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世界の中心、揚羽蝶の話
広がる話は無限大
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スズメバチを言い負かせたアゲハちゃんを讃える虫たちの宴は、何日も続きました。
大スズメバチを撃退できる虫なんて普通いませんから、アゲハちゃんの噂は山中に広がって、アゲハちゃんを一目見よう、と遠くからも虫たちがやってきます。
今日は、紋白蝶の一行がやって来て、黄色い声援をアゲハちゃんに向けていました。
「きゃー!アゲハちゃーん、こっち向いてー」
「手を振ってくれたわ!きゃ~」
アゲハちゃんは、もはやアイドルの域にまで到達しています。モモタは紋白蝶の蝶吹雪の中をやって来て、アゲハちゃんに言いました。
「すごい人気だね、やっぱりアゲハちゃんはすごいなぁ」
「すごいって言ったら、あの大スズメバチの女王、土の中に巣を作ったらしいわよ」
「アゲハちゃんは綺麗でとても可愛いけど、勇気もあるんだね」
「このお花とても良い香りでしょ?紋白蝶からいただいたの。
羽衣ジャスミンって言うのよ。
モモちゃんにもおすそわけ」
アゲハちゃんは、とろけるような甘い香りのする白くて可憐なお花を、モモタの赤い首輪にさしてくれました。
1匹の紋白蝶がよって来て、アゲハちゃんに訊きました。
「どうしたら、アゲハちゃんのように素敵になれますか?」
「素敵と言ったら玉虫君よね、みんなあの羽の色に憧れちゃうわ」
モモタが聞いていると、初めから最後まで話がずれています。
「これから他のお家のお庭を見学に行くから、モモちゃんも行きましょうよ」
アゲハちゃんがおでこにとまってそう言うので、モモタは行くことにしました。
山の中には点々と別荘が建っていて、それぞれのお庭はみんな個性的です。野菜畑になっていたり、お花畑になっていたり、果実園になっていたりします。
どこへ行ってもアゲハちゃんは大歓迎されました。それを見てモモタが言います。
「山全体がアゲハちゃんのファンみたい」
「山全体ってどのくらい大きいのかしら?」
「こんなに沢山の色々な蝶々が舞っていても、アゲハちゃんが一番かわいいね」
「こんなに飛んでいてぶつからないってすごいわね」
「アゲハちゃんは毎日羽のお手入れもしていて頑張り屋さんだから、誰よりもきれいなんだよね」
「モモちゃんの背中がお花でいっぱいになっちゃったわ。
お花を持ってくるのは大変よ、みんな頑張り屋さんだわ」
何を言っても違う答えが返ってきます。恥ずかしくて照れ隠ししているんだな、とモモタは思いました。
少し小高い坂の上に、黒いお家がありました。
そこには何とたくさんの揚羽蝶が住んでいました。
その中の1匹がアゲハちゃんに気が付いて、大声で叫びます。
「あら!アゲハちゃんが来たよ、みんな、アゲハちゃんが来たよ」
「みんな、ただいまー」
アゲハちゃんの生まれたお庭の様です。
宙も地も辺り一面揚羽蝶だらけ。アゲハちゃんを先頭に、いろんな種類の蝶々の大パレード。
綺麗過ぎて圧巻です。モモタは見惚れて言いました。
「アゲハちゃん、ホントに女王様になっちゃった」
「だから言ったでしょ、みんなそう言ってるって」
アゲハちゃんは、「うふふ」と笑って言いました。
大スズメバチを撃退できる虫なんて普通いませんから、アゲハちゃんの噂は山中に広がって、アゲハちゃんを一目見よう、と遠くからも虫たちがやってきます。
今日は、紋白蝶の一行がやって来て、黄色い声援をアゲハちゃんに向けていました。
「きゃー!アゲハちゃーん、こっち向いてー」
「手を振ってくれたわ!きゃ~」
アゲハちゃんは、もはやアイドルの域にまで到達しています。モモタは紋白蝶の蝶吹雪の中をやって来て、アゲハちゃんに言いました。
「すごい人気だね、やっぱりアゲハちゃんはすごいなぁ」
「すごいって言ったら、あの大スズメバチの女王、土の中に巣を作ったらしいわよ」
「アゲハちゃんは綺麗でとても可愛いけど、勇気もあるんだね」
「このお花とても良い香りでしょ?紋白蝶からいただいたの。
羽衣ジャスミンって言うのよ。
モモちゃんにもおすそわけ」
アゲハちゃんは、とろけるような甘い香りのする白くて可憐なお花を、モモタの赤い首輪にさしてくれました。
1匹の紋白蝶がよって来て、アゲハちゃんに訊きました。
「どうしたら、アゲハちゃんのように素敵になれますか?」
「素敵と言ったら玉虫君よね、みんなあの羽の色に憧れちゃうわ」
モモタが聞いていると、初めから最後まで話がずれています。
「これから他のお家のお庭を見学に行くから、モモちゃんも行きましょうよ」
アゲハちゃんがおでこにとまってそう言うので、モモタは行くことにしました。
山の中には点々と別荘が建っていて、それぞれのお庭はみんな個性的です。野菜畑になっていたり、お花畑になっていたり、果実園になっていたりします。
どこへ行ってもアゲハちゃんは大歓迎されました。それを見てモモタが言います。
「山全体がアゲハちゃんのファンみたい」
「山全体ってどのくらい大きいのかしら?」
「こんなに沢山の色々な蝶々が舞っていても、アゲハちゃんが一番かわいいね」
「こんなに飛んでいてぶつからないってすごいわね」
「アゲハちゃんは毎日羽のお手入れもしていて頑張り屋さんだから、誰よりもきれいなんだよね」
「モモちゃんの背中がお花でいっぱいになっちゃったわ。
お花を持ってくるのは大変よ、みんな頑張り屋さんだわ」
何を言っても違う答えが返ってきます。恥ずかしくて照れ隠ししているんだな、とモモタは思いました。
少し小高い坂の上に、黒いお家がありました。
そこには何とたくさんの揚羽蝶が住んでいました。
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「あら!アゲハちゃんが来たよ、みんな、アゲハちゃんが来たよ」
「みんな、ただいまー」
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