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二年生の二学期
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楽しげにショーケースを見渡したあと身を起こしたこのくいしんぼは、赤い生地に黒色のぐるぐる模様がある、てぷっとしたがま口を、肩にななめがけにしたキルト製ハーフオーバルの桃色ポシェットから取り出すと、器用に右手と腰の間に挟んで左手で開けた。
「めろんぱん、ください」
「がま口って……古風だね」務が奈緒の左の二の腕越しに見やる。
「楽だよ。片手でもぽちんと開くから」
感心する務をよそに、奈緒が小銭を渡しながら店員に言った。
「はい、どうぞ。おつり ください」
「はい、おつり……ないです。ちょうどですね」
「そうですか」と頷く奈緒。
店員さんが困った様子で微かに吹き出したので、二人が笑う。でも奈緒は分かっていない様子で、朗らかに微笑む。
務が奈緒のいでたちを上から下、そして下から上へとまじまじと見た。
「そういえば、今日の成瀬さんは大人っぽい服装しているね」
喜ぶ素振りを見せたこの子は、足を伸ばしてポーズを決め、カジュアルスーツのボトムスみたいなフルレングスのパンツを見せつける。色はアプリコットだ。
「そう。お母さんから借りた。今日つと む君をどきゅんとするから。二人で かわいく おねが~いって するの。そして春樹君と仲直り。うふふ。内緒、内緒だけど」
南が呆れ顔で開口する。
「言ってんじゃん。全部言ってんじゃん。電車の中で注意したのに」
「あら、やばい」
奈緒は軽く驚愕すると務に向かって、分かっているよねっと言いたげな表情で何度も首を縦に振りながら、唇に人差し指をあてがう。
「ごめん、もう遅いよ」務が苦笑した。
奈緒は眉根を眉間にキュッと寄せて、つぐんだ紅唇の隅を横に引く。
「なんで、わたしのせいみたいな顔して睨むの?」
と、南がじめじめした視線を送ってきたが、奈緒は責任追及の表情を緩めないばかりか、更に深く落胆の色まで滲ませた。
「めろんぱん、ください」
「がま口って……古風だね」務が奈緒の左の二の腕越しに見やる。
「楽だよ。片手でもぽちんと開くから」
感心する務をよそに、奈緒が小銭を渡しながら店員に言った。
「はい、どうぞ。おつり ください」
「はい、おつり……ないです。ちょうどですね」
「そうですか」と頷く奈緒。
店員さんが困った様子で微かに吹き出したので、二人が笑う。でも奈緒は分かっていない様子で、朗らかに微笑む。
務が奈緒のいでたちを上から下、そして下から上へとまじまじと見た。
「そういえば、今日の成瀬さんは大人っぽい服装しているね」
喜ぶ素振りを見せたこの子は、足を伸ばしてポーズを決め、カジュアルスーツのボトムスみたいなフルレングスのパンツを見せつける。色はアプリコットだ。
「そう。お母さんから借りた。今日つと む君をどきゅんとするから。二人で かわいく おねが~いって するの。そして春樹君と仲直り。うふふ。内緒、内緒だけど」
南が呆れ顔で開口する。
「言ってんじゃん。全部言ってんじゃん。電車の中で注意したのに」
「あら、やばい」
奈緒は軽く驚愕すると務に向かって、分かっているよねっと言いたげな表情で何度も首を縦に振りながら、唇に人差し指をあてがう。
「ごめん、もう遅いよ」務が苦笑した。
奈緒は眉根を眉間にキュッと寄せて、つぐんだ紅唇の隅を横に引く。
「なんで、わたしのせいみたいな顔して睨むの?」
と、南がじめじめした視線を送ってきたが、奈緒は責任追及の表情を緩めないばかりか、更に深く落胆の色まで滲ませた。
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