここから適当な仕事を選んで、実際にやってみてもらう。ま、最初は簡単なやつだがな」

「簡単なやつ、ですか」

 私は掲示板に目を向けた。

 そこには「指定された魔獣の討伐」「薬草の採取」「護衛任務」など、さまざまな依頼が並んでいる。

「お前はまだギルドの仕事に慣れてねえ。だから、まずはこの辺りの雑用から始めてもらう」

 レオンが指差したのは「市場の荷運び手伝い」と「薬草の採取」だった。

「……なるほど」

 貴族時代の私からすれば、どちらもやったことのない仕事だ。でも、ここでの生活に慣れるためには、選り好みはできない。

「どっちをやります?」

 カイルが私に尋ねる。

 私は少し考えたあと――

「薬草の採取にします」

 屋敷にいた頃、薬草の知識は少しだけ学んでいた。貴族の女性として、簡単な薬の調合くらいは教養として求められていたからだ。

「ほう、いい選択だな。じゃあ、ちょうど別の依頼で採取に行くメンバーがいるから、一緒に行ってこい」

 カイルがそう言い、奥にいた女性を手招きした。

「新入りを連れてってくれ。セシリアって名前だ」

「了解」

 現れたのは、すらりとした体格の黒髪の女性だった。

「私はミア。よろしく、新入り」

「セシリアです。よろしくお願いします」

 私は軽く頭を下げた。

 こうして、私はギルドでの最初の仕事へ向かうことになった。
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