336 / 838
二年生の一学期
第百七話 ケトルコーン
しおりを挟む
奈緒がエコみらいの中に入ると、広報用かテレビ局か定かではないカメラが、中央の階段下に二台据えられている。この子はあたりを見渡してから、階段を五段上って手すりに寄りかかった。
いつも四人掛けのテーブルがいくつも並べられている広場には、数台の小ぶりなテーブルを残して椅子だけがたくさん並べられていて満席になっている。その向こうに広がるガラス張りの壁の前には、右側からティンパニにティンバレスとロックバンドが使うようなドラムス、そして木琴が並んで据えられていた。その正面に走るレッドカーペットを間に挟んだ手前中央に、白と灰色の演台が一台ずつ設置されていて、左にある低い灰色の演台のほうには、高知県では『かなば』と呼ばれるかんな屑から作られた花が飾られている。
右端の壇上に現れた館長と名乗る男性によって、『エコみらい とごし 一周年記念イベント エコみらフェスティバル』の開幕が宣言された。
拍手が鳴り響く中、まず初めに現れたのは、隣接するひだまり小学校のイラストアートクラブが作成したお祝い作品の横断幕。そこにはカラフルで可愛い文字で、『エコみらい とごし 一周年おめでとう』と書かれている。その作品の前に並んだ六年生の女子三人が、それぞれ挨拶をする。
続いて紹介されたのは、ひだまり高校の吹奏楽部。入り口外に待機していた一年生たちが楽器を持って整然と並んで入室してくると、大きな拍手が沸く。奈緒も一心不乱に拍手をした。
Paradise Has NO BORDER / NARGO
※参考:エコルとごし会館1周年記念 エコルフェス ー2023 SPRINGー オープニングセレモニーより、私立青陵中学高等学校 吹奏楽部の演奏
指揮者の生徒がタクトを振り始めると同時に、陽菜子が水琴窟の中にいる鳥のさえずりのような音を奏で出す。すると、それに続いてたくさんの楽器が響きだし、ジャマイカの風土が生んだスカ特有の独特なサウンドを生み出していく。彼女は、繰り返し流れるコミカルなリズムを、眼前の木琴を叩いて奏で紡ぎ続けている。その表情は生き生きとしていて、さっきまでけだるそうにしていたのが嘘みたいだ。
演奏が終わって吹奏楽部の生徒が会場からはけると、大きなエコみらいのジオラマが運ばれてきた。それは、子葉高校のペーパージオラマ部が作成したもので、とても精巧なその作りに会場のみんなが感心する。
学ランの男子生徒があいさつし終わると、最後に色々な活動がVTRで紹介されて、セレモニーは終わった。
いつも四人掛けのテーブルがいくつも並べられている広場には、数台の小ぶりなテーブルを残して椅子だけがたくさん並べられていて満席になっている。その向こうに広がるガラス張りの壁の前には、右側からティンパニにティンバレスとロックバンドが使うようなドラムス、そして木琴が並んで据えられていた。その正面に走るレッドカーペットを間に挟んだ手前中央に、白と灰色の演台が一台ずつ設置されていて、左にある低い灰色の演台のほうには、高知県では『かなば』と呼ばれるかんな屑から作られた花が飾られている。
右端の壇上に現れた館長と名乗る男性によって、『エコみらい とごし 一周年記念イベント エコみらフェスティバル』の開幕が宣言された。
拍手が鳴り響く中、まず初めに現れたのは、隣接するひだまり小学校のイラストアートクラブが作成したお祝い作品の横断幕。そこにはカラフルで可愛い文字で、『エコみらい とごし 一周年おめでとう』と書かれている。その作品の前に並んだ六年生の女子三人が、それぞれ挨拶をする。
続いて紹介されたのは、ひだまり高校の吹奏楽部。入り口外に待機していた一年生たちが楽器を持って整然と並んで入室してくると、大きな拍手が沸く。奈緒も一心不乱に拍手をした。
Paradise Has NO BORDER / NARGO
※参考:エコルとごし会館1周年記念 エコルフェス ー2023 SPRINGー オープニングセレモニーより、私立青陵中学高等学校 吹奏楽部の演奏
指揮者の生徒がタクトを振り始めると同時に、陽菜子が水琴窟の中にいる鳥のさえずりのような音を奏で出す。すると、それに続いてたくさんの楽器が響きだし、ジャマイカの風土が生んだスカ特有の独特なサウンドを生み出していく。彼女は、繰り返し流れるコミカルなリズムを、眼前の木琴を叩いて奏で紡ぎ続けている。その表情は生き生きとしていて、さっきまでけだるそうにしていたのが嘘みたいだ。
演奏が終わって吹奏楽部の生徒が会場からはけると、大きなエコみらいのジオラマが運ばれてきた。それは、子葉高校のペーパージオラマ部が作成したもので、とても精巧なその作りに会場のみんなが感心する。
学ランの男子生徒があいさつし終わると、最後に色々な活動がVTRで紹介されて、セレモニーは終わった。
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる