婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

「――よって、私は君との婚約を破棄する」

 豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。

 周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。

 私は、この状況をただ静かに見つめていた。

「……そうですか」

 あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。

 婚約破棄、大いに結構。
 慰謝料でも請求してやりますか。

 私には隠された力がある。
 これからは自由に生きるとしよう。
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