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魔力
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その日は日暮れまで水竜とオリビアの修練は続いたが、全く相手にならなかった。
飛行魔法も水上歩行魔法も使えないオリビアには、水竜はとても相性の悪い相手なのだ。
凶暴で頭の悪いビッグクロコダイルなら、オリビアの姿を見ただけで有利な水中を捨てて突撃してくるのだが、穏やかで頭のいい水竜が相手だと、オリビアの有利な場所に誘導することが難しいのだ。
開拓村に戻ったルイは、ギースの妹:ファルに味噌煮込み料理を教えた。
これは万が一ギースが死ぬことになっても、料理との交換で水竜の鱗が手に入ったら、開拓村の人間すべてを養うことができるからだ。
翌日、魔境外にいる鰐を味噌で煮込んだ料理を水竜に与え、代わりの多くの鱗を手に入れ、オリビアの訓練も行った。
「オリビア、魔斧槍の力で水の上を歩けると信じなさい」
「はい」
ルイは無理難題を言う。
オリビアに水上歩行を行わせようと思うのなら、そのために必要な呪文を教えなければいけないのに、ルイは教えていないのだ。
ルイやダイは無詠唱で魔法を使えるが、それは非常識な事で、普通はできない事なのだ。
魔斧槍に水上歩行の魔法陣を刻んでいるのなら、呪文を教えてあげれば使えるようになる。
確かに音階や正確な発音を覚えるのは難しいが、無詠唱のような非常識とは違い、一年二年と頑張れば覚えられるモノなのだ。
魔力がなければどうしようもないが、魔斧槍には真新しいキングリーチの魔晶石がはめ込まれていて、オリビアに魔力がなくても大規模魔法が使える状態なのだ。
「オリビア、水竜さんの魔法攻撃を避けられないと思ったら、魔法で大きな盾を作れると思いなさい。それだけの魔力を魔斧槍に与えています」
「はい」
水竜は水の中から出ようとはせず、オリビアの魔斧槍が届かいない位置から魔法で攻撃してくる。
この戦い方はルイに指定されたもので、水竜が決めたモノではなかった。
ルイから与えられたオリビアの鎧には魔法防御の力が宿っており、所々に昨日狩ったばかりのビッグクロコダイルの魔晶石が埋め込まれているので、その魔力は恐ろしいほど大量なのだろうが、呪文が唱えられなければ宝の持ち腐れでしかない。
午前中一方的に打ちのめされたオリビアだったが、昼食を終えた午後からはサクサクと十頭のビッグクロコダイルを狩って冒険者ギルドに行くのであった。
ギースもビッグクロコダイルを一頭狩って冒険者ギルドに持ち込むのだが、その力量の違いは明らかだった。
三日目・四日目・五日目と同じ状況であったが、六日目に大きく状況が動き、水竜の魔法攻撃に一方的に叩きのめされていたオリビアが、無意識に魔法で防御することを覚えた!
そこからのオリビアの上達は早く、六日目の午後には無意識で水上を歩けるようになっており、水竜と魔法での攻防を行えるようになっていた。
七日目には魔斧槍と魔法を組み合わせた戦いができるようになっていた。
水竜1
飛行魔法も水上歩行魔法も使えないオリビアには、水竜はとても相性の悪い相手なのだ。
凶暴で頭の悪いビッグクロコダイルなら、オリビアの姿を見ただけで有利な水中を捨てて突撃してくるのだが、穏やかで頭のいい水竜が相手だと、オリビアの有利な場所に誘導することが難しいのだ。
開拓村に戻ったルイは、ギースの妹:ファルに味噌煮込み料理を教えた。
これは万が一ギースが死ぬことになっても、料理との交換で水竜の鱗が手に入ったら、開拓村の人間すべてを養うことができるからだ。
翌日、魔境外にいる鰐を味噌で煮込んだ料理を水竜に与え、代わりの多くの鱗を手に入れ、オリビアの訓練も行った。
「オリビア、魔斧槍の力で水の上を歩けると信じなさい」
「はい」
ルイは無理難題を言う。
オリビアに水上歩行を行わせようと思うのなら、そのために必要な呪文を教えなければいけないのに、ルイは教えていないのだ。
ルイやダイは無詠唱で魔法を使えるが、それは非常識な事で、普通はできない事なのだ。
魔斧槍に水上歩行の魔法陣を刻んでいるのなら、呪文を教えてあげれば使えるようになる。
確かに音階や正確な発音を覚えるのは難しいが、無詠唱のような非常識とは違い、一年二年と頑張れば覚えられるモノなのだ。
魔力がなければどうしようもないが、魔斧槍には真新しいキングリーチの魔晶石がはめ込まれていて、オリビアに魔力がなくても大規模魔法が使える状態なのだ。
「オリビア、水竜さんの魔法攻撃を避けられないと思ったら、魔法で大きな盾を作れると思いなさい。それだけの魔力を魔斧槍に与えています」
「はい」
水竜は水の中から出ようとはせず、オリビアの魔斧槍が届かいない位置から魔法で攻撃してくる。
この戦い方はルイに指定されたもので、水竜が決めたモノではなかった。
ルイから与えられたオリビアの鎧には魔法防御の力が宿っており、所々に昨日狩ったばかりのビッグクロコダイルの魔晶石が埋め込まれているので、その魔力は恐ろしいほど大量なのだろうが、呪文が唱えられなければ宝の持ち腐れでしかない。
午前中一方的に打ちのめされたオリビアだったが、昼食を終えた午後からはサクサクと十頭のビッグクロコダイルを狩って冒険者ギルドに行くのであった。
ギースもビッグクロコダイルを一頭狩って冒険者ギルドに持ち込むのだが、その力量の違いは明らかだった。
三日目・四日目・五日目と同じ状況であったが、六日目に大きく状況が動き、水竜の魔法攻撃に一方的に叩きのめされていたオリビアが、無意識に魔法で防御することを覚えた!
そこからのオリビアの上達は早く、六日目の午後には無意識で水上を歩けるようになっており、水竜と魔法での攻防を行えるようになっていた。
七日目には魔斧槍と魔法を組み合わせた戦いができるようになっていた。
水竜1
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