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三年生の一学期
第二百五十三話 白いF型ワゴン。
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車から降りてきたのは、女性社員の畑中恵と男性アルバイトの佐久間雅隆だった。その他にはアルバイトで元体育教師の男性職員斎藤辰巳が後部座席に乗っていた。
「おはよう ござます、ございます、成川先生」男の子が真っ先に下りてきて、お辞儀をする。
「成瀬先生でしょう?」恵が訂正するが、それを否定して、「いいの、もう知らない」と中に入った。
「謙信君、おはようございます。今日も青い服装で格好いいね。お船もすてき」
奈緒が言うと、謙信がちょっと怒る。
「いいじゃん、べつに。言わないで、もう言わないで」そう言って靴をかたすと、走っていって遊び始める。
助手席に乗っていた男の子が窓から手を振ってきたので、この子も振り返す。勘助君というその男の子は、支柱付き靴型装具を装着しているので、半身不随の奈緒では車から降ろすことはできない。なので、邦夫君と巴瑞季(はずき)ちゃんの降りる手伝いをする。
そうこうするうちに勘助君がやってきて、「んー、んー」と言いながら、頭を撫でたり優しく叩いたりしてきた。同じ高校三年生で菜緒より背が高いので、いつも押し倒されそうになる。だが、彼は力加減が分かっているのか、ふしぎと転ばされたことはない。
勘助君は、中年の斎藤先生に連れられて椅子に座って、自ら靴を脱いで靴箱に入れる。男の先生に掴まって飛び跳ねるのが大好きなので、挨拶以降、奈緒は接触する機会があまりない。
車椅子に座る高[たかし]君と寧々ちゃんが、おむつ交換用の部屋の前に連れていかれた。奈緒は、最後に下ろされた佐奈ちゃんのバギーを押して、二人の後ろに停める。
秋人君が、奈緒の背中に呼びかけた。
「今度僕、バギーで来ようかな」
「いいなぁ、秋人君格好いいから、バギー似合うよ、きっと」
「ほんとー? 成瀬せんせー、だいすきー」
「わたしも秋人君だいすきー」
「おはよう ござます、ございます、成川先生」男の子が真っ先に下りてきて、お辞儀をする。
「成瀬先生でしょう?」恵が訂正するが、それを否定して、「いいの、もう知らない」と中に入った。
「謙信君、おはようございます。今日も青い服装で格好いいね。お船もすてき」
奈緒が言うと、謙信がちょっと怒る。
「いいじゃん、べつに。言わないで、もう言わないで」そう言って靴をかたすと、走っていって遊び始める。
助手席に乗っていた男の子が窓から手を振ってきたので、この子も振り返す。勘助君というその男の子は、支柱付き靴型装具を装着しているので、半身不随の奈緒では車から降ろすことはできない。なので、邦夫君と巴瑞季(はずき)ちゃんの降りる手伝いをする。
そうこうするうちに勘助君がやってきて、「んー、んー」と言いながら、頭を撫でたり優しく叩いたりしてきた。同じ高校三年生で菜緒より背が高いので、いつも押し倒されそうになる。だが、彼は力加減が分かっているのか、ふしぎと転ばされたことはない。
勘助君は、中年の斎藤先生に連れられて椅子に座って、自ら靴を脱いで靴箱に入れる。男の先生に掴まって飛び跳ねるのが大好きなので、挨拶以降、奈緒は接触する機会があまりない。
車椅子に座る高[たかし]君と寧々ちゃんが、おむつ交換用の部屋の前に連れていかれた。奈緒は、最後に下ろされた佐奈ちゃんのバギーを押して、二人の後ろに停める。
秋人君が、奈緒の背中に呼びかけた。
「今度僕、バギーで来ようかな」
「いいなぁ、秋人君格好いいから、バギー似合うよ、きっと」
「ほんとー? 成瀬せんせー、だいすきー」
「わたしも秋人君だいすきー」
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