モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第二章ー同棲ー

幸せの形

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「あのですね?えっと…その…ディは…私と…家族になってくれるんですよね?」

ー私、馬鹿なの!?言い方がおかしいよね!?ー

「…コトネ?やっぱり…まだまだ分かってないようだな?」

「ゔっ」

顔は見えないけど、背中がゾクゾクします!コレはヤバいやつです!

「違うんです!分かってます!本当に分かってますから!ディ、ちょっと落ち着いて私の話を聞いてくれますか!?」

ペシペシとエディオルさんの腕を必死に叩く。

「くっ…そんな可愛い抵抗を必死に……。分かった。取り敢えず、コトネの話を聞く。それから…だな。」

ーそれから何をされるんですか?ー

とは、きっと訊かない方が良いやつです。

「あのですね?前にも言ったと思うんですけど、カテリーナ様やネージュを見てると、家族が増えるのは良いなって。私、元の世界では…誰も居なくてひとりぼっちだったから。」

そう言うと、エディオルさんが優しくギュッと腕に力を入れてくれる。

「ふふっ。でも、こうやって、ディが私の事を大切にしてくれて、その…いつも…可愛いとか…すっ…好…きとか言ってくれて…それが恥ずかしいけど嬉しくて。それで、幸せだな─って。」

「それは…良かった。」

そう言って、エディオルさんが私の頭にキスをする。

「それで…あの…私の幸せは…いつもディの側にあるんだな─って。その幸せを失いたくないな─って。婚約者だって…分かってるんです…けどね…その…それでも…ちょっと…不安になってしまって…。」

私のお腹に回されているエディオルさんの腕を、ギュッと握る。

「あの…改めてなんですけどね?私と…家族に…なってくれますか?」

「………」

ーうぅ…何?この沈黙は…ー

後ろから抱き締められたままで、私は前を向いたままだから、エディオルさんがどんな顔をしているのか─全く分からない。
私の心臓は、バクバクと大きな音を立てて騒いでいる。

「あの─ディ?」

と何とか呼び掛けると

「──それは…また、俺の都合の良いように取るけど…良いのか?」

「えっと?」

「コトネが…俺と…結婚したいって。家族夫婦になりたい─って。」

「ふふっ。それ、ディの都合の良いようにじゃなくて…そう思って…言いました。」

フッと力が抜けて、エディオルさんに凭れ掛かる。そんな私の頭にエディオルさんが頬を擦り寄せて来る。

「それじゃあ─もう、コトネが嫌がっても逃げられないように、早く式の日取りを決めないとな。」

「嫌がらないし、逃げたりもしませんよ?」

「それでも…俺は、少しでも早く…コトネと結婚して…俺だけのモノにしたい。」

「えっと…お手柔らかに…お願いしますね?」

ソロソロとエディオルさんの方へと顔を向けると、青い瞳と目が合った。その青い瞳は、私を安心させてくれるけど、ドキドキもさせられる。その瞳がゆっくりと近付いて来て、触れるだけのキスをされた。

息が出来ない程のキスでもないのに、心臓がバクバクしている。

「コトネの気が変わらないうちに…うん、今すぐカルザインとパルヴァンに手紙を飛ばそうか。お互いの都合の良い日に集まってもらわないとな。」

「むうーっ。そんなに直ぐに、私の気持ちが変わると思われてるんですか?」

そりゃあ、最初は怖くて怖くて仕方が無い人で…優しくされてコロッと好きになった─みたいに見えるかもしれないけど…

「私だって、ちゃんとディの事が好きなんですからね?分かってくれてますか?」

「ん?あぁ、分かって──ないかもしれないな。」

「え゙っ!?」

「俺は、コトネから好かれてるのかどうか、まだまだ分かってないかもしれないから、今、ここで、分かるようにしてもらいたいな。」

「えっ!?」

ー今、ここで、分かるように─って何!?ー

バッとエディオルさんを見上げれば、とっても綺麗な笑顔をして笑っている。

「っ!?かっ…揶揄ってますよね!?」

「いいや?揶揄ってなんか…ないぞ?」

ーいやいや!目がニヨニヨしてますからね!?ー

でも──

「私だって、やれば…出来るんです!」

「ん?何を───」

グイッとエディオルさんの顔を引き寄せてキスをする。少しだけ…ほんの少しだけ、深いキスを頑張った!はい!頑張りましたよ!長くは無理だけど!

「……」

固まっているエディオルさんの腕からガバッと抜け出して

「あのっ!私、部屋に戻って…グレン様に手紙を…書いて来ますね!!」

エディオルさんが固まっているうちに、急いで自室へと帰った。

ー部屋にさえ戻れば、ルナさんかリディさんが居るだろうし…を喰らう事は無い筈!ー




何て…軽く考えていたその時の私は…知らなかった。








「コトネ…俺を煽るだけ煽って…あぁ…夜が楽しみだなぁ…。」






と、エディオルさんが黒い笑顔で呟いていた─なんて。










その夜、倍返しどころじゃないを喰らった。酸欠に陥り掛けてグッタリしてエディオルさんに凭れ掛かっている私に

「逃げたコトネが悪い。」

と、耳元で囁かれた。








ーいや、私は…絶対に…悪くない!ー





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