(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!

みん

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三馬鹿

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「魔力無しのくせに、王太子殿下の側に居るなんて、本当に図々しい方なのね」

「殿下も、光の魔力持ちのリンディ様の双子の姉と言う事で、あなたを気にして下さってるだけなのよ。分かってらっしゃる?」

「おまけに、ブレイン様にまで媚びを売って…恥ずかしくありませんの?」


今日のランチは1人だった。ルイーズは騎士科の授業で学校敷地内にある森に行っていて、メリッサは今日は学校を休んでいたから。姉とも約束はしていなかった為、今日は中庭の奥にある、比較的人が少ない場所にあるベンチで、ライラが用意してくれたサンドイッチを食べていた─ところに、態々こんな所にまで私を探してやって来たのは、リンディと同じBクラスの3人の令嬢だった。その3人は、私を見付けると嬉しそうな顔をしながら近付いて来て、喜々として私を罵倒し始めたのだ。

美味しい筈のサンドイッチが、不味く感じる。

「私は、別に殿下やアンカーソン様に媚びを売っている訳ではありません。私は、姉のジェマに誘われて、姉の側に居るだけです」

「まぁ!それは屁理屈ではなくて?」

「それに、アンカーソン様は、その姉の婚約者です。私がアンカーソン様に媚を売る必要はありませんから。それに、私はアンカーソン様からは、どちらかと言うと嫌われていますから。それと、王太子殿下についてですが、王太子殿下ともあろう方が、私がリンディの姉だからと気に掛けるような暇な方だとお思いですか?ただ、殿下の側近のアンカーソン様が、婚約者である姉を連れていて、その姉が私を連れているから、仕方無く一緒に居る─だけですよ」

「っ!それが本当だと言う証拠はありませんでしょう!」

「ありませんけど、それが嘘だと言う証拠もありませんよね?そもそも、私に文句を言う事自体が間違ってるんですよ。“魔力無しの、リンディのオマケとなんて付き合うな”と、直線王太子殿下とアンカーソン様に進言して下さい。私は、一度だって側に行った事は無いんです。」

そう。いつも姉に誘われてランチを共にしているだけで、私からお願いした事は一度もない。

「なっ……本当に、あなたはリンディ様の言う通り、生意気な口を利きますのね!」

ー本当に“ああ言えばこう言う”人達だなぁー

でも、なるほど。この子達はリンディ光の魔力持ちの信望者で、リンディの言う事を信じているんだろう。

リンディを無視する。生意気な口を利く。我儘。

この子達には、私の事はよほどの悪女に映っているのだろう。噂話や片方だけの話を鵜呑みにする──貴族としてはどうなの?と心配にもなるけど、私には関係ない事だ。

「それだけですか?それだけなら、私はこれで失礼します」

残ったサンドイッチをもう一度包み直して、私はその場を後にした。




*エヴィが去った後の、アシェルハイド視点*


「全く反省も何もなかったわね」
「アレで、本当にリンディ様と双子の姉妹ですの?」
「リンディ様は、あんなにも儚げでお優しい方なのに…」


「──その“儚げでお優しいリンディ様”から、エヴィ嬢の事をどんな子だと聞いているんだい?」

「どんな子って────えっ!?」
「「「で…殿下!!」」」

目の前に居る令嬢達三馬鹿が、俺の顔を見ると驚き固まり、それから慌てたように礼を取ろうとするのを制する。

「挨拶とか要らないから。それで、私の質問に…答えてくれるかな?」

と、俺が令嬢達が望む─好むような微笑みを向けると、顔を赤らめながらペラペラと色々な話や、訊いてもいない事まで本当に色々と話してくれた。


今日は、ブレインとジェマ嬢の2人が揃って先生の手伝いをする事になっていた為ランチは別々に─となっていた。そんな時は、俺は1人でランチをしている。いつもより早くに食べ終わり、散歩がてらに中庭にやって来ると、エヴィ嬢と三馬鹿のやり取りに遭遇したのだ。


「リンディ様が、学校で姉のエヴィ様から無視されて悲しんでいる」
「エヴィ様が、姉の婚約者に媚びていて、注意しても聞き入れてくれない」
「いつも我儘を言って、王太子殿下様達のランチに割り込んでいる」
「馬車での通学が嫌で、親に我儘を言って寮に入った」


ーよくもまぁ、そんな嘘な話ができるもんだなぁー

聞きながら、思わず笑ってしまいそうになるのを、更に笑顔を深めて耐える。

「これは無礼を承知で申し上げますが、殿下はご存知ですか?エヴィ様が、光の魔力持ちのリンディ様を押し退けて、無理矢理親に泣きついて、王太子殿下の婚約者になろうとしていると言う噂がある事を。そのせいで、王太子殿下の婚約者がなかなか決まらないと……」

ーは?何だそれは?ー

声も出さず、笑顔を維持できたのは、王太子として仮面を被る事に慣れていたお陰だろう。兎に角、その噂は、突っ込みどころが多過ぎる。

ハッキリ言って、リンディ嬢の力なら、例え稀な光の魔力持ちであったとしても、王家としては要らないのだ。これは、父である国王陛下も同意見だ。

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