大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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悪漢の村6

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「女郎共、もう許さねえ。この場で嬲り者にしてやる」
「へ、へ、へ、へ。好い声で泣かしてやるよ」
「俺が一番だ」
「何言っているんですか、頭に怒られますぜ」
「この場は俺に任されているんだよ」
 五十人からのゴロツキを率いている、二メートルを少し超える筋肉達磨が、腰巾着と思われる小男と話している。
 筋肉達磨は、これ見よがしに盛り上がった筋肉を見せているが、そんな姿は訓練を受けていない村人に有効なだけで、実戦を掻い潜ってそれなりの装備を整えた戦士や冒険者には全く通じない。
 本当に強い戦士なら、命を護る装備を決して疎かにはしない。
「ゴロツキがどれほど集まろうと、士族には勝てぬよ」
「へん。いきがるなよ女郎。だがこのドレン様によくぞ言った。だが多勢に無勢と言う言葉を知らんのか」
「流石、ドレン様は学がある」
「馬鹿と馬鹿の掛け合いなど面白くはない。そろそろ始めさせてもらうぞ」
 五十人ものゴロツキに囲まれて、娘が凄く脅えてしまっている。
 せっかくの料理も喉を通らないようだし、さっさと叩きのめした方がいいだろう。
 それに、馬鹿なゴロツキの頭でも、たった二人に五十人が負ければ、何かおかしいと思うだろう。
 これ以上の時間稼ぎは無意味だし、五十人から事情を聞けば、頭はもちろん黒幕の事も多少は分かるだろう。
「いでよ、我がしもべ」
「なに」
「魔法使いだったのか」
「かかれ。急いで叩きのめせ」
 魔法を使うのに、余やガビは呪文など不要なのだが、急に大量の魔晶石使い魔が現れたら、娘が驚いてしまうので、必要のない呪文を大声で唱えた。
 だがこの呪文に、ゴロツキ共が大袈裟に反応した。
 彼らから見れば、一万人に一人しかいない魔法使いは脅威でしかない。
 現にゴロツキの中に魔法使いは一人も存在しない。
「ぐぁあぁぁぁ」
「助けてくれ。許してくれ。何でもする。うぎゃあ」
「ウギャァアァアァアァ」
「ひぃいぃぃ。来るな。あっちいけ。来ないでくれぇぇぇ」
 そこら中でゴロツキ共が叩きのめされている。
 情け容赦など全くない魔晶石使い魔が、余の指示通り淡々とゴロツキ共を無力化している。
 証言をさせなければいけないから、口が利けるように首から上には攻撃を加えない。
 定番の四肢を骨折させる方法で、ゴロツキ共を完膚なきまでに叩きのめしている。
 ろくに風呂も入らない悪臭に満ちた、見るからに凶悪そうな顔をしたゴロツキ共が、顔を歪めて許しを請い、泣き喚いている。
「今迄御前達がやってきた事に対する正当な対応だが、まだまだこれで済むと思うなよ」
「許して下さい。ごめんなさい。もうしません。かんべんしてください」
「では、御前達の事を全部話してもらおうか。少しでも嘘をついたら、本物の拷問官を呼ぶからな」
「ひぃいぃぃ。言います。言います。何でも言います。本当の事を言います。だから、拷問官だけはかんべんしてください」
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