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一緒に暮らすの大得意イタチの話
上から見ないと見えない苦労
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ある日、木登りをしていて降りられなくなったモモタは、4匹のイタチの兄弟がじゃれ合っていることに気が付きました。
枝の根元にしゃがんで見ていると、巣を作ろうとしているようです。
助けてもらおうと思いましたが、木登りの得意な猫が、木から降りられなくなったなんて、恥ずかしくて言えません。
モモタは、しばらくイタチたちを見ている事にしました。
「お兄たん、ここを見つけられて良かったね。
土もやわらかいし、木がまばらだから見晴らしが良いのに、草の背が高いから、鷹に見つからないし」
「そうだな、でも早く巣穴を掘らなきゃ、陽が暮れちゃうぞ」
上のお兄ちゃんが、弟2匹にはっぱをかけます。
「周りには、誰も住んでいないようだな。
でもよく調べてみなきゃ、何が潜んでいるか知れないし」
2番目のお兄ちゃんが言いました。
3番目のテクちゃん、一番下のフリちゃんは、一生懸命穴を掘っています。
上から見ていたモモタには、4匹のイタチのしている事が、肉球に取るように分かりました。
「2人のお兄ちゃんはあんなこと言ってるけど、何もしてないや。
弟たちは気が付いていないのかな?」
1匹なら、自分が掘らなければ、一向に穴は開きません。2匹なら、1匹がさぼれば分かりますが、3匹以上だと目に入らないのでしょうか。
掘っているのは自分だけではないし、十分掘れていくので、気にならない様子です。
1番上のお兄ちゃんが言いました。
「これから4匹で頑張って行くんだから、酸いも甘いも平等に分け合おうな」
下の2匹は、顔を見合わせます。あまり望んでいないように見えました。
「一緒に生活する以上、そうでなきゃ困るもんね。
1匹ぼっちにされたら、僕たち生きていけないもんね」
2番目のお兄ちゃんがそう言うので、下の2匹はうなずきました。
「さあ、掘った掘った」
「ギーお兄の命令だ、穴掘りを再開するぞ」
ブー兄ちゃんに促されて、弟たちは巣穴を掘り始めます。
「テクは頑張るなー、とっても頼りになるよ」
「本当だ、頼もしい限りだな、とても助かるよ」
テクちゃんは、お兄ちゃんたちに褒められるのが嬉しくて、一生懸命です。
それに比べて、フリちゃんはあたりをキョロキョロ、行ってはキョロキョロ、来てはキョロキョロしています。
どうやら、お兄ちゃんたちが見ているところでは一生懸命やって、見ていないときはのんびりしている様でした。
モモタは思いました。
「もしそばで見ていたら、一番下の弟にちゃんと働いたら?なんて言ってたかも」
上から見ているのは不思議です。結局最後まで掘らされていたのは、下の2匹だけでした。
枝の根元にしゃがんで見ていると、巣を作ろうとしているようです。
助けてもらおうと思いましたが、木登りの得意な猫が、木から降りられなくなったなんて、恥ずかしくて言えません。
モモタは、しばらくイタチたちを見ている事にしました。
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上のお兄ちゃんが、弟2匹にはっぱをかけます。
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「これから4匹で頑張って行くんだから、酸いも甘いも平等に分け合おうな」
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