大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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襲撃

 八日目の朝、唐突に魔族が襲撃してきた。
 最初にルイが遠方から近づいて来る魔族に気配を察して、開拓村全体に魔法で結界を張り、難民たちを戦いに巻き込まないようにした。
 その事に気付いたダイが、魔族を迎撃しようとしたのだが。
「ダイさん、今度の魔族は今までの魔族よりも強そうですが、それでもダイさんの敵ではないでしょう。いつでも倒せる相手なら、オリビアさんの練習相手にしたいので、殺さないようにしてください」
「油断大敵と申しますから、殺せるときに殺しておいた方がいいと思うのですが」
「それはそうなんですが、常にこの鎧を着こむようにしますから、ダイさんが相手をしてみて、今度の魔族がこの鎧を貫けないと判断したら、オリビアさんの練習相手として生かしてください」
 ルイは魔法袋から新造した鎧を出して着込んだ。
 今度の鎧は、新たに手に入れた水竜の鱗と強化セラミックと白銀を組み合わせて作っており、所々にビッグクロコダイルの魔晶石を埋め込んである。
 その魔晶石は刻み込んだ魔法陣と連動しており、万が一ルイの魔力が尽きた時でも、各種身体強化魔法や支援魔法、さらには防御魔法まで使えるようになっている優れモノだった。
「しかたありませんね。でも少しでも危険と判断したら、その場で殺します」
「それでいいですよ」
「オリビアさん、これからはあなたが魔族を撃退してください」
「分かった」
 ダイは魔族の実力を確認する為に迎撃に向かい、オリビアにはルイが身体強化魔法と支援魔法、さらには防御化魔法を重ね掛けするのだった。
 魔族の実力によれば、ルイの魔法支援は不要なのだが、今の段階ではまだ魔族の実力が分からないので、今回は最大限の支援魔法をかけておいたのだ。
「さて魔族さん。ここから先に行かせるわけにはいかなのだよ」
「ふん! 人間ごときが大口を利くものよ」
「やれやれ。どちらが大口を利いているのか、戦って試してみればよかろう」
「我に大口を利いた報いを受けるがよい」
 魔族は両手の爪を硬化させ、鋼鉄の鎧さえ紙のように切り裂く鋭利な武器にして、ダイに向かって襲い掛かってきた。
 だが魔族の中では実力者なのだろうが、ダイから見れば二流の妖怪としか思えない。
 それでも念のために、ルイが新造してくれた魔槍を魔法袋から出して、魔族を適当にあしらい実力を確認してみるのだった。
 魔槍を使って十数回魔族の爪攻撃を防いだダイは、大きなため息をついて魔族に話しかけるのだった。
「もう行っていいぞ」
「なに? 何を言っているのだ?!」
「その程度の攻撃だと、若様に指一本触れる事などできない。新人の訓練相手くらいならできるだろうから、さっさと行くがいい」
「おのれ! 人間ごときが我をバカにしおって。許さぬ!」
 ダイの言葉にプライドを傷つけられた魔族は、何が何でもダイを殺そうと、爪の攻撃に強力な魔法を組み合わせたが、爪の攻撃どころか魔法まで槍で防がれるに至り、徐々に恐怖を感じるのだった。
「ダイ殿。弱い相手なら。私にくれ」
「仕方ないな。魔族よ、お前の相手は下の女性だ。俺と戦いたいのならあの女を先に倒して見せろ」
「やかましいわ!」
 バカにされ怒りの頂点に達した魔族は、守りを考えず乾坤一擲の攻撃をダイに仕掛けるのだった。
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