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第八章
潜入、暴食の悪魔の城2
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「いきなり訪ねてくるなんてな」
流石の木山も緊張していたようで手拭いで汗を拭いている。
「マグロの解体みたいな感じでみんなの前で解体ショーをやらないかなんて言われたよ」
「それは……」
「流石にこれを人前で解体するのはな。断ったよ」
木山は苦笑いを浮かべる。
何を話しているのかと思ったらサハギンの解体ショーをしないかなんて提案されていたようだ。
ただ木山は断った。
サハギンは見た目が良くない。
モンスターに慣れている覚醒者なら特に何も感じないだろうがそれでも目の前で解体されてそれを食べるのは少しハードルが高い。
まして一般人だと結構ドン引きレベルである。
いかにアザードのお膝元でも厳しかろうと木山は思ったので断ることにした。
アザードも木山の話に理解を示してそれならしょうがないと引き下がってくれたのだ。
「それにしてもサハギン料理を楽しみにしてくれているようだ。こんなものを食べる国は他にないってね」
「まあフグも気合いで食べちゃった国ですもんね」
「サハギンは毒なんかないけどな」
アザードが去ったので圭たちも再び作業に戻る。
サハギンは普通に魚と同じようなものなので刺身でも食べられる。
圭がざっくりと解体したものを料理人に渡す。
「相変わらず腕が良いな」
「ありがとうございます」
レベルが上がって力が向上したおかげかモンスターの解体もかなり楽になった。
包丁に魔力を通せばサハギンの解体もスイスイと進む。
「こっちは煮付け。こっちは刺身にするんだ」
サハギンの解体が終わって料理が一斉に進み始める。
「圭、そのサハギンの解体が終わったら招待客の出迎えに向かうといい」
「分かりました」
圭はサハギンを解体すると手を洗ってキッチンを出た。
船内にはだいぶ人が増えてきた。
アザードが招待したVIPの客が先に乗り、次にパーティーのための料理を作る料理人、そして最後に乗るのが料理人などが招待した人である。
料理人たちは四人まで特別に他の人を招待することができる。
そうした一般招待客が入船する時間となっていた
アザードたちとは別の場所で一般招待客は食事をするのだがまだどちらの人も入り混じっている。
「圭君!」
「ああ、かな……上杉さん」
「……かなみでいいのよ?」
「流石に人目が……」
「そんなもの気にしなくていいのよ。私はかなみ、いいわね?」
船の中を移動していると圭は声をかけられた。
そこにいたのは青いドレスに身を包んだ上杉かなみであった。
「みんなは?」
「私はVIP招待だから先に入ったの。でもちゃんと用意はしたわよ」
かなみが来ている事は圭も知っていた。
覚醒者協会にアザードのことを連絡した時に実はかなみも招待されているのだと伊丹から聞いていたのだ。
今回圭は夜滝たちを招待したのだがあるお願いをかなみにしていた。
「多分もう入ってるわ」
かなみは圭の腕に手を絡ませる。
「なかなかその格好も似合ってるじゃない?」
圭はまだコックの格好をしている。
白いコック服は意外と圭に似合っていた。
「装備を身につけてる姿もいいけどその姿もいいわよ」
「ありがとう」
「ふふふ……ほら、行くわよ」
「どこに?」
かなみに引っ張られるようにして歩き出す。
「入ってるなら一般招待客用の会場よ。そこに行くの。私もそこで食べようかしら」
「VIPなのにいいのか?」
「別に構わないわよ」
VIPの方が先に料理が提供される。
料理だって差があるわけじゃないが一番良いところは流石にVIPに回されるのはしょうがない。
でも料理の質は変わらないのだから別にいいとかなみは思う。
何を食べるかよりも誰と食べるかの方が大切である。
一般招待客の会場にも多くの人が来ていた。
VIPの招待客ほどではないしてもパーティーであるのでみんなしっかりと着飾っている。
「圭さん……あっ!」
みんながいないかと会場を見回していた圭に薫が気づいた。
そしてすぐに腕を絡ませるかなみの姿にも気づいた。
「おやぁ? なにをしてるのかな?」
「エスコートしてるのよ」
夜滝はかなみが絡ませる腕を見て目を細めた。
かなみは平然と笑顔を浮かべて答える。
「ならもういらないんじゃないかぃ?」
「そうね……でもいいじゃない?」
「何もよくねぇぞ!」
「んー、残念」
かなみは少し口を尖らせて圭から腕を離す。
「みんなも似合ってるな」
みんなの雰囲気が良くないので圭は話題を変えようと試みる。
かなみだけじゃなく夜滝たちもドレスを着てしっかりとお洒落していた。
男の薫はタキシード姿でみんなそれぞれ似合っている。
「私が用意したんだもの、当然でしょう?」
圭がかなみにお願いしていたこととは夜滝たちのドレスアップであった。
夜滝たちはドレスなんて持っていない。
そこで同じくパーティーに出席することになっていたかなみに協力を要請したのである。
かなみは喜んで夜滝たちのドレスアップを手伝ってくれた。
「でもやっぱり……こんな格好は恥ずかしいな」
カレンが頬を赤らめる。
普段しない格好のせいなのかドレスというものが恥ずかしく思うのだ。
「カレンも似合っててキレイだよ」
「ん……あんがと……」
そう言われるだけで着てきた価値はあるとカレンが照れ臭そうに笑う。
「それで、例の件は?」
かなみは声をひそめる。
例の件とはアザードのことである。
かなみは圭たちの秘密も知っている仲間と言ってもいい。
覚醒者協会とも繋がっているのでアザードが悪魔教なこともアザードが裏で行なっている凶行についても聞き及んでいる。
かなみも今回の協力者なのである。
流石の木山も緊張していたようで手拭いで汗を拭いている。
「マグロの解体みたいな感じでみんなの前で解体ショーをやらないかなんて言われたよ」
「それは……」
「流石にこれを人前で解体するのはな。断ったよ」
木山は苦笑いを浮かべる。
何を話しているのかと思ったらサハギンの解体ショーをしないかなんて提案されていたようだ。
ただ木山は断った。
サハギンは見た目が良くない。
モンスターに慣れている覚醒者なら特に何も感じないだろうがそれでも目の前で解体されてそれを食べるのは少しハードルが高い。
まして一般人だと結構ドン引きレベルである。
いかにアザードのお膝元でも厳しかろうと木山は思ったので断ることにした。
アザードも木山の話に理解を示してそれならしょうがないと引き下がってくれたのだ。
「それにしてもサハギン料理を楽しみにしてくれているようだ。こんなものを食べる国は他にないってね」
「まあフグも気合いで食べちゃった国ですもんね」
「サハギンは毒なんかないけどな」
アザードが去ったので圭たちも再び作業に戻る。
サハギンは普通に魚と同じようなものなので刺身でも食べられる。
圭がざっくりと解体したものを料理人に渡す。
「相変わらず腕が良いな」
「ありがとうございます」
レベルが上がって力が向上したおかげかモンスターの解体もかなり楽になった。
包丁に魔力を通せばサハギンの解体もスイスイと進む。
「こっちは煮付け。こっちは刺身にするんだ」
サハギンの解体が終わって料理が一斉に進み始める。
「圭、そのサハギンの解体が終わったら招待客の出迎えに向かうといい」
「分かりました」
圭はサハギンを解体すると手を洗ってキッチンを出た。
船内にはだいぶ人が増えてきた。
アザードが招待したVIPの客が先に乗り、次にパーティーのための料理を作る料理人、そして最後に乗るのが料理人などが招待した人である。
料理人たちは四人まで特別に他の人を招待することができる。
そうした一般招待客が入船する時間となっていた
アザードたちとは別の場所で一般招待客は食事をするのだがまだどちらの人も入り混じっている。
「圭君!」
「ああ、かな……上杉さん」
「……かなみでいいのよ?」
「流石に人目が……」
「そんなもの気にしなくていいのよ。私はかなみ、いいわね?」
船の中を移動していると圭は声をかけられた。
そこにいたのは青いドレスに身を包んだ上杉かなみであった。
「みんなは?」
「私はVIP招待だから先に入ったの。でもちゃんと用意はしたわよ」
かなみが来ている事は圭も知っていた。
覚醒者協会にアザードのことを連絡した時に実はかなみも招待されているのだと伊丹から聞いていたのだ。
今回圭は夜滝たちを招待したのだがあるお願いをかなみにしていた。
「多分もう入ってるわ」
かなみは圭の腕に手を絡ませる。
「なかなかその格好も似合ってるじゃない?」
圭はまだコックの格好をしている。
白いコック服は意外と圭に似合っていた。
「装備を身につけてる姿もいいけどその姿もいいわよ」
「ありがとう」
「ふふふ……ほら、行くわよ」
「どこに?」
かなみに引っ張られるようにして歩き出す。
「入ってるなら一般招待客用の会場よ。そこに行くの。私もそこで食べようかしら」
「VIPなのにいいのか?」
「別に構わないわよ」
VIPの方が先に料理が提供される。
料理だって差があるわけじゃないが一番良いところは流石にVIPに回されるのはしょうがない。
でも料理の質は変わらないのだから別にいいとかなみは思う。
何を食べるかよりも誰と食べるかの方が大切である。
一般招待客の会場にも多くの人が来ていた。
VIPの招待客ほどではないしてもパーティーであるのでみんなしっかりと着飾っている。
「圭さん……あっ!」
みんながいないかと会場を見回していた圭に薫が気づいた。
そしてすぐに腕を絡ませるかなみの姿にも気づいた。
「おやぁ? なにをしてるのかな?」
「エスコートしてるのよ」
夜滝はかなみが絡ませる腕を見て目を細めた。
かなみは平然と笑顔を浮かべて答える。
「ならもういらないんじゃないかぃ?」
「そうね……でもいいじゃない?」
「何もよくねぇぞ!」
「んー、残念」
かなみは少し口を尖らせて圭から腕を離す。
「みんなも似合ってるな」
みんなの雰囲気が良くないので圭は話題を変えようと試みる。
かなみだけじゃなく夜滝たちもドレスを着てしっかりとお洒落していた。
男の薫はタキシード姿でみんなそれぞれ似合っている。
「私が用意したんだもの、当然でしょう?」
圭がかなみにお願いしていたこととは夜滝たちのドレスアップであった。
夜滝たちはドレスなんて持っていない。
そこで同じくパーティーに出席することになっていたかなみに協力を要請したのである。
かなみは喜んで夜滝たちのドレスアップを手伝ってくれた。
「でもやっぱり……こんな格好は恥ずかしいな」
カレンが頬を赤らめる。
普段しない格好のせいなのかドレスというものが恥ずかしく思うのだ。
「カレンも似合っててキレイだよ」
「ん……あんがと……」
そう言われるだけで着てきた価値はあるとカレンが照れ臭そうに笑う。
「それで、例の件は?」
かなみは声をひそめる。
例の件とはアザードのことである。
かなみは圭たちの秘密も知っている仲間と言ってもいい。
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かなみも今回の協力者なのである。
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