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二年生の二学期
第二百五話 区大会?
しおりを挟む奈緒のバースデーツアーが開催された翌週の土曜日、武蔵小山駅からほど近いかむろ坂高校で行われる練習試合もどきの地区大会決勝リーグを観戦すべく、奈緒は小山三丁目に足を運んでいた。
予定より少し早めに来て周辺を散策した奈緒が駅に戻ると、それから間もなくした八時二十分頃に、待ち合わせをしていた心愛がやってきた。
「お待たせ、成瀬さん。もしかして待った?」
「ううん、まだ時間前だから。ちょっと早めに来てお散歩してた」
奈緒が、小さなグミの実のような七宝焼きの髪留めで前髪を左上にまとめたデコ出しルックを見やる。
「心愛ちゃんかわ いい。なんで今日そんなにおしゃれしてるの? ただの練習試合なのに」
「ええっ? そんなことないよ。いつもとおんなじ。おんなじってわけじゃないけど、この間部活で髪留め作ったから、つけてみようかなって……」
「幼顔だから、おでこ出すと可愛い」
瞬間、心愛が指先でおでこを隠したり、眉尻を撫でたりして、おろおろと動揺の色を見せ始めた。
「やだ、そんなに子供っぽいかな? どうしよう」
「いい意味で。春樹君も喜ぶよ、きっと」
「なんでそこで春樹君が出てくるの?」
顔を真っ赤にして慌てる心愛を見て奈緒は、急に元気が溢れ返ったように口角を引き延ばした。
「それじゃあ、れっつごー」
そう叫んで、すずらん少女の前腕に左腕を絡ませ、引っ張るようにして歩き出した。間もなくして、心配そうな表情をした彼女が口を開く。
「やっぱり小沢さんのこと迎えに行けばよかったかな?」
「ううん、むり。何度もサンドウィッチおいしいなぁ、って誘ったけれど、だめでした。朝起きれないって言ってた から、行っても出てきて くれないかも」
「そっか」妙に納得したように呟く。
「でもお土産買ってあげよう。武蔵小山駅で待ち合わせ。あ、何時か忘れた」
「九時半」
「今何時⁇」
「八時四十分」
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