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治療
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「それでは、今日の帰りは王太子殿下にお願いしてありますので、宜しくお願い致します。」
「分かったわ。シルも気を付けてね?」
今日のベルフォーネ様は、予定通り朝から王城にて王妃教育。お昼から王太子殿下とのイチャラブタイム。
私も、予定通り、王弟殿下の元へと行く事になった。
王弟殿下の執務室は王城の本殿ではなく、東側にある魔法塔と呼ばれる城の中にある。因みに、西側には騎士塔がある。
「よく来たな。」
王弟殿下の執務室の扉を叩くと、王弟殿下自らが扉を開け私を迎え入れてくれた。
執務室には、王弟殿下と私の2人きりだった。
「色々デリケートな話があるだろうから、人払いをしておいた。」
お互い、婚約者どころか恋人も居ない異性が2人キリ─結婚する気が全く無い私は良いけど─いや、それでも良くないのでは?更に、王弟殿下は地位も名誉も容姿も整いまくっていて、擦り寄る女性は沢山居るだろう…。で、この状況─え?ちょっと怖くありませんか?まぁ─私は容姿も普通で可愛気がある訳でもないから、噂にすらならないと思うけど…。
「基本、魔法騎士には魔法馬鹿しかいないから、変に気にする必要はないぞ?それに、12も歳が離れているからなぁ。」
「─それもそうですね。先生と生徒ですし…。」
確かに、どう見ても…恋仲には見えないよね。
「それでは、王弟殿下、今日は宜しくお願い致します。」
「魔法騎士が一気に魔力を失って危なくなった時、応急処置として、同属持ちが自分の魔力を相手に流すんだ。合う合わないがあるから、予め誰と合うのかを調べておくんだ。」
「やっぱり、属性が違うと駄目なんですか?」
「あぁ。属性が違うと、魔力を流した途端に拒否反応が起こるし、一切魔力を受け付けない。その点、俺とお前は同じ属性だから、そこは大丈夫だ。後は、相性の問題だけだが、こればかりは実際流してみないと分からないんだ。」
「分かりました。心の準備はして来ましたので、どうぞ宜しくお願いします。」
一通りの説明と質問が終わり、治療中倒れたら危ないと言う事で、執務室のソファーに横になり、その状態のままで王弟殿下にお願いをしてから、目をソッと瞑った。
「何だろうな…この体制で言われると…罪悪感が…」
「?」
何やらブツブツと呟く王弟殿下。
「んんっ。何でもない、気にするな。それじゃあ、少しずつ流して行くからな。」
そう言って、王弟殿下が傷のある肩に手をあてて、魔力を流し始めた。
初めは、少しの違和感。
ドクンッ─と、心臓が驚いた時の様に大きく音を立てた。
それから暫らくすると、今度は冷えた身体が温まっていくような感覚。今迄血液が流れていなかった?と思える程、身体中に血液が流れ出した様な感覚。
時折痛みが出る傷痕も、今はただただ温かい。いや、そこに置かれている王弟殿下の手が温かいのだ。
そんな感覚が一瞬だったのか…長かったのかよく分からない。安心感が身体を覆っているのに、何故か身体を動かす事ができなくて、目だけを開けて王弟殿下の居る方へと視線を向けると、その視線に気付いた王弟殿下が
「気分はどうだ?流す側としては、スムーズに流れたと思うが…。」
「はい、全然問題はありません。それどころか…身体中が温かくて…心地良い気分で…ホッとし過ぎて体が動かないと言う感じです。」
「そうか。なら…俺とお前の魔力の相性は問題無いと言う事だな。それと、流れが途切れていたここも、少し流れるようになっている。」
「本当ですか!?」
「あぁ。直ぐに回復─とはいかないが、この治療を繰り返し行えば、もっと良くなるかもしれないな。」
ー繰り返し行うー
「そうなんですね…。では、これから、魔力の相性が合う人を探さないといけませんね。」
ーうーん…どうやって探せば良いんだろう?ー
「は?探す?」
「え?はい。探さないと繰り返し治療を受ける事ができないので…」
目の前に居る王弟殿下は、何故かポカンとした顔をしている。
ーあれ?私、何か失言した?やらかしてしまった?ー
「探すも何も…俺が居るから問題無いだろう?」
「──はい??」
今度は私がポカンとする番である。
「いえいえ、私なんかの為に、王弟殿下の手を煩わす訳には──」
「そんな事は気にするな。それに、魔法士として、途切れた流れがちゃんと回復するのかどうかも気になるからな。それに、これから先も、副反応が無いとも限らないからな。」
そう言われると、断るに断れない…よね?
「ご迷惑では…無ければ、宜しくお願い致します。」
そう言うと、王弟殿下は私の頭をポンポンと優しく叩いて微笑んだ。
*ハイネル邸にて*
「シルフィーが来ない?」
「そうなんです。手紙には、今日のお昼過ぎに来ると書いてあるんですけど…まだ来ていなくて…。」
と、エレーナは手に持っている手紙を、寂しそうな目で見つめている。チラリと見ただけだが、確かに、その便箋にはキリクスの家紋が入っていて、シルフィーが私への手紙にも使っている便箋と同じモノのように見える。
「シルフィーも、何か急に予定が入ったのかもしれないね。ベルフォーネ様の侍女をしているから、色々大変なんだろう。」
シルフィーが、簡単に約束を破る事なんてしないと思うけど。
「そう…ですね。この様な事が何度かあったから、避けられてるのかな?って思ってしまって…。でも、そうですね!シルフィーも忙しいだけですよね!?兎に角、マクウェル様、久し振りなので…王都の事や学園の事、色々聞かせて下さい!」
“この様な事が何度かあったから”
と言うエレーナの言葉が気にはなったが、その日はエレーナと、後からやって来たアーロンの3人で久し振りの再会に話に花を咲かせた。
「分かったわ。シルも気を付けてね?」
今日のベルフォーネ様は、予定通り朝から王城にて王妃教育。お昼から王太子殿下とのイチャラブタイム。
私も、予定通り、王弟殿下の元へと行く事になった。
王弟殿下の執務室は王城の本殿ではなく、東側にある魔法塔と呼ばれる城の中にある。因みに、西側には騎士塔がある。
「よく来たな。」
王弟殿下の執務室の扉を叩くと、王弟殿下自らが扉を開け私を迎え入れてくれた。
執務室には、王弟殿下と私の2人きりだった。
「色々デリケートな話があるだろうから、人払いをしておいた。」
お互い、婚約者どころか恋人も居ない異性が2人キリ─結婚する気が全く無い私は良いけど─いや、それでも良くないのでは?更に、王弟殿下は地位も名誉も容姿も整いまくっていて、擦り寄る女性は沢山居るだろう…。で、この状況─え?ちょっと怖くありませんか?まぁ─私は容姿も普通で可愛気がある訳でもないから、噂にすらならないと思うけど…。
「基本、魔法騎士には魔法馬鹿しかいないから、変に気にする必要はないぞ?それに、12も歳が離れているからなぁ。」
「─それもそうですね。先生と生徒ですし…。」
確かに、どう見ても…恋仲には見えないよね。
「それでは、王弟殿下、今日は宜しくお願い致します。」
「魔法騎士が一気に魔力を失って危なくなった時、応急処置として、同属持ちが自分の魔力を相手に流すんだ。合う合わないがあるから、予め誰と合うのかを調べておくんだ。」
「やっぱり、属性が違うと駄目なんですか?」
「あぁ。属性が違うと、魔力を流した途端に拒否反応が起こるし、一切魔力を受け付けない。その点、俺とお前は同じ属性だから、そこは大丈夫だ。後は、相性の問題だけだが、こればかりは実際流してみないと分からないんだ。」
「分かりました。心の準備はして来ましたので、どうぞ宜しくお願いします。」
一通りの説明と質問が終わり、治療中倒れたら危ないと言う事で、執務室のソファーに横になり、その状態のままで王弟殿下にお願いをしてから、目をソッと瞑った。
「何だろうな…この体制で言われると…罪悪感が…」
「?」
何やらブツブツと呟く王弟殿下。
「んんっ。何でもない、気にするな。それじゃあ、少しずつ流して行くからな。」
そう言って、王弟殿下が傷のある肩に手をあてて、魔力を流し始めた。
初めは、少しの違和感。
ドクンッ─と、心臓が驚いた時の様に大きく音を立てた。
それから暫らくすると、今度は冷えた身体が温まっていくような感覚。今迄血液が流れていなかった?と思える程、身体中に血液が流れ出した様な感覚。
時折痛みが出る傷痕も、今はただただ温かい。いや、そこに置かれている王弟殿下の手が温かいのだ。
そんな感覚が一瞬だったのか…長かったのかよく分からない。安心感が身体を覆っているのに、何故か身体を動かす事ができなくて、目だけを開けて王弟殿下の居る方へと視線を向けると、その視線に気付いた王弟殿下が
「気分はどうだ?流す側としては、スムーズに流れたと思うが…。」
「はい、全然問題はありません。それどころか…身体中が温かくて…心地良い気分で…ホッとし過ぎて体が動かないと言う感じです。」
「そうか。なら…俺とお前の魔力の相性は問題無いと言う事だな。それと、流れが途切れていたここも、少し流れるようになっている。」
「本当ですか!?」
「あぁ。直ぐに回復─とはいかないが、この治療を繰り返し行えば、もっと良くなるかもしれないな。」
ー繰り返し行うー
「そうなんですね…。では、これから、魔力の相性が合う人を探さないといけませんね。」
ーうーん…どうやって探せば良いんだろう?ー
「は?探す?」
「え?はい。探さないと繰り返し治療を受ける事ができないので…」
目の前に居る王弟殿下は、何故かポカンとした顔をしている。
ーあれ?私、何か失言した?やらかしてしまった?ー
「探すも何も…俺が居るから問題無いだろう?」
「──はい??」
今度は私がポカンとする番である。
「いえいえ、私なんかの為に、王弟殿下の手を煩わす訳には──」
「そんな事は気にするな。それに、魔法士として、途切れた流れがちゃんと回復するのかどうかも気になるからな。それに、これから先も、副反応が無いとも限らないからな。」
そう言われると、断るに断れない…よね?
「ご迷惑では…無ければ、宜しくお願い致します。」
そう言うと、王弟殿下は私の頭をポンポンと優しく叩いて微笑んだ。
*ハイネル邸にて*
「シルフィーが来ない?」
「そうなんです。手紙には、今日のお昼過ぎに来ると書いてあるんですけど…まだ来ていなくて…。」
と、エレーナは手に持っている手紙を、寂しそうな目で見つめている。チラリと見ただけだが、確かに、その便箋にはキリクスの家紋が入っていて、シルフィーが私への手紙にも使っている便箋と同じモノのように見える。
「シルフィーも、何か急に予定が入ったのかもしれないね。ベルフォーネ様の侍女をしているから、色々大変なんだろう。」
シルフィーが、簡単に約束を破る事なんてしないと思うけど。
「そう…ですね。この様な事が何度かあったから、避けられてるのかな?って思ってしまって…。でも、そうですね!シルフィーも忙しいだけですよね!?兎に角、マクウェル様、久し振りなので…王都の事や学園の事、色々聞かせて下さい!」
“この様な事が何度かあったから”
と言うエレーナの言葉が気にはなったが、その日はエレーナと、後からやって来たアーロンの3人で久し振りの再会に話に花を咲かせた。
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