人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
398 / 515
第八章

封印を解いて12

しおりを挟む
「大丈夫ですよ」

 鑑定できるということを鑑定する以外に証明する方法がない。
 須崎が疑うのものもっともな事である。

 特に今回圭が鑑定するのは鑑定不可、つまりは通常の鑑定では分からない可能性がある物を鑑定する必要がある。
 圭が鑑定するものが本当にただの鑑定不可のものの可能性もあるけれど、圭に鑑定スキルなんてなくて鑑定不可だったと言い訳して逃げられる可能性があった。

 とりあえず今のところ圭が鑑定できそうなことは信じてもらえた。
 疑いが晴れたのなら怒ることもない。

「では今度こそ始めてもいいかな?」

 剣心が須崎に視線を向けると須崎は大人しく頷いた。

「では今回鑑定してほしいものはこの三つだ」

 剣心は風馬から受け取った二本の刀と自分のそばに置いてあった剣を圭の前に置いた。

「どれもゲートで見つかったものだが須崎の鑑定では特に何も出なかったものだ」

「手に取っても?」

「構わん」

 圭は一本の刀を手に取った。
 ずっしりと手に重さがかかる刀をゆっくりと抜いてみる。

「おおっ」

「きれい……」

 刀の良し悪しは圭たちには分からない。
 けれど音もなくスラリと抜かれた刀は芸術のような美しさを誇っていて、みんな思わず声を漏らしてしまった。

「……ただの刀のようですね」

 圭が真実の目で見てみると刀は刀であるが魔力を宿していたり特殊な効果がある刀ではなかった。

「……そうか」

「では次を」

 鑑定が終わった刀を横に置いて次は剣を手に取ってみた。
 鞘から抜いてみると大振りの両刃の剣だった。

 弱くはなさそうであるが真実の目では特別な説明も出ずに普通の剣として処理されていた。

「じゃあ最後のものを」

 少し須崎の目が怖い中でもう一本の刀を手に取る。

「……これは」

「さっきのやつより綺麗だな」

「カッコいい……」

 今度の刀は真っ黒な刀身をしていた。
 ただ刃の部分はわずかに色合いが違っていてこちらもまた美術品のような美しさがある。

「明らかに何かありそうな見た目をしているだろう?」

「ですが私の鑑定では何も出ないのです。持ってみてもなんの効果もなく……見た目だけとは思いにくいのですが」

 確かに黒い刀というのは珍しい。
 あたかも何かありそうな雰囲気がしている。

『覇刀黒竜牙
 ブラックドラゴンの牙から作られた刀。
 強力な魔力を持つブラックドラゴンの牙を削り出して加工した刀はこの世に一つしかない。
 特殊な技術を必要とし、金属にも負けない硬度と高い魔力伝導性を誇る。
 所有者の魔力を食らう代わりに所有者に力を与えてくれる。
 神が作りし武器にも匹敵する品質で高く魔力の流れや魔法の発動を補助してくれる。
 魔力適応率が高く使用時に体力と筋力と速度に補正を得られる。

 あまりにも強い力を持つために力を封印されてしまっている。

 適性魔力等級:A
 必要魔力等級:A』

「おっ!」

「どうだ?」

「こちらも力を封印された魔道具のようです」

「本当ですか!」

 信じられないといった顔をして須崎が立ち上がる。

「失礼ですがいいですか?」

「はい、どうぞ」

 圭が須崎に刀を渡すと須崎は睨みつけるように刀を凝視する。
 鑑定スキルを発動させようとするけれど黒い刀に対しては何も発動しない。

「どのような効果が?」

「持っている人の魔力を使って能力を強化してくれるようです。危険だから力が封印されている……らしいですね」

「そんなことまで分かるんですか?」

「ええ」

 他の人が鑑定でどう見えているのか不明だが圭の目にはざっくりとしたアイテムの説明が見えている。
 神様が持っていた世界の知識にアクセスすることができる力が元になっているのだが、神様を悪魔であるガルガトが倒して奪った。

 力としてはかなり劣ったものになっているのだけど、それがスキルとして圭に宿る際にさらに劣ったものとして真実の目になった。
 それでもある程度色々な情報を見ることができる。

「剣心さん!」

「ダメだ」

「ま、まだ何も言ってません!」

「信じられないから封印を解けというのだろう?」

「そうです……」

「こちらが約束を果たすのが先だ」

 本当に封印された力があるなら解いてみれば分かるはずだと須崎は剣心のことを見た。
 しかし剣心は須崎の意図を理解しつつも首を縦に振ることはない。

「封印の解除もそう簡単に出来ることじゃないのは君も分かっているだろう。ここでそちらを優先すると村雨さんたちを待たせてしまうことになる」

「それは……そうですね」

「騒がしくしてすまないな。封印を解くのも無制限というわけではない。一度力を使うとしばらく時間を置かねばならないのだ」

 剣心としても圭の言うことが本当かどうか黒い刀の封印を解いて確かめたいところではある。
 ただ封印を解くのも簡単ではなく制限やクールタイムのようなものがあった。

 今黒い刀の方の封印を解いてしまうと再び封印が解けるようになるまで圭たちのことを待たせてしまうことになる。
 圭が約束を果たしてくれたのにそんなことをしてはあまりにも不義理になってしまう。

「約束は果たされた。村雨さんのことを信じて、こちらも約束を果たそう」

 この期に及んでウソもないだろうと剣心は思う。
 圭がしっかりと鑑定してくれたのだと信じることにした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

処理中です...