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第二章「恋愛」
58話
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「アシュラム様。
人間はどうなるのでしょうか?
火竜に滅ぼされてしまうのでしょうか?」
「そんな事はありませんよ。
火竜は強力ですが、水精霊様や雪精霊様とは敵対しています。
砂漠の水精霊様は力が弱いですが、大湖や大河の水精霊様には敵いません」
アシュラムは、オアシスの水精霊が水精霊の中で一番強いわけではないと、カチュア姫に丁寧に話して聞かせた。
「本当なのですか?!
オアシスの水精霊様より力のある水精霊様がおられるのですか!」
カチュア姫は世間知らずだった。
公爵家の嫡女として、帝王学は学んでいた。
王太子の婚約者として、王妃教育も受けていた。
前世も含めて水乙女としての知識もあった。
だが世間一般の常識には欠けていた。
前世で政争の記憶はあるが、そこそこの年齢で教会に囲われ、世間から隔離されたのだ。
それに前世の記憶があると言っても、全てゴライダ王国の話だ。
オアシス都市と言う、閉じた世界の知識だ。
オアシス水精霊の偏狭偏屈な性格で、精神を大きく歪められてしまった感受性だ。
早い話が箱入り娘なのだ。
「このワインを飲んでごらん。
長い旅をしてきた、色んな知識を持った精霊が住んでいる。
飲んでその精霊から知識を授けてもらえばいい」
「そんなことが出来るのですか?
ワインにも精霊様が宿っているのですか?
飲んだワインの精霊様は、どこに行かれるのですか?」
「この世の全てのモノには精霊様が宿っておられる。
それを感じ取れるかどうかは、人間次第だ。
カチュア姫が飲んだワインの精霊は、姫の血肉となって消える。
いや、生まれ変わると言った方がいい。
大地に戻り、色んな精霊に生まれ変わるんだ」
アシュラムは毎日色んなことをカチュア姫に教えた。
ワインに住む精霊に関しても、人の身体に入りことなく、新たに創られるワインに移動する場合もある事を教えた。
むしろそういう場合の方の多いと教えた。
ただ今回に関しては、ジミーに頼まれたワインの精霊が、自分を犠牲にして、カチュア姫に世界の知識の一端を教えてくれるのだと教えた。
だが、カチュア姫はそれを遠慮した。
いい傾向だった。
偏狭偏屈な水精霊の影響が薄れているようだった。
カチュア姫は、精霊も人も犠牲にすることなく知識を得たいと、アシュラムに頼んだ。
アシュラムと従者達はそれに応えて、王城へ入る事を減らして、カチュア姫と色んな話をした。
それぞれの冒険譚や恋話だったが、実体験を面白可笑しく脚色する者もいて、とても楽しい時間だった。
これによって、カチュア姫の心が大きく変化した。
人間はどうなるのでしょうか?
火竜に滅ぼされてしまうのでしょうか?」
「そんな事はありませんよ。
火竜は強力ですが、水精霊様や雪精霊様とは敵対しています。
砂漠の水精霊様は力が弱いですが、大湖や大河の水精霊様には敵いません」
アシュラムは、オアシスの水精霊が水精霊の中で一番強いわけではないと、カチュア姫に丁寧に話して聞かせた。
「本当なのですか?!
オアシスの水精霊様より力のある水精霊様がおられるのですか!」
カチュア姫は世間知らずだった。
公爵家の嫡女として、帝王学は学んでいた。
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前世も含めて水乙女としての知識もあった。
だが世間一般の常識には欠けていた。
前世で政争の記憶はあるが、そこそこの年齢で教会に囲われ、世間から隔離されたのだ。
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オアシス都市と言う、閉じた世界の知識だ。
オアシス水精霊の偏狭偏屈な性格で、精神を大きく歪められてしまった感受性だ。
早い話が箱入り娘なのだ。
「このワインを飲んでごらん。
長い旅をしてきた、色んな知識を持った精霊が住んでいる。
飲んでその精霊から知識を授けてもらえばいい」
「そんなことが出来るのですか?
ワインにも精霊様が宿っているのですか?
飲んだワインの精霊様は、どこに行かれるのですか?」
「この世の全てのモノには精霊様が宿っておられる。
それを感じ取れるかどうかは、人間次第だ。
カチュア姫が飲んだワインの精霊は、姫の血肉となって消える。
いや、生まれ変わると言った方がいい。
大地に戻り、色んな精霊に生まれ変わるんだ」
アシュラムは毎日色んなことをカチュア姫に教えた。
ワインに住む精霊に関しても、人の身体に入りことなく、新たに創られるワインに移動する場合もある事を教えた。
むしろそういう場合の方の多いと教えた。
ただ今回に関しては、ジミーに頼まれたワインの精霊が、自分を犠牲にして、カチュア姫に世界の知識の一端を教えてくれるのだと教えた。
だが、カチュア姫はそれを遠慮した。
いい傾向だった。
偏狭偏屈な水精霊の影響が薄れているようだった。
カチュア姫は、精霊も人も犠牲にすることなく知識を得たいと、アシュラムに頼んだ。
アシュラムと従者達はそれに応えて、王城へ入る事を減らして、カチュア姫と色んな話をした。
それぞれの冒険譚や恋話だったが、実体験を面白可笑しく脚色する者もいて、とても楽しい時間だった。
これによって、カチュア姫の心が大きく変化した。
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