巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

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第四章ー王都ー

閑話ーゼンー

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!!(゜ロ゜ノ)ノ

登録して頂いた方、ありがとうございます!
・゜・(つД`)・゜・

感謝の気持ちを込めて、閑話を投稿しました。良ければ読んで下さい。(*´∇`*)

勿論、読み飛ばしても本編に影響はありません。












私の名前は“ゼン”。現パルヴァン辺境伯の執事をしております。主は勿論、グレン様です。

このグレン様とは、グレン様が伯爵家の次男として誕生した時からの付き合いになります。私は、その伯爵家に代々遣えている一族の者なのです。勿論、私の兄は、グレン様の兄に当たる、先代の伯爵様のもとその伯爵家の執事をしていました。今は、領地でゆったりと過ごしております。

この伯爵家は、文よりも武に秀でた一族であった為、従事する我が一族も、我が主を護る為にと、幼い頃からありとあらゆる武を叩き込まれました。そう…我が主より強くなる為に──。

私の主となったグレン様は、騎士団に入団してすぐに頭角を現し、あっと言う間に第一騎士団副団長を経て、団長にまで登り詰めました。そして、その才能を認められ、このパルヴァン辺境伯をお継ぎになりました。勿論、私も一緒に付いて来ました。

そして、このパルヴァンは土地柄、老若男女関わらず、全ての領民が武に優れている。

そんな中で、唯一、パルヴァンには小動物…リスの様な娘が居ます。

名前は“ハル”様。異世界から勝手に召喚され、そして還れなかった人であり、我が主であるグレン様の命の恩人であり…私の命の恩人でもあります。

私がまだ若かった頃、グレン様と魔獣を討伐する遠征中に、グレン様を庇ってバジリスクの毒にやられた事がありました。生死を彷徨いましたが、何とか生き延びました。ただ、一度毒を喰らった身体は、次に毒を喰らった時は死を覚悟しなければいけない。一度毒にやられた身体にはポーションが効かないからだ。




なのに…





油断して、その辺に居る魔獣でもない毒蛇に噛まれてしまったのです。毒はバジリスクの様に強くもないのに、あの時以上の苦痛が私を襲いました。意識を手放す瞬間…死をー覚悟しました。








「ゼンさん!良かった!」

目を開けると、そこにはパルヴァン邸付きの薬師アンナが泣きながら居ました。

「目が覚めた事、グレン様に報告して来ますね。それと、お水、持って来ます!」

と言って、早足で部屋を出て行った。


ー生きて…いる?ー

頭痛はするし体は重くて怠い。でも、生きている。
ふと、サイドテーブルに置かれてあるポーションが目に入った。

私には少し秘密がある。この世界でも稀な能力ー鑑定ーを持っている。この事は、主であるグレン様とシルヴィア様と国王陛下だけしか知らない。

その能力を使って、そのポーションを鑑定してみると


*解毒ポーションレベル3α*
   最上級の解毒ポーション
   浄水に浄化作用有り



ーは?ー


レベル3α”って…何だ?

“浄水に浄化作用”って…何だ?

頭痛もふっ飛ぶ程の衝撃でした。今まで見た事も聞いた事もないソレ。

聞けば、調合したのはアンナだが、薬草を採取したのはハル様。使用した浄水は、ハル様が魔法で出した物でした。

ハル様がこのパルヴァンに飛ばされて来た時、こっそりとステータスを鑑定したが、使える魔力は水だけでした。それに、その時に一番驚いたのは…

ー攻撃力ゼロ

だった事。これに関しては、グレン様もシルヴィア様も驚いていました。そこから、グレン様とシルヴィア様による、ハル様過保護生活が始まったのは言うまでもありません。ハル様は“リス”です。えぇ、彼女は我々の癒しなのです!我々“狼”が守るべき存在なのです!

と、少し話が反れました──


兎に角、私はそのハイレベルなポーションのお陰で助かりました。勿論、後遺症なども一切ありませんでした。この事は、すぐにグレン様にも報告しました。

「ハル殿が、助かったのはアンナの初動処置のお陰だと言うなら…そうしておくのが良いだろう。」

と。主であるグレン様がそう言うのであれば、私もソレに従うまで。ソレが、ハル様の望みだから。










そんなハル様に…あの馬鹿息子が手を出した。

ーあのクソガキが…どうしてやろうか?ー

どうやって、あのクソガキを追い詰めてやろうかと思案していると、

「城に行って来る。ゼン、パルヴァンここはお前に任せた。シルヴィアにも、この事を伝えてくれ。」

ー嫌です。俺が行きますー

とは言えず…

「承知…しました。ただ…必ず……あのクソガキを下さい。」

「分かっている。それと……口調がいるぞ?」

グレン様は黒い笑顔でそう言って、パルヴァン邸を後にした。



あの調子のグレン様なら、1日と掛からず王都に着くだろう。
あのクソガキ─ギデル。一体誰に手を出し、誰を敵に回したか…その身をもって知らしめてやろう。領地追放が、どれだけ幸せな事だったのか…思い知れば良い。

ニヤケそうになる口に力を入れながら、シルヴィア様の部屋に向かった。












*ようやく、ゼンさんの話を投稿できました。(*´ω`*)ゼンさんは、パルヴァン三強の最強です(笑)*

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