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第八章
潜入、暴食の悪魔の城3
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「まだ分からない。こっちの協力者によると相手が動き出すのもパーティーの終盤らしいからな」
ダンテがより調べてくれたところによるとアザードが人を喰うのはパーティーも終わりに近づいた夜にやるらしい。
暴食の悪魔の中では夜食なんていう隠語で呼ばれているようだ。
「協力者……あなたって意外と顔が広いわよね?」
協力者なんてぼかした言い方をしている以上かなみも正体を聞き出す事はしない。
圭もダンテのことはかなみに話していない。
ダンテとの関係はちょっとしたややこしいものであり、経緯も説明できないのでぼかしているのだ。
「まあ良い男には色々と集まってくるものね」
まあ確かにと少しは思う。
神様から異界の魔王まで、知り合いというのにはおかしいけれど顔を合わせたことはある。
「それにしてもまだその格好なの?」
圭は依然としてコック服のままである。
パーティーの会場としてはややぎりぎり浮いていると言わざるを得ない。
「もうちょっとこのままでいるつもりだ」
圭の料理人としての仕事はもう終わっているので着替えてもいい。
しかしコックの格好のままやるべきことがある。
「それじゃあちょっと行ってくるよ」
圭は一人で会場を離れる。
パーティー会場となっている船は元々普通に航行していた客船である。
上層階のデッキは客室となっていて招待客が休んだりアザードが自分の国や他の国から招待した人の宿泊室となっている。
中層階には元々あったレストランなどがいくつかあり、そうしたところのキッチンを使ってみんな料理をしている。
改築してキッチンを増やしているが広い客船の色々なところにレストランがあるので調理している人たちも意外とバラけている。
そして下層階にVIPの会場があって、今回はビュッフェのような形式で好きな料理を好きに楽しめるようになっているのだ。
一般招待客向け会場はVIPより一つ下の階である。
たださらに下の階のデッキも存在している。
圭としてはさらわれた人は人が泊まる客室の階ではなく下の階に隠されているのではないかと考えていた。
エレベーターに乗った圭は会場の下の階に行く。
人の多い上の階とは違って人がいないデッキをキョロキョロととしながら歩いていく。
リネン室などの物を置いておくための部屋があるようで特に怪しさはない。
「……もっと下かな?」
圭は階段でさらに下に降りる。
上の階から聞こえる喧騒も遠ざかって船の音だけが静かに鳴り響いている。
空調やボイラーなんかの部屋があったりと一般向けではない設備の部屋がある。
ただ意外と何の部屋かも分からないようなところがあって全部調べようとするのは厳しいなと思った。
今回は部屋の中まで手を出さずにどんな感じなのかだけ見ていく。
[そこで何をしている!]
「うわっ!?」
急に声をかけられて圭は飛び上がりそうになる。
日本語ではなく英語で振り返ると槍を持った覚醒者風の外国人っぽい男がいた。
『ジョン・ホープ
レベル163[102]
総合ランクD[E]
筋力C[D](一般)
体力C[D](一般)
速度D[E](無才)
魔力D[E](一般)
幸運E(無才)
スキル:無し
才能:無し』
圭はとっさに相手のステータスを覗き見る。
最初の頃は真実の目で相手のことを見るということに慣れておらずに確認しないことも多かったけれど、今は相手を確認するだけでも大切なのだと分かっている。
覚醒者で間違いないし、それに悪魔から力を受け取っていること能力値を見れば分かる。
「えと……道に迷っちゃいまして。何階だったか……」
[チッ……俺は日本語分からないんだよ]
圭は事前に考えていた言い訳を曖昧に笑いながら告げる。
圭は懐に隠れたフィーネの翻訳があるから相手の言葉が分かるけれどジョンは日本語がわからずに舌打ちする。
[下のデッキに侵入者だ。迷子のようだけど俺は言葉が分からない。日本語を話せる奴を寄越してくれ]
ジョンが肩の無線機で仲間を呼んだ。
圭は大人しく困ったような表情を浮かべていると他の人が来た。
圭が真実の目で確認するとそいつも悪魔の力を受けている覚醒者だった。
「階が分からなくて迷子になったのか」
後から来た方も外国人のようだが日本語が流暢だった。
[部屋は見られたか?]
[いや、キョロキョロはしていたがどこか見た様子はない]
[夜食を見られていない大丈夫だろう。ならとっとと追い返してしまえばいい]
圭が言葉を分かっていないので二人は堂々と圭の前で話す。
「行くぞ。ここは一般の客立ち入り禁止だ」
「そうだったんですね。すいません」
男に連れられて圭は上の階に戻る。
「気をつけろ。今度入ったら二度と出られなくなるからな」
「気をつけます……」
圭は一般招待客の会場前まで連れて行ってもらい、男は大きな舌打ちをして離れていった。
「…………どうやらあの階にいるようだな」
コック服を着たままだったのはできる限り疑いを避けるためだった。
まともな格好だと疑われる可能性が高いけれどコックならばスパイしているとは思われにくいだろうと考えたのだ。
相手の会話から夜食と呼ばれるさらわれた人たちが下のデッキにいそうなことが分かった。
「……着替えてこよう。みんなと作戦会議だな」
ーーーーー
ダンテがより調べてくれたところによるとアザードが人を喰うのはパーティーも終わりに近づいた夜にやるらしい。
暴食の悪魔の中では夜食なんていう隠語で呼ばれているようだ。
「協力者……あなたって意外と顔が広いわよね?」
協力者なんてぼかした言い方をしている以上かなみも正体を聞き出す事はしない。
圭もダンテのことはかなみに話していない。
ダンテとの関係はちょっとしたややこしいものであり、経緯も説明できないのでぼかしているのだ。
「まあ良い男には色々と集まってくるものね」
まあ確かにと少しは思う。
神様から異界の魔王まで、知り合いというのにはおかしいけれど顔を合わせたことはある。
「それにしてもまだその格好なの?」
圭は依然としてコック服のままである。
パーティーの会場としてはややぎりぎり浮いていると言わざるを得ない。
「もうちょっとこのままでいるつもりだ」
圭の料理人としての仕事はもう終わっているので着替えてもいい。
しかしコックの格好のままやるべきことがある。
「それじゃあちょっと行ってくるよ」
圭は一人で会場を離れる。
パーティー会場となっている船は元々普通に航行していた客船である。
上層階のデッキは客室となっていて招待客が休んだりアザードが自分の国や他の国から招待した人の宿泊室となっている。
中層階には元々あったレストランなどがいくつかあり、そうしたところのキッチンを使ってみんな料理をしている。
改築してキッチンを増やしているが広い客船の色々なところにレストランがあるので調理している人たちも意外とバラけている。
そして下層階にVIPの会場があって、今回はビュッフェのような形式で好きな料理を好きに楽しめるようになっているのだ。
一般招待客向け会場はVIPより一つ下の階である。
たださらに下の階のデッキも存在している。
圭としてはさらわれた人は人が泊まる客室の階ではなく下の階に隠されているのではないかと考えていた。
エレベーターに乗った圭は会場の下の階に行く。
人の多い上の階とは違って人がいないデッキをキョロキョロととしながら歩いていく。
リネン室などの物を置いておくための部屋があるようで特に怪しさはない。
「……もっと下かな?」
圭は階段でさらに下に降りる。
上の階から聞こえる喧騒も遠ざかって船の音だけが静かに鳴り響いている。
空調やボイラーなんかの部屋があったりと一般向けではない設備の部屋がある。
ただ意外と何の部屋かも分からないようなところがあって全部調べようとするのは厳しいなと思った。
今回は部屋の中まで手を出さずにどんな感じなのかだけ見ていく。
[そこで何をしている!]
「うわっ!?」
急に声をかけられて圭は飛び上がりそうになる。
日本語ではなく英語で振り返ると槍を持った覚醒者風の外国人っぽい男がいた。
『ジョン・ホープ
レベル163[102]
総合ランクD[E]
筋力C[D](一般)
体力C[D](一般)
速度D[E](無才)
魔力D[E](一般)
幸運E(無才)
スキル:無し
才能:無し』
圭はとっさに相手のステータスを覗き見る。
最初の頃は真実の目で相手のことを見るということに慣れておらずに確認しないことも多かったけれど、今は相手を確認するだけでも大切なのだと分かっている。
覚醒者で間違いないし、それに悪魔から力を受け取っていること能力値を見れば分かる。
「えと……道に迷っちゃいまして。何階だったか……」
[チッ……俺は日本語分からないんだよ]
圭は事前に考えていた言い訳を曖昧に笑いながら告げる。
圭は懐に隠れたフィーネの翻訳があるから相手の言葉が分かるけれどジョンは日本語がわからずに舌打ちする。
[下のデッキに侵入者だ。迷子のようだけど俺は言葉が分からない。日本語を話せる奴を寄越してくれ]
ジョンが肩の無線機で仲間を呼んだ。
圭は大人しく困ったような表情を浮かべていると他の人が来た。
圭が真実の目で確認するとそいつも悪魔の力を受けている覚醒者だった。
「階が分からなくて迷子になったのか」
後から来た方も外国人のようだが日本語が流暢だった。
[部屋は見られたか?]
[いや、キョロキョロはしていたがどこか見た様子はない]
[夜食を見られていない大丈夫だろう。ならとっとと追い返してしまえばいい]
圭が言葉を分かっていないので二人は堂々と圭の前で話す。
「行くぞ。ここは一般の客立ち入り禁止だ」
「そうだったんですね。すいません」
男に連れられて圭は上の階に戻る。
「気をつけろ。今度入ったら二度と出られなくなるからな」
「気をつけます……」
圭は一般招待客の会場前まで連れて行ってもらい、男は大きな舌打ちをして離れていった。
「…………どうやらあの階にいるようだな」
コック服を着たままだったのはできる限り疑いを避けるためだった。
まともな格好だと疑われる可能性が高いけれどコックならばスパイしているとは思われにくいだろうと考えたのだ。
相手の会話から夜食と呼ばれるさらわれた人たちが下のデッキにいそうなことが分かった。
「……着替えてこよう。みんなと作戦会議だな」
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