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移住
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「本当に、私達がこの土地を耕して宜しいのですか」
「構わん。余が創り出した田畑だから、遠慮しなくていい。但し、国と余に年貢は納めてもらうぞ」
「それは当然そうさせていただきますが、国に四割と、閣下に二割で宜しいのですか」
「構わぬ」
「今迄は、国と地主様に、併せて八割の年貢を納めていました」
「今迄は今迄じゃ。この国は新しくなり、ミカサ連合王国となったのだ。ミカサ連合王国では、国への年貢は二割と決まっており、地主も二割以上の年貢を取ることを禁じておる」
「本当でございますか」
「本当じゃ。それに叛けば、余の魔晶石使い魔が罰を与える。それは国に任命された代官であろうと、領主であろうと関係ない」
「閣下は魔導師様と御伺いしておりますが、なぜそれほどの権力を持っておられるのですか」
「この国は、ミカサ連合王家のガブリエラ女王が統治することになるが、余はその女王の王配なのだ」
「ふぅえぇぇ」
「王配殿下であらせられるのですか」
「もともと他の国の王子であったのだが、ミカサ家に養子に入ることになっていたのだ」
「ふぅえぇぇ」
「まあそんな事はどうでもよい。村長。此方に来い」
「はい。王配殿下」
「昨日申し付けた事は、村民一同に伝えたであろうな」
「はい。確かに伝えさせていただきました」
「間違いないな」
「「「「「はい」」」」」
「聞いたと言った以上、違約すれば、容赦なく罰するぞ」
「「「「「はい」」」」」
「移民達と仲良くするのだな」
「「「「「はい」」」」」
「休村と新村、それぞれが代表の村長の下、力を併せて田仕事に勤しむのだぞ」
「「「「「はい」」」」」
「分からぬ事は、余の使い魔に聞くがよい」
「「「「「はい」」」」」
余は、川を創り出し、古い耕作地を川底に沈める代わりに、多くの新しい耕作地を創り出した。
古くからの農民に加え、行くあてのない人々を農地に貸し与えた。
ただ与えるだけではなく、古くからの農民と移民を融和させ、後々の諍いを出来るだけ少なくしようとした。
完全になくすことは出来ないだろうが、少しでも諍いの数を減らし、軽い諍いで済むようにと、布石を打った。
本来なら、地形の操作と土地の改良、川の創造に時間を使うべきなのかもしれないが、何よりも人間関係をよくするために時間を使った。
魔族に操られていたとはいえ、同じ人間である権力者が、多くの人間を虐殺した直後なのだ。
出来る事なら、これ以上人が人を殺す所を見たくない。
殺し合いだけではなく、喧嘩も見たくはない。
もう人が争うのは嫌なのだ。
「構わん。余が創り出した田畑だから、遠慮しなくていい。但し、国と余に年貢は納めてもらうぞ」
「それは当然そうさせていただきますが、国に四割と、閣下に二割で宜しいのですか」
「構わぬ」
「今迄は、国と地主様に、併せて八割の年貢を納めていました」
「今迄は今迄じゃ。この国は新しくなり、ミカサ連合王国となったのだ。ミカサ連合王国では、国への年貢は二割と決まっており、地主も二割以上の年貢を取ることを禁じておる」
「本当でございますか」
「本当じゃ。それに叛けば、余の魔晶石使い魔が罰を与える。それは国に任命された代官であろうと、領主であろうと関係ない」
「閣下は魔導師様と御伺いしておりますが、なぜそれほどの権力を持っておられるのですか」
「この国は、ミカサ連合王家のガブリエラ女王が統治することになるが、余はその女王の王配なのだ」
「ふぅえぇぇ」
「王配殿下であらせられるのですか」
「もともと他の国の王子であったのだが、ミカサ家に養子に入ることになっていたのだ」
「ふぅえぇぇ」
「まあそんな事はどうでもよい。村長。此方に来い」
「はい。王配殿下」
「昨日申し付けた事は、村民一同に伝えたであろうな」
「はい。確かに伝えさせていただきました」
「間違いないな」
「「「「「はい」」」」」
「聞いたと言った以上、違約すれば、容赦なく罰するぞ」
「「「「「はい」」」」」
「移民達と仲良くするのだな」
「「「「「はい」」」」」
「休村と新村、それぞれが代表の村長の下、力を併せて田仕事に勤しむのだぞ」
「「「「「はい」」」」」
「分からぬ事は、余の使い魔に聞くがよい」
「「「「「はい」」」」」
余は、川を創り出し、古い耕作地を川底に沈める代わりに、多くの新しい耕作地を創り出した。
古くからの農民に加え、行くあてのない人々を農地に貸し与えた。
ただ与えるだけではなく、古くからの農民と移民を融和させ、後々の諍いを出来るだけ少なくしようとした。
完全になくすことは出来ないだろうが、少しでも諍いの数を減らし、軽い諍いで済むようにと、布石を打った。
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出来る事なら、これ以上人が人を殺す所を見たくない。
殺し合いだけではなく、喧嘩も見たくはない。
もう人が争うのは嫌なのだ。
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