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第二章
快進撃
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与一郎の快進撃は続き、島津薩州家七代目当主で出水城主の島津忠辰が降伏臣従した。
次いで島津義久の従弟で宮之城主の島津忠長を降伏臣従させた。
相次ぐ島津一門の降伏臣従は、薩摩の国衆地侍の降伏臣従を後押しした。
ただ平佐城主の桂忠詮は、忠義を尽くして大軍を相手に必死の籠城を行い、女子供まで槍や刀を取って奮戦したので、与一郎軍と桂忠詮軍の双方に多くの犠牲を出した。
「山城守殿、これほどの奮戦をなされたら、もう島津家への忠義も武士の意地も、大いに見せられたのではないですか」
「まだまだこの程度で気力をなくす私ではありません」
「しかし山城守殿、武士が名を残すために命を賭けるのは仕方ありませんが、女子供を道連れにするのはいかがなモノでしょう」
「女子供を城から出したら、無事に逃がしてくれるのですか」
「それよりも羽柴家に降伏され、天下の為にその武芸を生かされてはいかがです」
「だがそれは不忠と言うモノです」
「多くの島津一門が、国衆や地侍に先立って降伏臣従しています。これほど命懸けの戦いをされた後なら、十分忠義を尽くされています」
「御言葉は嬉しいが、私には私の道がある」
「帝の天下静謐の願いを踏みにじるのが、山城守殿の武士の道ですか」
「それは・・・・・」
「もう島津家の負けが覆らないのは理解されていますね」
「・・・・・」
「ここで自分の名誉だけに固執して、女子供を道連れに討ち死にするのと、天下静謐の為に鍛え上げた武芸を生かすのと、どちらが武士の道だと御考えですか」
「式部少輔殿の言葉で眼が覚めました。木下様に降伏臣従いたします」
桂山城守忠詮の奮戦を聞いた与一郎は、このまま殺すのは惜しいと考え、吉川式部少輔経家を調略の使者に送った。
吉川経家の心からの説得が功を奏し、桂忠詮は木下与一郎秀臣に降伏し臣従を誓った。
この後で与一郎に手向かう者はいなかった。
与一郎が、羽柴家が派遣する国主に従うのなら、国衆地侍の本貫地は安堵すると言う調略が効果的だったのもある。
島津義久は、これ以上の抵抗は無駄と悟って降伏臣従するが、島津歳久だけは頑強に籠城を続けた。
これは皮肉な事だった。
羽柴家から九州停戦令が届いた時、島津歳久だけが秀吉を認め和議に応じるように言っていたのだ。
だが多くの島津家家臣が己を過信し、開戦を主張したのだ。
しかし今は、開戦を主張した者が地に伏して命乞いをし、和平を求めた島津歳久だけが、忠義の者を率いて武士の意地を示していた。
与一郎は、そんな漢を殺したくなかった。
だから歳久が籠城する祁答院虎居城を囲んだだけで、一切攻撃を仕掛けなかった。
次いで島津義久の従弟で宮之城主の島津忠長を降伏臣従させた。
相次ぐ島津一門の降伏臣従は、薩摩の国衆地侍の降伏臣従を後押しした。
ただ平佐城主の桂忠詮は、忠義を尽くして大軍を相手に必死の籠城を行い、女子供まで槍や刀を取って奮戦したので、与一郎軍と桂忠詮軍の双方に多くの犠牲を出した。
「山城守殿、これほどの奮戦をなされたら、もう島津家への忠義も武士の意地も、大いに見せられたのではないですか」
「まだまだこの程度で気力をなくす私ではありません」
「しかし山城守殿、武士が名を残すために命を賭けるのは仕方ありませんが、女子供を道連れにするのはいかがなモノでしょう」
「女子供を城から出したら、無事に逃がしてくれるのですか」
「それよりも羽柴家に降伏され、天下の為にその武芸を生かされてはいかがです」
「だがそれは不忠と言うモノです」
「多くの島津一門が、国衆や地侍に先立って降伏臣従しています。これほど命懸けの戦いをされた後なら、十分忠義を尽くされています」
「御言葉は嬉しいが、私には私の道がある」
「帝の天下静謐の願いを踏みにじるのが、山城守殿の武士の道ですか」
「それは・・・・・」
「もう島津家の負けが覆らないのは理解されていますね」
「・・・・・」
「ここで自分の名誉だけに固執して、女子供を道連れに討ち死にするのと、天下静謐の為に鍛え上げた武芸を生かすのと、どちらが武士の道だと御考えですか」
「式部少輔殿の言葉で眼が覚めました。木下様に降伏臣従いたします」
桂山城守忠詮の奮戦を聞いた与一郎は、このまま殺すのは惜しいと考え、吉川式部少輔経家を調略の使者に送った。
吉川経家の心からの説得が功を奏し、桂忠詮は木下与一郎秀臣に降伏し臣従を誓った。
この後で与一郎に手向かう者はいなかった。
与一郎が、羽柴家が派遣する国主に従うのなら、国衆地侍の本貫地は安堵すると言う調略が効果的だったのもある。
島津義久は、これ以上の抵抗は無駄と悟って降伏臣従するが、島津歳久だけは頑強に籠城を続けた。
これは皮肉な事だった。
羽柴家から九州停戦令が届いた時、島津歳久だけが秀吉を認め和議に応じるように言っていたのだ。
だが多くの島津家家臣が己を過信し、開戦を主張したのだ。
しかし今は、開戦を主張した者が地に伏して命乞いをし、和平を求めた島津歳久だけが、忠義の者を率いて武士の意地を示していた。
与一郎は、そんな漢を殺したくなかった。
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