476 / 515
第九章
圭の能力1
しおりを挟む
「村雨さん……一つお聞きしたいのですが現在の覚醒者等級は本当にD級ですか?」
覚醒者協会を訪れた圭は伊丹に険しい視線を向けられていた。
ずっと引っかかっていたことがある。
圭は最初G級だった。
しかしいつの間にか圭の覚醒者等級は上がって覚醒者協会では圭をD級だと把握していた。
再覚醒というものはあり得ない話ではない。
けれどそれにしても等級が一つか二つ上がる程度のものが多い。
にもかかわらず圭はG級からD級に上がった。
かなり特殊な例であり、さらには等級の上がり方も急にD級なったのではなくE級になってと段階を踏むように強くなっている。
これもまた特殊すぎる例である。
ただそれは再覚醒の途中であるのだろうと覚醒者協会は思っていた。
圭の等級が低いこともあって大きく注目されてこなかったのである。
「今回アメリカでの健康調査が行われた時に覚醒者等級検査の一部も取り行ったようです。村雨さんが自らご協力なさったものではないので結果の正確性は保証できないのですが……今の村雨さんはB級相当の力があるというのが向こうの検査で出た結果です」
『村雨圭
レベル77
総合ランクC
筋力C(英雄)
体力B(伝説)
速度C(英雄)
魔力C(一般)
幸運B(神話)
スキル:真実の目、導く者
才能:類い稀な幸運』
圭はこっそり自分のステータスを確認する。
アザードの船、ベルゼブブ、魔界での戦いを経て圭のレベルは大きく上がっていた。
確かに能力はいつの間にか総合ランクC、覚醒者等級でいえばB級になっている。
B級にまでなると国家でも保護の対象になるほどの高等級覚醒者である。
流石にB級にまでなってしまえば異常さを見過ごすことは難しくなる。
そうなると圭の周りの人も異常であることに伊丹は気がついた。
夜滝は最初F級だった。
波瑠も登録時はE級、カレンや薫も低級覚醒者であった。
なのにD級ゲートや挙句にはC級ゲート攻略記録もある。
となれば全員少なくともD級以上、C級やB級なことだって考えられるのだ。
「これまで村雨さんにはいろいろなことがありました。それでも私はなんとか処理してきましたが……もう周りの目を誤魔化すようなことはできません。どういうことか教えていただけますか? まさか覚醒者等級を誤魔化していたのですか?」
検査を誤魔化して覚醒者等級を低く見せることが可能かどうかは難しいところであるが、できないと言い切れるものでもない。
圭が犯罪に関与した証拠はないけれどあまりにも多くのことに巻き込まれているために伊丹でも疑いを持たざるを得ない。
圭は何者なのか。
あるいは圭たちは何者なのか。
もしかしたら圭を収監することにもなりかねないと伊丹は思っていた。
「……分かりました。これまで助けてくれた伊丹さんだからお話しします」
「…………何か秘密があるのですね?」
「俺には鑑定スキルがあります。物の鑑定の他に覚醒者の能力や才能を見抜くことができるスキルがあるんです」
「能力はともかく才能ですか?」
「そうです。そして一部の人は覚醒時よりも強くなることができる、ということが分かったんです」
「強くなれる……」
圭の言葉に伊丹は驚きを隠せない。
「俺もそうですし、俺のギルドに所属している夜滝もカレンも波瑠も薫も……全員強くなれる覚醒者なんです」
「ちょ……ちょっと待ってください! 覚醒者は覚醒した時から強さが変わらないというのは大体における共通認識です。村雨さんはそんな中でも強くなれる覚醒者を見抜けるということですか?」
「その通りです」
レベルがあってモンスターを倒せば強くなれるとか覚醒時に多くの人はある程度レベルを与えられていて強くなるのは難しいとかそういうことは面倒なので説明から省く。
「そんなこと……」
「実際俺は強くなりました。本当にB級まであるのかは分かりませんがそれぐらいの力はあると思います。他のみんなもC級……B級近くまできています」
「では再覚醒ではなくただ強くなっていっている途中だったということですか?」
「そうですね。色々なことに巻き込まれるのは俺のせいではなく……ただ運が悪いというか」
トラブルなんて避けるに越したことはない。
圭が巻き起こしているものでもなければ自ら探して首を突っ込んでいるものでもない。
トラブルに首突っ込むことに怪しさもあるようだけどそれは強くなっていることとは全く無関係の事象である。
「……リーダビリティギルドの覚醒者の再検査をお願いします」
悩んだような伊丹はひとまず圭の話が本当なのか確かめることにした。
本当に強くなっているのなら圭は強くなれる覚醒者を見抜くことができる唯一無二の能力を持っているということになる。
「この話、上にしてもよろしいですか?」
「……あまり多くの人に知られるのは避けたいです」
「では秘密裏に一部の人に話しましょう。本当ならば非常に重大な案件です」
「分かりました。伊丹さんのこと、信頼します」
圭の能力のことはいつかバレるだろうと思っていた。
みんな強くなっているし隠しようもない時がいつかくる。
不意にバレて問題になるぐらいなら今打ち明けて秘密裏に話を進めてしまう方がいいだろうと思った。
覚醒者協会を訪れた圭は伊丹に険しい視線を向けられていた。
ずっと引っかかっていたことがある。
圭は最初G級だった。
しかしいつの間にか圭の覚醒者等級は上がって覚醒者協会では圭をD級だと把握していた。
再覚醒というものはあり得ない話ではない。
けれどそれにしても等級が一つか二つ上がる程度のものが多い。
にもかかわらず圭はG級からD級に上がった。
かなり特殊な例であり、さらには等級の上がり方も急にD級なったのではなくE級になってと段階を踏むように強くなっている。
これもまた特殊すぎる例である。
ただそれは再覚醒の途中であるのだろうと覚醒者協会は思っていた。
圭の等級が低いこともあって大きく注目されてこなかったのである。
「今回アメリカでの健康調査が行われた時に覚醒者等級検査の一部も取り行ったようです。村雨さんが自らご協力なさったものではないので結果の正確性は保証できないのですが……今の村雨さんはB級相当の力があるというのが向こうの検査で出た結果です」
『村雨圭
レベル77
総合ランクC
筋力C(英雄)
体力B(伝説)
速度C(英雄)
魔力C(一般)
幸運B(神話)
スキル:真実の目、導く者
才能:類い稀な幸運』
圭はこっそり自分のステータスを確認する。
アザードの船、ベルゼブブ、魔界での戦いを経て圭のレベルは大きく上がっていた。
確かに能力はいつの間にか総合ランクC、覚醒者等級でいえばB級になっている。
B級にまでなると国家でも保護の対象になるほどの高等級覚醒者である。
流石にB級にまでなってしまえば異常さを見過ごすことは難しくなる。
そうなると圭の周りの人も異常であることに伊丹は気がついた。
夜滝は最初F級だった。
波瑠も登録時はE級、カレンや薫も低級覚醒者であった。
なのにD級ゲートや挙句にはC級ゲート攻略記録もある。
となれば全員少なくともD級以上、C級やB級なことだって考えられるのだ。
「これまで村雨さんにはいろいろなことがありました。それでも私はなんとか処理してきましたが……もう周りの目を誤魔化すようなことはできません。どういうことか教えていただけますか? まさか覚醒者等級を誤魔化していたのですか?」
検査を誤魔化して覚醒者等級を低く見せることが可能かどうかは難しいところであるが、できないと言い切れるものでもない。
圭が犯罪に関与した証拠はないけれどあまりにも多くのことに巻き込まれているために伊丹でも疑いを持たざるを得ない。
圭は何者なのか。
あるいは圭たちは何者なのか。
もしかしたら圭を収監することにもなりかねないと伊丹は思っていた。
「……分かりました。これまで助けてくれた伊丹さんだからお話しします」
「…………何か秘密があるのですね?」
「俺には鑑定スキルがあります。物の鑑定の他に覚醒者の能力や才能を見抜くことができるスキルがあるんです」
「能力はともかく才能ですか?」
「そうです。そして一部の人は覚醒時よりも強くなることができる、ということが分かったんです」
「強くなれる……」
圭の言葉に伊丹は驚きを隠せない。
「俺もそうですし、俺のギルドに所属している夜滝もカレンも波瑠も薫も……全員強くなれる覚醒者なんです」
「ちょ……ちょっと待ってください! 覚醒者は覚醒した時から強さが変わらないというのは大体における共通認識です。村雨さんはそんな中でも強くなれる覚醒者を見抜けるということですか?」
「その通りです」
レベルがあってモンスターを倒せば強くなれるとか覚醒時に多くの人はある程度レベルを与えられていて強くなるのは難しいとかそういうことは面倒なので説明から省く。
「そんなこと……」
「実際俺は強くなりました。本当にB級まであるのかは分かりませんがそれぐらいの力はあると思います。他のみんなもC級……B級近くまできています」
「では再覚醒ではなくただ強くなっていっている途中だったということですか?」
「そうですね。色々なことに巻き込まれるのは俺のせいではなく……ただ運が悪いというか」
トラブルなんて避けるに越したことはない。
圭が巻き起こしているものでもなければ自ら探して首を突っ込んでいるものでもない。
トラブルに首突っ込むことに怪しさもあるようだけどそれは強くなっていることとは全く無関係の事象である。
「……リーダビリティギルドの覚醒者の再検査をお願いします」
悩んだような伊丹はひとまず圭の話が本当なのか確かめることにした。
本当に強くなっているのなら圭は強くなれる覚醒者を見抜くことができる唯一無二の能力を持っているということになる。
「この話、上にしてもよろしいですか?」
「……あまり多くの人に知られるのは避けたいです」
「では秘密裏に一部の人に話しましょう。本当ならば非常に重大な案件です」
「分かりました。伊丹さんのこと、信頼します」
圭の能力のことはいつかバレるだろうと思っていた。
みんな強くなっているし隠しようもない時がいつかくる。
不意にバレて問題になるぐらいなら今打ち明けて秘密裏に話を進めてしまう方がいいだろうと思った。
15
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる