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失格
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ニヤニヤと嗤う大森さんに対して、カミリア王女とアシーナさんとリュークレインさんの顔は冷ややかだ。
美緒さんと樹君は、呆れた顔をして大森さんを見ている。
「私に、聖女として浄化巡礼に参加してほしかったら、私の願いを聞いてもらうわ。それに、素直に謝ってくれたら赦しますよ?」
ー赦すとは?誰が誰を赦すのか?ー
「サヤカ、私は言ったわよね?“自分の行いは、必ず自分に返って来る”と。貴方が聖女としての務めを果たせないと言うなら、その行いが、自分に返って来るのよ?ちゃんと、理解しているの?」
「ええ、ちゃんと理解しているわ。だから、救って欲しければ、私に頭を下げてお願いしてくれれば良いのよ。それが、貴方でも王女でも構わないわ。リュークレイン様でもね?」
『ならば、お前に与えたモノは返してもらうわ』
冷たい声が響き渡り、ピリピリとした雰囲気が漂ったかと思えば、一気に重力が増したかの様に体が重たくなり簡単に身動きができなくなった。
ーこの声、こ感覚は……ー
青い光とともに、水の精霊─ウンディーネ様が現れた。
『私の愛しい子、また会えて嬉しいわ』
ウンディーネ様が、私に向けて軽く手を振ると、今迄重かった体が一瞬にして軽くなった。
『さて……。サヤカ…だったかしら?お前は、今回の浄化巡礼には参加しないのね?』
ウンディーネ様は微笑んだまま、声を荒げる事もなく静かに確認するように大森さんに質問をする。
「───っ…そう…よ。でも、どうしても!って…頭を下げてくれれば、するわ!それと、リュークレイン様とアイツの婚約は……破棄してもらうわ!」
大森さんは、ウンディーネ様を目の当たりにしても、何も思わない─感じないの?ある意味……凄くない!?ウンディーネ様からの圧が凄過ぎて、普通なら一言喋るだけでも大変だと思うけど。
『ふふっ。本当にお馬鹿な子ね?何度も忠告されたでしょう?“自分の行いは自分に返って来る”と』
「だから、ちゃんと理解してると言っているのよ!」
『なら良かったわ。理解しているそうよ。仕方無いわよね?』
と、ウンディーネ様が誰とも無く声を掛ける。
『私もちゃんと聞いたわ』
『これは仕方無いなぁ』
と声を響かせながら、短髪の赤色の髪と瞳をした男性?と、腰まであるオパールグリーンの髪と瞳をした女性?が現れた。この更なる威圧感からして、火の精霊と風の精霊ではないだろうか?私はウンディーネ様のお陰で平気だけど、他の人達の顔色の悪さ?が尋常では無い気がする。きっと、立っているだけで精一杯と言うところだろう。
その中でも、大森さんの体が異常な程に震えている。
『“この世界に魂が馴染む者”が“死と直面した時”、その者を救う為に、こちらの世界へと召喚するのよ。そこに“命”が関わっている限り、無条件と言う訳にはいかない。何故なら、いくらこちらの都合で召喚したとしても、どうしても落ちて来た者達は、この世界では異物でしかないから。だから、命を助けた代わりに、こちら側も助けてもらう事でこの世界に受け入れられるようになるのよ』
ーそれが本当なら私は?命を助けられたけど、何も返していないよね?ー
『キョウコに関しては、色々なイレギュラーがあったから、その定義には当て嵌まらないのよ。それに、私の可愛い子であり、精霊の遣いでもあるからね』
ーあれ?それって、ある意味、ウンディーネ様は最強って事ですか?ー
『『四大精霊の中では一番ね(だ)』』
風の精霊と火の精霊らしき2人の声がハモった──えっと、私の心の声は、まる聞こえなんですね?どう言う意味で一番なんですか?
『兎に角、サヤカ。お前の意思は分かったわ。ならば、お前に与えたモノは返してもらうわ』
「与えたモノを返してもらう──って…何を?」
『ふふっ。もう、気付いているのでしょう?既に、お前の身体から、少しずつ失って行っているのだから。聖女としての力である光の魔力が───』
ウンディーネ様が言い終わると、3人の精霊達がサッと手を振り上げた。
すると、青色と赤色と淡い緑色の光が一斉に大森さんの身体を包み込んだ。あまりの眩しさにギュッと目を閉じると「いや!やめて!」と、大森さんの声だけが耳に届いた。
ふと、部屋に充満していた威圧感が軽くなり、目を開けると、眩しい程の光は無くなっていて、大森さんが床に倒れていた。
「え?大森さん!?」
ーまさか!?ー
思わず駆け寄って、呼吸を確かめる。
ー良かった……息は…してるー
大森さんには色々されたり言われたりと、思うところはあるけど、死んで喜ぶなんて事はない。ただ、反省して欲しかっただけだ。でも───
「ウンディーネ様、ひょっとして……大も─彩香さんは………」
『えぇ、サヤカは聖女ではなくなったわ。サヤカは、自分の意思で聖女である事を放棄した。だから、私達はサヤカから光の魔力を抜き取り、その力をここに居る4人の聖女達に分け与えたわ』
ウンディーネ様は、ニッコリと微笑んで4人の聖女さん達に視線を向ける。
『これで、貴方達のレベルはマックスになったわ。貴方達4人だけでも、十分に使命は果たされるわ』
ウンディーネ様は、こうなる事を予測していたのかもしれない……と思ったのは、私だけではないだろう。
美緒さんと樹君は、呆れた顔をして大森さんを見ている。
「私に、聖女として浄化巡礼に参加してほしかったら、私の願いを聞いてもらうわ。それに、素直に謝ってくれたら赦しますよ?」
ー赦すとは?誰が誰を赦すのか?ー
「サヤカ、私は言ったわよね?“自分の行いは、必ず自分に返って来る”と。貴方が聖女としての務めを果たせないと言うなら、その行いが、自分に返って来るのよ?ちゃんと、理解しているの?」
「ええ、ちゃんと理解しているわ。だから、救って欲しければ、私に頭を下げてお願いしてくれれば良いのよ。それが、貴方でも王女でも構わないわ。リュークレイン様でもね?」
『ならば、お前に与えたモノは返してもらうわ』
冷たい声が響き渡り、ピリピリとした雰囲気が漂ったかと思えば、一気に重力が増したかの様に体が重たくなり簡単に身動きができなくなった。
ーこの声、こ感覚は……ー
青い光とともに、水の精霊─ウンディーネ様が現れた。
『私の愛しい子、また会えて嬉しいわ』
ウンディーネ様が、私に向けて軽く手を振ると、今迄重かった体が一瞬にして軽くなった。
『さて……。サヤカ…だったかしら?お前は、今回の浄化巡礼には参加しないのね?』
ウンディーネ様は微笑んだまま、声を荒げる事もなく静かに確認するように大森さんに質問をする。
「───っ…そう…よ。でも、どうしても!って…頭を下げてくれれば、するわ!それと、リュークレイン様とアイツの婚約は……破棄してもらうわ!」
大森さんは、ウンディーネ様を目の当たりにしても、何も思わない─感じないの?ある意味……凄くない!?ウンディーネ様からの圧が凄過ぎて、普通なら一言喋るだけでも大変だと思うけど。
『ふふっ。本当にお馬鹿な子ね?何度も忠告されたでしょう?“自分の行いは自分に返って来る”と』
「だから、ちゃんと理解してると言っているのよ!」
『なら良かったわ。理解しているそうよ。仕方無いわよね?』
と、ウンディーネ様が誰とも無く声を掛ける。
『私もちゃんと聞いたわ』
『これは仕方無いなぁ』
と声を響かせながら、短髪の赤色の髪と瞳をした男性?と、腰まであるオパールグリーンの髪と瞳をした女性?が現れた。この更なる威圧感からして、火の精霊と風の精霊ではないだろうか?私はウンディーネ様のお陰で平気だけど、他の人達の顔色の悪さ?が尋常では無い気がする。きっと、立っているだけで精一杯と言うところだろう。
その中でも、大森さんの体が異常な程に震えている。
『“この世界に魂が馴染む者”が“死と直面した時”、その者を救う為に、こちらの世界へと召喚するのよ。そこに“命”が関わっている限り、無条件と言う訳にはいかない。何故なら、いくらこちらの都合で召喚したとしても、どうしても落ちて来た者達は、この世界では異物でしかないから。だから、命を助けた代わりに、こちら側も助けてもらう事でこの世界に受け入れられるようになるのよ』
ーそれが本当なら私は?命を助けられたけど、何も返していないよね?ー
『キョウコに関しては、色々なイレギュラーがあったから、その定義には当て嵌まらないのよ。それに、私の可愛い子であり、精霊の遣いでもあるからね』
ーあれ?それって、ある意味、ウンディーネ様は最強って事ですか?ー
『『四大精霊の中では一番ね(だ)』』
風の精霊と火の精霊らしき2人の声がハモった──えっと、私の心の声は、まる聞こえなんですね?どう言う意味で一番なんですか?
『兎に角、サヤカ。お前の意思は分かったわ。ならば、お前に与えたモノは返してもらうわ』
「与えたモノを返してもらう──って…何を?」
『ふふっ。もう、気付いているのでしょう?既に、お前の身体から、少しずつ失って行っているのだから。聖女としての力である光の魔力が───』
ウンディーネ様が言い終わると、3人の精霊達がサッと手を振り上げた。
すると、青色と赤色と淡い緑色の光が一斉に大森さんの身体を包み込んだ。あまりの眩しさにギュッと目を閉じると「いや!やめて!」と、大森さんの声だけが耳に届いた。
ふと、部屋に充満していた威圧感が軽くなり、目を開けると、眩しい程の光は無くなっていて、大森さんが床に倒れていた。
「え?大森さん!?」
ーまさか!?ー
思わず駆け寄って、呼吸を確かめる。
ー良かった……息は…してるー
大森さんには色々されたり言われたりと、思うところはあるけど、死んで喜ぶなんて事はない。ただ、反省して欲しかっただけだ。でも───
「ウンディーネ様、ひょっとして……大も─彩香さんは………」
『えぇ、サヤカは聖女ではなくなったわ。サヤカは、自分の意思で聖女である事を放棄した。だから、私達はサヤカから光の魔力を抜き取り、その力をここに居る4人の聖女達に分け与えたわ』
ウンディーネ様は、ニッコリと微笑んで4人の聖女さん達に視線を向ける。
『これで、貴方達のレベルはマックスになったわ。貴方達4人だけでも、十分に使命は果たされるわ』
ウンディーネ様は、こうなる事を予測していたのかもしれない……と思ったのは、私だけではないだろう。
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