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第四章ー王都ー
付き添いは誰に?
しおりを挟む「お願い?」
「はい─。」
隣に座っているパルヴァン様も、少し驚いているのが分かるが、今は王様をしっかり見据えておく。
「先日、イリス=ハンフォルト様とお話しをする機会があったんですけど…その時…ハンフォルト様に纏わり付いている黒い煙?モヤ?みたいな物が…視えてしまって…。それが…すごく気になりまして…。その黒い物が何なのか…調べたいんです。」
「もしかして、あの時淹れてくれたお茶は…」
「そうです。あの時、黒い物に効果があるかどうか分からなかったんですけど、ハンフォルト様に飲んでもらったら、その黒い物が消えたんです。」
「確かに、あのお茶を飲んだら…頭がスッキリしたんですよ…。でも…どうしてハル殿に、ソレが視えたんだろうか?」
「私、レフコースの魔力の影響で、私自身の魔力も強くなってるみたいなんです。そのせいかと…。」
ー嘘は…言ってないー
「ハル殿、その黒い物だが…今、ここに居る誰かに…纏わり付いているか?」
パルヴァン様が訊いてきたので、正直に答える。
「…王太子様に…」
ーずっと気になってたんですー
2日前に見掛けた時にはなかったのに…たった2日で。しかも、ハンフォルト様の時よりも濃い黒だ。やっぱり、王太子様は、あのピアスを着けていない。
「それが何かは分からないが…それが、殿下達がおかしくなる原因と言う事か…」
「あの…王太子様…ピアスを…黒と水色のピアスを持ってますか?」
「あぁ…持っては…いる。最近は着けていないが…。あれ?あのピアス…最近見てないな…。」
ーあの黒いのは、思考も低下させるんだろうか?厄介だなぁー
「取り敢えず、今日は、先程言っていた茶葉を持って来たので、飲んでもらっても良いでしょうか?」
そう言って、私はこの部屋に居る人数分のお茶を用意した。
結果、ハンフォルト様の時よりも濃い黒色だったけど、問題無く浄化できました。
「本当だ。頭の中の霧が晴れた感じだ。久し振りにスッキリしている。」
「それなら…良かったです。」
と、ニッコリ笑っておく。
「─かっ…」
「“か”?」
ダルシニアン様が何か言い掛けて、そのまま慌てて自分の手で口を押さえた。
「─いや、何でもない。」
そう口を噤んだダルシニアン様の代わりに、王様が話し出した。
「それで…調べたいと言う事だが…。調べてくれると言うなら、こちらとしては有難いのだが…どうやって調べるつもりだ?」
「先ずは、最近様子がおかしい人が誰で、どれだけ居るか教えて下さい。それから…王城に立ち入る許可が…欲しいです。勿論、立ち入ってはいけない場所には行きません。王城外では、まだ黒い物を視たことがないので、王城内から調べたいんです。」
「それなら、城内では私が付き添いをしよう。」
「─えっ!?」
そう言ったのは…カルザイン様だった。
ーえ?何で?ー
口に出しては言ってないけど、本当に何でカルザイン様が私の付き添いを?そこは…魔術や魔法が関係しているかもしれないから、魔導師のダルシニアン様の方が適任では…ないのだろうか?
王太子様も思ったのだろう。
「エディオル…何故お前が?一応と言うか、お前は俺の近衛騎士だったと思うんだが…」
「一応じゃないだろ。それに、付き添いなら、魔導師の私の方が適任だと思うけど。」
と、ダルシニアン様が言う。
「一番影響が出ているのが、王太子であるランバルトで、王城内を調べたいと言うなら、神殿勤めのクレイルより私の方が適任だと思うが?魔導師で影響が出ている者もいないだろう?」
ー確かに…そう言われたら…カルザイン様の方が適任なのかなぁ?ー
「でも、近衛が王太子から離れてどうする?」
ーそれもそうだよね…職務放棄?になる?ー
ダルシニアン様とカルザイン様が言い合うのを聞きながら、「うーん…??」と唸る私を、王様と宰相様とパルヴァン様とイリス様は、生暖かい目で見ていた─事には全く気付いていなかった。
「ハル殿はどうしたい?」
ふいに、宰相様に問い掛けられた。
「私…ですか?」
「確かに、エディオル殿は王太子の近衛だが、近衛はエディオル殿だけではないからね。王太子と接点を持たせる為にはエディオル殿も適任だと思う。今回の事は魔術や魔法が関係している可能性があるから、魔導師であるクレイル殿も適任と言えば適任だ。」
ーそんな事言われると…選びにくいよね…と言うか、私が選ぶ側って事がおかしくないですか?ー
「えっと…私は…どちらでも…いえ…お二人とも忙しいでしょうから…違う人でも…最悪、1人でも大丈夫ですよ?(王城内を1人で動くのは駄目なんだろうけど)」
と答えると、王様と宰相様とパルヴァン様とイリス様が、何だか可哀想な子を見る様な目で見て来た。
ーえ!?何で?レフコース、私、変な事言った?ー
『…主…気のせいだ…気にしなくていい…。』
ーそうなの!?ー
「あー…それでは…取り敢えずはエディオル殿とクレイル殿の2人で、ハル殿を手伝ってもらう事に…しましょうか。」
と、苦笑気味の宰相様に、そう提案され、断る理由もなかった為それでお願いした。
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