モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第二章ー同棲ー

戻った日常

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*エディオル視点*





*少し日は遡って、ハルが悠介を日本へ還した日*



「悠介の精神に干渉した。」

「…それは…禁忌だろう!?」

コトネが自室に下がった後、リュウから話があると言われて、今、俺とゼン殿とリュウの3人で執務室に居る。

「あぁ、この世界では禁忌だけど、あっちの世界では…ね。」

と、肩を竦めながら言うリュウ。

「もともと、この世界がゲームの世界だったって話はしたよな?悠介がこの世界に来たのも、多分その強制力が働いたんだと─俺は思ってる。まぁ…ハルのお陰で元の世界に還せたけど、ここでの記憶を持ったままだと、どうなるか分からないと思ったんだ。」

「なるほど。この事、ハル様には?」

「勿論言ってない。ハルは…今回の事はネージュが絡んでいるから、悠介を完全に赦している事は無いと思うけど…“悠兄さん”と呼ぶ位だから、嫌いになったりはしてないだろうし。この世界やハルの記憶を消した─とはね…。」

リュウは少し困ったような顔をする。

ーコレが、本来のリュウなんだろうー

未だに、コレが魔法使いリュウなのか?と、疑いたくなる程の変わりようだ。コトネも、そんなリュウの変化や態度で、リュウの事は全て赦している。寧ろ、同じ魔法使いとして頼って信頼している。

禁忌である魔法を使ってでも、ユウスケの記憶を消したのも、これから先コトネに害が及ばないように─なんだろう。

「一応、ハルのエディオル婚約者ゼン保護者には言っておこうと思って。それと、あの魔道具の事だけど、まだ裏の世界には残っている可能性が高いと思う。まぁ…こればっかりは地道に探して回収して行くしかない。でも、何とか…アレを使われても、魔力が吸われないようにする事ができないか…色々と考えてみるよ。」

それからもう少し今回の事を話し合ってから、リュウはその日のうちに隣国へと帰って行った。











*****


あの事件以後は平和な日々を送れていた。

どうやらコトネは、ネージュ殿のお腹の子が気になって仕方が無いようだ。毎日のように

「モフモフ…」

と呟いては顔が緩んでいる。

ー可愛いしかないなー

と思いながらコトネを見る─が、ルーティンになっていた。








その日の仕事は護衛ではなく書類作業だった。その為、思ったよりも早く終わり─

「終わったのなら、今日はもう帰っても良いぞ。」

と近衛の隊長に言われて、素直に帰る事にした。









「ハル様なら、ミヤ様と一緒にネージュの所に行っています。」

とバートに言われて小屋にやって来ると、小屋の前の庭にある木の下に、ネージュ殿を挟むようにしてハルとミヤ様が座っていた。どうやら、ミヤ様とネージュ殿は寝ているようだ。そのまま、静かに近付いていくと

「やっぱり、安心と安眠の魔法が掛けられてるんだ。」
「──まだそんな事を言っているのか?」
「ひゃ─────んぐっ」

ビックリ?したコトネが叫びそうになったが、慌てて自分の口を押さえて我慢した。コトネは“安心”について言い訳をしていたが、また後でしっかりと解らせよう─と、心の中で呟いた。




まぁ…そこからは色々と驚きの連続だった。
ネージュ殿がいきなり産気づいた─と思ったら、5分も掛からないうちに生まれた。人間ひとの出産や獣の出産とは全く違っていた。

その子供は、コトネが想像していた“黒のモフモフ”だった。我慢?していた末に、そのモフモフを抱っこした時のコトネは

ーヤバい位に可愛かったー






「折角エディオルさんが早く帰って来たんだもの、私ももう帰るわ。お邪魔虫─にはなりたくないからね。」

と、ミヤ様が帰った後、俺は久し振りにコトネを俺の部屋へと連れ去って来た。バートにお茶の用意をさせてから下がらせ、2人きりになった。
俺の足の間に座らせて、後ろから抱きしめた。その小さな温もりに安堵する自分が居る。

「ネージュとノアの子供、可愛かったですね。」

「ん?そうだな。コトネも可愛いけど。」

「ゔっ──やっぱり、可愛いのハードルが低過ぎる!」

またいつものやりとりだが、こうして普通にコトネと過ごせる時間が幸せだな─と思う。

ー後は…結婚できたらなぁー

コトネの気持ちが追い付くのを待つ─と言ったのは本心だ。でも、今すぐにでも、コトネの全てが欲しい─とも思う。
“婚約者”になれば安心できると思っていたのに。なったらなったで、そんな不安定な肩書きだけでは物足りない…。もっとしっかりとした形にしたい─。
どうも、コトネに対してだけは欲の底知らず─の様な気がする。
そんな事を考えていると、無意識に力が入っていたようで

「…ディ、ちょっと…苦しいかな?」

と、コトネが俺の腕をペシペシと叩いた。

「あぁ、すまない。こうして2人でゆっくりするのも…久し振りだな─と思ったら、ついつい力が入ってしまった。」

「……」

「コトネ?」

いつもなら、逃げようとしたり恥ずかしがったりする筈なのに、何の反応もしないコトネ。

「あのですね?えっと…その…ディは…私と…家族になってくれるんですよね?」





と、コトネが口を開いた。





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