FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍛🌶👀

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 咀嚼していた南が、唇を手の甲で覆って飲み込む。
「飲食は結構重労働な業界だから、こういう賄い出るのも分かる気がする。早いし手間ないし、パワー出る。白身はお味噌に入れてかきたまにしようね。わたしおかわりしよ」
 春樹が続ける。
「2011年の震災直後から被災地に入ってたみたいだったよ。その時、社長さんも来ていたんだけど、現場を管理する社員の一人は、もう何ヶ月もいっぱなしだって」
「うわ、大変」と奈緒が舌を巻いた。
「でも、そのおかげで、被災した人たちは冷たい料理で気分が萎れてしまわずに済んだのよね」
 杏奈の発言に、春樹が補足した。
「ああ、協力し合う人間ってすげー力を発揮するんだなって思った。普段はライバル同士の店が協力して代わる代わる拠点に来て料理提供したらしい。近隣の人だって、家が無事だった人は、庭で汲み上げてる地下水提供してくれたり、電気貸してくれたりしたしな」
「電気復旧してたんだ」務が訊く。
「ああ。けっこう早かったらしいよ。すごい勢いで電柱が建てられていって、二カ月目くらいには電気来たって」
「こういう経験も、いつか役に立つかもしれないね。東京でなにかあっても、もし僕たちがこの経験を活かしてボランティアに回れたら、その時は被災者が五人減るじゃない。ここでの出来事は思い出の中だけにとどまらずに、未来の近隣地域のためにも役立つんだと思うと、今感じている以上に大切な経験なのかもしれないね」
 讃するような瞳の煌めきを務に向けた杏奈が、みんなに微笑みかけて眼差しを送る。
「それじゃあ、最後までめいっぱい楽しみましょうよ」
 柔らかい照射のバルコニーで食べる朝ごはんは、終始賑やかに進んだ。
「あー、バナナ。バナナ買うの忘れた」奈緒が落胆の悲鳴を上げる。
 すると南が噴飯しそうになって、グラスの水を一口飲む。そして、足元に置いてあった荷物を持ち上げた。
「あはは、やっと思い出したの? あるよ、ここに。ほら」リュックから取りだす。
「えー? 昨日食べた?」
「ううん。いつ思い出すのかなぁって見てた」
「教えてくれてもいいのに」
「ごめんごめん。ちょっと見ていて面白かったから」






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