舌を切られて追放された令嬢が本物の聖女でした。

克全

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第9話残虐な表現があります。

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 デイジーとの楽しい会話を終えた真金の騎士は、デイジーが受けた仕打ちを報復するために、夜の空を翔けていた。
 デイジーを助けた時は天馬を駆っていたが、今はワイバーンだ。
 真金の騎士は、亜竜すら支配下に置くのだ。
 恐ろしいほどの戦闘力で配下くわえたのか、それとも、誰にも避けようのない溢れんばかりの魅力で仲間にしたのか?

 真金の騎士は、誰に邪魔されることなく、悠々とファーモイ城の上空に至った。
 一国の王都を護る防御魔法も、侵入者発見して将兵に知らせる警戒魔法も、全く発動していない。
 全て真金の騎士が遠距離から無効にしていた。
 歴史に名を残す聖者や聖女でも、これほどの魔力を持っていたかどうか……

 しかしそれだけではない。
 城内が全く動いていないのだ。
 明かりはついているが、城内を移動するモノは一人もいなかった。
 人間だけではなく、城内で飼われている軍馬も番犬も、天馬も天犬もだ。
 全ての生き物が、真金の騎士の魔法で眠らされているのだ。

「おい、起きろ。
 もう目覚めているのは分かってるんだ。
 寝たふりをするのなら、このまま報復を始めるぞ」

「ぶ、ぶ、ぶ、無礼者!
 よ、よ、よ、余は、ファーモイ王国の国王だぞ!
 無礼を、無礼を働いて、ただですむと思っているのか!」

「ふん!
 王の責務を果たさぬモノに。
 他者を抑圧するモノに、王に対する礼は取らん。
 自分のやったことの責任をとれ!」

 真金の騎士は、ローリー国王に責任をとらせた。
 デイジーが受けた恐怖と痛みに対して、倍返し三倍返しを行った。
 ローリー国王の口を無理矢理開けさせて、舌を引き千切った。
 あまりの激痛に国王が痙攣し失禁脱糞するのを無視して、そのまま拷問を続けた。
 鼻、耳、唇も引き千切り、鼓膜と眼玉を潰した。
 爪を一枚ずつ剥がした。
 痛みを強く感じるように、微妙な力加減で剥がした。
 四肢の指を全て圧し潰した。
 ひと関節ごとに、人間の痛覚が多い指先から潰していった。
 腹を掴み破り、内臓を引き出し、糞尿と一緒に自分自身の身体を喰わせた。

「申し訳ありません、申し訳ありません、申し訳ありません。
 許してください、どうか許してください、もう許してください。
 なんでもします、お金も爵位も、欲しいモノは全てお渡しします。
 だから、どうか、どうか、もう許してください」

「駄目だ。
 絶対に許さん。
 デイジーを苦しめた事、万死に値する。
 一度で許されると思うな!」

 真金の騎士は情け容赦しなかった。
 パーフェクトヒールでローリー国王を完璧に治療し、同じ拷問を繰り返した。
 情けないことに、ローリー国王たった三度で狂気に陥り、廃人となった。
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