41 / 103
第二章
木下忍軍
しおりを挟む
「与一郎様、いかが致しましょう」
「殿にも知らせているのだな」
「はい。蜂須賀正勝様の忍の者を通じて、御知らせしております」
「三介様を奉じて、修理進殿と上杉が手を組むように、徳川殿が画策しているとはな」
「徳川殿は、三介様に頼まれたと言う形で、甲斐と信濃に攻めこむようでございます」
「三七郎様を抑え込んだと思えば、次は三介様とはな」
「徳川様が、このまま放置していたら、筑前様に尾張を奪われると、三介様に吹き込んだそうでございます」
「三介様は、それを鵜呑みにされたのか」
「はい」
「愚かな方だ」
「はい」
「だがこのような秘事を、よく集めてきてくれた。礼を申すぞ」
「恐れ多い事でございます。全ては与一郎様の御陰でございます」
「何を言っておる。その方達の力ではないか」
「そうではございません。与一郎様が我々に領地を与えて下さったので、一時雇で徳川様に扱使われている者達が、機密を流してくれているのでございます」
「そうか。これからも木下家に仕えたいと言う忍びは、全て領地を与えて召し抱えるから、その方が差配してくれ」
「有難き幸せでございます」
「それでな」
「はい」
「その方から見て、この同盟に楔を打ち込むとしたら、どこだと思う」
「与一郎様なら既に御気付きかと思いますが、三介様と行動を供にしておられる方々は、既に三介様を見限っているようです」
「なるほど。入庵殿達を切り崩せと言うのだな」
「あの方々は、羽柴様が修理進様達を説得し、旧領を取り返す軍を起こすようにしてくれた事、忘れていないと思います」
「そうだな。だがそれよりも、このまま三介様に付いていては、上野、甲斐、信濃を取り返せないという事を、重々承知しておられるだろう」
「はい」
「三介様と一緒に尾張に逃げ帰り、徳川殿が甲斐信濃に攻め込めば、自分達の領地が取り返せないと思うだろう」
「はい」
「そこに三法師様と御次公から御誘いがあれば、喜んで殿に味方してくれるだろう」
「見事な読みでございます」
「殿ならそれくらいの事は御存知だとは思うが、念の為に手紙を書くから、その方から届けてくれ」
「私のような者が、そのような重大な手紙を、直接羽柴様に御渡ししてもいいモノでしょうか」
「重大な手紙だからこそ、その方にしか頼めないのだ」
「有難き幸せでございます」
「それとな」
「はい」
「又左衞門殿達にも使者を送っていると御知らせしてくれ」
「承りました」
与一郎に中忍から上忍に取り立てられた藤林長門守正保、改めて心の中で忠誠を誓っていた。
他の伊賀衆・甲賀衆と共に、織田信雄と共にいる滝川一益・森長可・毛利秀頼は勿論、柴田勝家と行動を共にしている、前田利家・金森長近・不破直光・佐々成政を調略することになった。
「木下忍軍」
百地丹波・滝野吉政・小沢智仙・百田藤兵衛・町井清兵衛・町井貞直・植田光次・下柘植小猿・下柘植木猿・城戸弥左衛門・音羽半六・伊賀崎道順・藤林長門守正保・森田帯刀・福喜多将監他多数
「殿にも知らせているのだな」
「はい。蜂須賀正勝様の忍の者を通じて、御知らせしております」
「三介様を奉じて、修理進殿と上杉が手を組むように、徳川殿が画策しているとはな」
「徳川殿は、三介様に頼まれたと言う形で、甲斐と信濃に攻めこむようでございます」
「三七郎様を抑え込んだと思えば、次は三介様とはな」
「徳川様が、このまま放置していたら、筑前様に尾張を奪われると、三介様に吹き込んだそうでございます」
「三介様は、それを鵜呑みにされたのか」
「はい」
「愚かな方だ」
「はい」
「だがこのような秘事を、よく集めてきてくれた。礼を申すぞ」
「恐れ多い事でございます。全ては与一郎様の御陰でございます」
「何を言っておる。その方達の力ではないか」
「そうではございません。与一郎様が我々に領地を与えて下さったので、一時雇で徳川様に扱使われている者達が、機密を流してくれているのでございます」
「そうか。これからも木下家に仕えたいと言う忍びは、全て領地を与えて召し抱えるから、その方が差配してくれ」
「有難き幸せでございます」
「それでな」
「はい」
「その方から見て、この同盟に楔を打ち込むとしたら、どこだと思う」
「与一郎様なら既に御気付きかと思いますが、三介様と行動を供にしておられる方々は、既に三介様を見限っているようです」
「なるほど。入庵殿達を切り崩せと言うのだな」
「あの方々は、羽柴様が修理進様達を説得し、旧領を取り返す軍を起こすようにしてくれた事、忘れていないと思います」
「そうだな。だがそれよりも、このまま三介様に付いていては、上野、甲斐、信濃を取り返せないという事を、重々承知しておられるだろう」
「はい」
「三介様と一緒に尾張に逃げ帰り、徳川殿が甲斐信濃に攻め込めば、自分達の領地が取り返せないと思うだろう」
「はい」
「そこに三法師様と御次公から御誘いがあれば、喜んで殿に味方してくれるだろう」
「見事な読みでございます」
「殿ならそれくらいの事は御存知だとは思うが、念の為に手紙を書くから、その方から届けてくれ」
「私のような者が、そのような重大な手紙を、直接羽柴様に御渡ししてもいいモノでしょうか」
「重大な手紙だからこそ、その方にしか頼めないのだ」
「有難き幸せでございます」
「それとな」
「はい」
「又左衞門殿達にも使者を送っていると御知らせしてくれ」
「承りました」
与一郎に中忍から上忍に取り立てられた藤林長門守正保、改めて心の中で忠誠を誓っていた。
他の伊賀衆・甲賀衆と共に、織田信雄と共にいる滝川一益・森長可・毛利秀頼は勿論、柴田勝家と行動を共にしている、前田利家・金森長近・不破直光・佐々成政を調略することになった。
「木下忍軍」
百地丹波・滝野吉政・小沢智仙・百田藤兵衛・町井清兵衛・町井貞直・植田光次・下柘植小猿・下柘植木猿・城戸弥左衛門・音羽半六・伊賀崎道順・藤林長門守正保・森田帯刀・福喜多将監他多数
25
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史
ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。
マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、
スペイン勢力内部での覇権争い、
そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。
※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、
フィクションも混在しています。
また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。
HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。
公式HP:アラウコの叫び
youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス
insta:herohero_agency
tiktok:herohero_agency
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる